エピソード 1 ウルフチーム


※登場する人物、団体は存在しませんのでご了承ください。


8月6日午後2時に警察は隣の家の人がうるさいとの通報を受け、ウルフチームに協力を依頼した。フランクはどうせ何にもないだろと思って乗る気ではなかったが、住所が未解決の少女誘拐事件が起こったところの周辺と同じだと気づき乗り出した。

8月6日午後9時

フランク「ここで合ってるんだな?、通報の場所と。」

フランクはいつもの様に冷静な態度と声で聞いた。

マイク「ああ、合ってるはずだ。どうなんだ?、エミリー。」

マイクは少し切れ気味で答えた。マイクは陸軍を経験していて、少しキビキビしているところがある。今回は少女を誘拐した人が関わっているかもしれないと思うと気合が入ってるようだ。

エミリー「はい!、合っています!」

エミリーは情報を渡してくれる係。射撃試験の結果が不合格で銃を持つことを定期的に禁じられたため、車などの中からハッキングや追跡などでチームの手助けをしてくれる。

ジャン「あのさ、そろそろ突入してもいいのか?

マイクとかなり待ってるけど。」

ジャンは、マイクと通報のあった玄関扉で強引に入る時を待っている。

マイク「まだ許可が下りてないから待て。」

フランク「突入の許可をする。」

フランクがそう言った瞬間

ジャンは玄関扉を蹴り開け、マイクと家の中に入った。

ジャン「警察関係者だ‼」

ジャンは大声で叫んだ。だけどなんの反応もない。

マイク「おい!俺らは警察と全く関係ないぞ!」

マイクは警察ではなく、エージェントであることがプライドであるため少し強めに言ってしまった。

エリック「ここに来てバカな事はやめてくれ。」

エリックはジャンが犯罪者を何らかの仕組みで、正当防衛に似せ掛けて始末していることを知っているため注意をした。

ジャン「バカなことって?」

とぼけて、逃げようとしている。

マイク「お前のことだよ。」

マイクは呆れて言った。

ジャン「へい、へい。」

フランク「今回は、生け捕りだ。

FBIも関わっているからないるからな。」

フランクは相変わらずに冷静である。

ジャン「相変わらずだな。」

エミリー「ドローンを飛ばします」

ドローン操作はエミリーの特技であった。

ジャン「お、いいね。」

ジャン「マイク」

マイク「なんだ?」

マイクがめんどくさそうに聞く。

ジャン「二人で、でっかい家を探索するのって大変じゃない?」

マイク「(こいつってやつは…)エリック、来てくれ。」

エリック「はぁー、二人で十分だと思ったのによー。」

ジャン「エリック!よろしく~」

エリック「ったく、世話が焼けるぜ。」

フランク「こちらウルフチームリーダーのフランク、警察さんよ。

異常はないか?」

警察A「はい、今のところ異常なしです。」

フランク「了解です。」

エミリー「ドローンで二階を探索します。」

ジャン「ああー、マイク一緒に二階へ行く?」

ジャンはマイクに冗談気味で言った。

マイク「はぁー、いいよ。」

ジャン「冗談だけどよ?」

マイク「いいよ、行くよ。」

マイクはドローンと二階に行った。

ジャン「ありがとう。

俺とエリックは下を探索する。」

エリック「いいだろう。」

エリック「俺、台所に行くとでもするか。」

エリックは台所に行った。台所には広く大きな冷蔵庫があった。

ジャン「気をつけろよ。」

エリック「そのぐらい、わかってんだよ」

ジャン「アハハハ、俺はこのまま前に進むわ」

ジャンは廊下を進んだ。

~二階にて~

たくさんの部屋があり、初めての人ならどこがどこかわからないであろう。

マイク「エミリー、先に部屋入ってくれ。」

いきなり襲いかけられたら困るから先にドローンを行かせることにした。

エミリー「はい、どこの部屋ですか?」

マイク「あちゃー、これじゃあ見つける前に逃げられるぜ。」

フランク「万が一逃がしたら、減給だ。」

フランクが減給と言ったら、必ず二か月ぐらいは減給する。

マイク「あー、痛いやつだ。」

マイクは、ミスをしてしまって一回減給されたことがある。

フランク「連帯責任で、全員だ」

ジャン「マジかよ⁉」

無線機で話に割り込んだ。

フランク「こういう時だけ、現れるなお前ってやつは」

フランクは笑った。

ジャン「それだけは、勘弁だぜ

じゃあ切るな」

ガタッ

ジャンが話し終わったと同時に

一番奥の右の部屋から音がした。

マイク「エミリー、」

エミリー「はい?」

マイク「一番奥の右だ。

微かにだけど、何かが動く音が聞こえたんだ」

マイクはウルフメンバーの中で一番耳がいい。

エミリー「そうですか、わかりました。」

マイク「開けるぞ、」

扉をゆっくり開けた。

エミリー「はい!」

ウィーン

ドローンが部屋の中に入った。

エミリー「分析中です。

…何故か、幼い子のような物影があります。」

マイク「は!、マジかよ。」

マイクは驚いた。

エミリー「はい、クローゼットの中からです。」

マイク「よし、わかった。」

クローゼットを開けた。

マイク「お、お嬢ちゃん?

大丈夫か?」

少女「おじさん、誰なの?」

怯えた声で聞いた。少女は小学3年生くらいの大きさだ。

でも誘拐された子とは違う子だ。

マイク「警察…のお手伝いをしているんだ。」

少女「じゃあ悪いおじさんを捕まえに来たの?」

マイク「ああ、そうだ。」

少女「良かった、殺されてしまうのかと思った。」

マイク「(なんて野郎なんだ!)お嬢ちゃん、下におじさんのお友達がいるんだ。

下に行けば、助けてもらえるよ。」

少女「そうなの?わかった!」

少女は走って部屋を出て、階段を下りた。

マイク「ジャン、今小学2,3年ぐらいの子が下に行った。」

ジャン「了解!」

マイク「あの野郎絶対に許さない!」

ジャン「おい、それ俺のセリフやぞ。」

マイク「あ、あーあ、何…でもない。」

マイク「エミリー、次は隣だ」

エミリー「は、はい!」

~一階にて~

少女が下りてきた。怯えているのかビクビクと震えていながら、手すりをつたって降りてきた。

ジャン「おおー、君だね。」

女の子は、勢いよく振り向いて腰を抜かしかけてしまったようだ。

少女「おじさんも警察さんの人?」

疑いながら聞いた。

ジャン「(ったく、マイクってやつは何を言い出すんだ。)う、うん。

そうだよ!」

ジャン「外でお巡りさんがいるから話を聞かせたら、助けてくれるよ。」

少女「うん!」

少女は安心して、外に出た。

ジャン「フランク、小さい女の子が外に出た。

保護してやってくれ。」

ジャンは少女が外に出たことを確認して、フランクに連絡した。

フランク「ああー、了解した。」

エリック「ジャン、ちょっと来てくれ。

面白いもん見つけたぜ。」

エリックは低い声で言った。

ジャン「おーけ、すぐに行く。」

ジャンは台所に向かった。

~台所にて~

ジャン「うーん、そこまで変わったもんはないけど。

あ、でもあのでけー包丁以外ならやけど。」

いかにも、料理には向いてなさそうな24㎝ぐらいで大きく刃先がノコギリの様になっている。

エリック「この扉のことだよ。」

エリックが台所の近くの扉を指した。

ジャン「あー、それのことか。」

ジャンは包丁のことかと思っていた。

エリック「気づけよな。」

エリックは呆れて言った。

ジャン「開けてみるか?」

エリック「そうするか。」

エリックは、ノブに手を置いた。

ジャン「待て、ゆっくり開けろや。

いきなり襲い掛かっても困るからな。」

エリック「じゃあ、銃構えとけよ。」

ジャン「そういったって、この武器の威力じゃあ

この距離からだと即死かもな。」

ジャンは自分の銃を見ながら言った。

エリック「じゃあ、どうしろってんだ?」

ジャン「さぁー。」

ジャンは首をかしげた。

フランク「何度も言うけど、生け捕りだ。」

フランクは無線で言った。

ジャン「そうは言っても、」

エリック「じゃあ、開けるぞ。」

エリックが扉を開けると、同時に何かが腐ったような強烈な臭いがした。

エリック「オェ!ゴホ!」

エリックは今にも吐きそうにしている。

ジャン「エリックお前、ウッ!なんだ、この臭いは。」

ジャンは思わず鼻をつまんだ。

エリック「なんて…ゴホ、臭いだ…」

ジャン「よくここまで臭い来なかったな。

しまってる状態がずっと続いていたのか?」

ジャンは不思議に思って言った。

エリック「知ったことか、ウッエェ」

エリックは、限界に達しているみたいだ。

ジャン「んー、下に…行くか?」

エリック「そうするに決まってるだろ。」

ジャンとエリックは薄暗い地下室へと足を運んで行った。

~二階にて~

マイク「とうとう最後の部屋まで来たが、もう逃げたのでは?」

マイクは諦めかけている。たくさんの部屋を見てきたが特に怪しいものはなかった。

エミリー「ですが、この住宅街に設置されてある監視カメラには何も映っていませんでした。」

マイク「なら、一階かな?」

無線の回線を変えてジャンと連絡をとった。

マイク「ジャン、何かあったか?」

ジャン「(少しノイズがある)ウェ、あ、特には…ゴホ」

マイクは不思議に思った。

マイク「何かあったか?」

ジャン「ああ、今エリックと地下に続く階段を降りている。」

ジャンは、鼻を塞いでいるため上手く話せない。

マイク「そうか。」

ジャン「降り切ったら、また連絡入れるな。」

マイク「おう」

エミリーは、ドローンで部屋の中を分析しているとある異変に気付いた。

エミリー「えーっと、マイク…もしかしたらこの部屋に容疑者がいるかもしれないです。」

マイク「何?、入るぞ。」

エミリー「はい。」

ウィーン

ドローンが部屋に入った途端クローゼットから容疑者が出てきた。

ハンリー「く、来るなー‼」

容疑者が慌てて持っていたショットガンでドローンを撃った。

エミリー「キャッ、もうー。」

フランク「マイク!、逃すな!。」

エミリーの端末を覗いてたフランクが言った。

マイク「逃してたまるか!」

マイクは部屋に勢いよく入った。

~地下室にて~

そのころジャンとエリックは地下室に着いていた。

ジャン「ん?、なぁー上と連絡が取れなくなった。」

エリック「回線を妨害されてるんだな。

そのあたりにスイッチないのか?」

ジャン「ないみたいだ、あ。」

エリック「どうした?」

ジャン「あった。」

ジャンがスイッチを押したと同時に悲惨な光景が二人の目に映った。

エリックは思わず吐いてしまった。

エリック「ウェー、オェー、ガハッ、オオ、オェー」

ジャン「悪趣味だぜー。」

地下室には若い女性の遺体が腐りかけて椅子に座られている。

壁には拷問か何かに使われていた道具があった。

ジャン「こんな道具…見たことねぇー。

ん?、血痕…まだ乾ききっていない。」

ジャンは床にある血痕を見て、不思議に思った。

ジャン「この女性の遺体の状態からして…三か月ぐらい放置されているのか、

じゃあこの血は誰のだ?」

エリック「オェ、これから…ゴホ、調べる。」

エリックは少し立ち直ったみたいだ。

10分も手掛かりを探したが何も出てこなかった。

ジャン「あー、なんだよもー。」

エリック「身元がわからんと、話が進まん。」

エリックが腕を組んで考え込んでいる。

ジャン「なー、エリックこのボックス見てみろよ。」

エリック「うわー、でかいな

鍵をかけられてるな。」

エリックは開けてみたがびくともしなかった。

ジャン「任せろ。」

ジャンは銃を取り出して鎖の部分を撃った。

エリック「ウッ、気をつけろ。

近かったんだぞ。」

ジャン「ごめん、でもこれで開いた。」

エリック「ったく、ん?これは財布?」

少し古い財布があった。

ジャンも大きな箱に近づいて中からメガネを取り出した。

ジャン「これは…メガネ?」

ボックスから、たくさんの物が出てきた。

古い財布の中に入っていた免許証から女性の身元が分かった。

エリック「メリーナ・ゴンザレスって、失踪してた女の人だよな?」

ジャン「あー、確か大型スーパーマーケットに出かけたっきり帰ってこなかったような通報やったな。」

ジャンはメガネをいろんな角度から見ながら言った。

ジャン「これじゃあ、被害者は数十人か。」

ボックスの中を眺めながら言った。臭いにはもう慣れたようだ。

エリック「そうだな、これじゃあ終身刑だな。」

ジャン「死刑でもいいと思うんだけど。」

ジャンは少し怒って、不満そうに言った。

エリック「そういったってここには死刑制度はないんだぞ。」

ジャン「よし、証拠はそろってる上に戻ろう。」

エリック「おう!」

ジャンと、エリックは駆け足で階段を上がっていった。

~二階にて~

マイク「待て!」

ハンリーは窓に向けて、ショットガンを発砲し窓から、飛び降りた。

マイクは、あっけにとられたがすぐに窓に近寄った。

マイク「フランク、容疑者が窓から飛び降りた。捕まえてくれ。」

フランク「俺の出番か。」

~外にて~

フランク「俺の出番か。」

フランクは、銃を取り出し車を飛び出した。

フランクは、ハンリーを目撃しすぐに銃を向けて怒鳴った。

フランク「動くな!警察だ!」

ハンリー「来るな!、撃つぞ!」

ハンリーは銃口をフランクの方に向けた。

ジャン「フランク、何があった?」

回線が復帰しジャンが、台所の窓からフランクを見て不思議に思った。

フランク「容疑者が、目の前にいるんだよ。」

ジャン「ま、すぐにエリックと行く」

フランク「ああ」

フランクは、警察官に気づき目で合図をした。

フランク「なー、えーっとハンリーだっけな?

交渉しないか?」

ハンリー「なんのだ!」

ハンリーは今にも撃ちそうだ。

フランク「お前のやったことならな、終身刑だよ。

だからさ、今そのショットガンを降ろせば15年の懲役刑になるように裁判官と話すよ。」

ハンリー「ほ、ほんとか?」

フランク「ああ、約束しよう。」

ジャンは、エリックと玄関を飛び出し、叫んだ。

ジャン「今だ!」

ハンリー「へ、う、あが」

ハンリーの後ろに回っていた警察官はスタンガンで気絶させた。

警察官A「容疑者の身柄を確保。」

フランク「よくやった。」

二階に昇っていた、マイクがドローンを持ちながら降りた。

マイク「はぁー、警察に持ってかれたな。」

マイクは呆れたように言った。

エミリー「終わりましたね。今回はなんの役にも立てなかった。」

エミリーが車から降りて、みんなのところに集まった。

ジャン「そんなことないよ、エミリーのドローンで捕まえれたんだからな。」

エミリーが微笑んだ。

フランク「よーし、一件落着だ。これから食べに行かないか?」

エリック「そうしよ、みんなどうせこの後暇だし。」

マイク「あー、そうだな。明日って…給料日だろ?」

エミリー「そうですよ。」

ジャン「あ、待てよ。」

ジャンは、察したように苦笑いをした。

フランク「ジャンの、奢りだな。」

エミリー「反対はありませんね。」

エリック「そうだな。」

マイク「この前、賭けたからな。」

マイクは、ジャンの肩に手を置いて言った。

ジャン「あははは。」(嫌だな)

ウルフメンバーは、近くにあったイタリアン料理のレストランで食事をとり、それぞれ家に帰った。

~ジャンの家にて~

ガチャ

ジャン「はぁー、疲れた。うっ、臭いが移ってる。最悪。」

ジャンの愛犬であるジャーマン・シェパード・ドッグが出迎えてくれた。

ジャン「ジョニー、元気にしてたか。」

電話が鳴った。

ジャン「誰だ?」

ジャンが登録していない電話番号からかかってきた。

ジャン「もしもしジャンです。」

エミリー「あ、ジャン、時間ある?」

エミリーがジャンに電話をかけるのが珍しかった。

ジャン「珍しいな、どうしたんだ?」

エミリー「来週の、土曜日は時間空いてる?」

ジャン「あー、空いてるよ。あ、午後からだったらな。」

エミリー「うん、わかったありがとう。」

エミリーが、電話を切った。

ジャン「ジョニー、明日も俺は仕事だ。来週の日曜に散歩に行こっか。」

ジャンは、シャワーを浴び、ベッドに入った。

ジャン「あの女性は、どんなことを思ってのだろう。」

ジャンは、椅子に座らされていた遺体の女性のことを思い出した。

ジャン「ジョニー、寝るか?」

ジョニーが、ベッドに上がってきた。

ジャン「お休み。」

ジャンは、愛犬をそうっと撫でて頬笑み目を閉じた。


エピソード1 終わり

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THE CRIMINALS ミスターj @misterj200

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