第3話 ハイドライド・スペシャルは、錯覚でMAPを広げる。

 ハイドライド・スペシャルの地上マップは、全部で25画面ほどの広さしかないにも関わらず遊ばれた方のほとんどは、地上マップがそれ程の狭さには感じられなかった筈です。


 ジム君が最初に居る第一の陸地は、レベル1(LIFE10)ですべて回れ、陸地全体は22画面ほど中に収まっており、プレイヤーはゲーム開始時に地上マップの88パーセントを見た事になります。この時点でプレイヤーは、ジム君の居る側の陸地をマップとして、対岸を背景として認識しています。


 通常のRPGの場合は、橋などで対岸へ渡った場合にプレイヤーの脳内でマップの合算が行われマップの大きさが把握されますが、ハイドライド・スペシャルの場合は、対岸に渡ってもジム君の居る側の対岸をマップとして、第一の陸地を背景として錯覚させる事によって、陸地が重複する14画面分を別マップとしてプレイヤーに認識させて56パーセントほど心理的に増やしています。


 この錯覚を実現する為に行われている方法が、地上マップにあるレディ・アーマーの迷宮出入口の配置にあります。レディ・アーマーの迷宮出入口の対岸には同じような迷宮の出入口があり、レディ・アーマーの迷宮内部も右下と左上に出入口があるのでプレイヤーの心理としては対岸側の出入口から出てくるものだと思い込んでいるところで、砂漠の出入口から出てくるからプレイヤーの脳内で第一の陸地と第二の陸地がうまく合算する事が出来ずに一度見たはずの画面を別マップとして扱ってしまいます。


 そして、第一の陸地と第二の陸地を行き来する方法がレディ・アーマーの迷宮と偽宝箱の迷宮の二ヶ所を通るしかないので、プレイヤーの脳内で第一の陸地と第二の陸地が合算される事は無いのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ハイドライド・スペシャルを語りたい。 さわぴょん @sawapyon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ