【ユーモア短編】土地神、還る【鹿翅島二次創作】
東雲飛鶴
土地神・島嶋 志摩(しましましま)の場合
◇ナンセンス◇
いくらニンゲンがジャマだからって、こんなこと僕は頼んでなかった。
――普通にコロスんじゃダメだったわけ?
僕は、鹿翅島を含むこの海域の島々を統治する土地神みたいなもんだ。
みたいな、ってのは、しばらく留守にしていたからだ。
というのも、20年くらい前、神に感染する悪い病が流行ったものだから、ちょっと別の国に疎開してたんだ。
で、帰国するにあたって、病み上がりの体に障らないように、知人にニンゲンの駆除を頼んでおいたわけよ。
そしたら、な、な、なんなんだああああああああああああ!!!!!
ナニコレ……(´;ω;`)
帰国したての成田空港のテレビで、じぶんちの大惨事を目撃してイマココなわけだ。なんなんだ……。たちの悪い映画みたいじゃないか。
ゾンビだらけっていう現実が受け入れられない。いや自分がそもそも超常的存在なわけだけどそんなんニンゲンが発生する前からいるんだから超常もへったくれもないんだけど、それはそれとして、ありえないありえないありえない。
あんな穢らわしい連中のうようよいる場所に帰れるもんかい。
……しょうがない、いま着いた便で戻ろう。切符はまだ売ってるだろうか。あ、お土産を買って帰ろう。日本の調味料はあっちじゃ高いからな。そうだ、空港の中って100均ってあったっけ? 日用品はあっちじゃ高いからな。それから、それから……
(了)
【ユーモア短編】土地神、還る【鹿翅島二次創作】 東雲飛鶴 @i_s
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます