第15話 依頼に誘われた

薬草採取、街の掃除、商店の手伝い、畑仕事の補佐……


銅級の掲示板前、依頼をみていると雑用がメインのようだった。討伐の依頼は銀級からか


「ちょっといいかな?」


どれをやろうか悩んでいると後ろから声をかけられた。振り向くと若い戦士風の男、

その後ろにはパーティーメンバーだろうか、魔導師の女、弓士の男、軽装の男が立っていた。


「なにか?」


問うと戦士風の男が口を開く。


「君、新人だろ?良かったら俺たちのパーテ

ィーに入らないか?」


「はい?どうして俺を?というよりあなた方

はどなたですか?」


「あぁスマナイ。俺は銀級冒険者の

【カマス】戦士をやっている。」


魔導師【ユラ】弓士【トマ】斥候【セイ】と続けて自己紹介される。この三人は銅級で、カマスに勧誘されたらしい。

自己紹介されたので自分も名乗る事に。


「俺はサックと言います。で、どうして銀級

のカマスさんが銅級を勧誘していたのです

か?」


「ゴブリンの討伐依頼が五人いないと受けら

んないんだ。本来は俺一人でも問題ない依

頼だが…ギルドの決まりでね」


肩をすくめて首をかしげ、困ったようなジェスチャーをするカマス。


「で、どうだい?君達も討伐依頼を受ける事ができるから悪い話じゃないだろ?」


「いいですよ。よろしくお願いします。カマスさん。」


数あわせのようだけど銀級がいれば冒険者としての振る舞いも解るだろう。

俺は同行する事にした。


「じゃ、依頼受けて来るから皆待っててく

れ。」


掲示板から依頼書をとり、受付に持っていくカマスを見送り残された冒険者の方を向き改めて自己紹介をする。


「改めて、サックと言います。得意な事 は荷物持ち位ですがよろしくお願いします。」


「なんだ、ポーターかよ。」


斥候のセイが舌打ちしながらそっぽを向く


「コラ、セイそんな態度とるな。同じ階級の新人同士だぞ」


「そうだよ、荷物持ちながら戦えないんだしポーターも立派な仕事だよぉ」


トマとユラがセイを注意するとバツが悪そうに後を向いてしまう。


「まったく」


腰に手をあてトマがこちらを振り向いて右手を差し出してきた。


「セイの態度を謝罪します。僕らは同じ村から出てきて今日冒険者登録をしたばかりなんだ。」


出された右手を握り返し


「俺も昨日登録したばかりでの初依頼なんですよ。よろしくお願いしますトマさん」


「私もよろしくです。初依頼頑張りましょうね。」


ユマが俺とトマの手を取り笑いながら上下左右に振り回す。


「よ、よろしくユマさん」


「ちっちっち、さん付けは無し呼び捨てでいいからトマとセイも良いよね」


セイは「あぁ」とそっけなく返事をしトマも笑顔で頷く。


トマとユラは笑顔で俺を見つめる


「わかりました。ユラ、トマ、セイ、よろしく」




















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冒険者達の雑用係 茄子の味噌炒り @52455656

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