きっと、なにかを失くしたんだろうな

なにかを失ってしまったことを、地団駄踏んで恨んだり、嘆いたり、そういう強い感情じゃなく、失くなったことにも気づかないで、ただ得体の知れない欠落感をどこかにちいさく感じて、忘れていく。
それってたぶんあることなんですよね(覚えてないけど)。そういう明文化できない感覚を、「月を売る」というアイディアにうまく集約した、とても巧みな作品です。