第2.5話「久々の休日とお出かけ(下)」
ベンチから立ち上がってから五分程度歩き服屋に辿り着いた。
「よし、シン。 今回はデートで着ていく服も買おうと思っているから感想を頼む」
「えぇ……服とか見る目無いですけど。 まぁ、わかりました」
やはり俺は服を見る目は無く、結局店員さんに頼んでケンさんに似合う服を選んでもらった。
その服をとても気に入り迷うこと無くケンさんは即購入した。
「それで、服も買って映画も観て、後はどこに行くんですか?」
ケンさんはここで終わる予定だったのか少し悩み始めた。
「そうだなぁ……じゃあ、カフェにでも入るか?」
「えっ? ついさっき昼飯食ったばっかですけど……いいんですか?」
「まぁコーヒーとか飲みながら色々話して駅まで送って解散にしようと思ってるんだがどうだ?」
俺が一緒に行った感じ少し不安な点がいくつかあるがこの順番で行くと失敗にはならなさそうだな。
「まぁこんな感じで大丈夫だと思いますよ?」
「そうかぁ、良かったぁ」
ケンさんは全身の力が抜けたのか椅子にぐったりとした姿勢になった。
そしてその顔はとても満足そうに笑っていた。
「まぁ今日は本当にお前を引っ張り回して悪かったな」
「今更ですか? まぁ、引っ張り回されたおかげで暇が潰れたので許してあげますよ」
そして俺は軽くため息をついて笑顔でケンさんに顔を向けた。
一応準備は整ったと言ってもやはりまだ心配なところがある……。 だから俺が来週の日曜のケンさんのデートを尾行して見守ろうと思った。
一週間後の日曜日
午前十時ケンさんがひまわりから出た。
俺はその後ろをバレずについて行くために二分ほど時間を置いてから俺もひまわりを出た。
あくまでもネット上で知り合った相手だ。
万が一のことがあっても殺し屋のケンさんなら大丈夫……だと思いたい。
刃物を使う近距離型の殺し屋だから武術は使えるから自分の身は守れるだろうけど少しは不安だ。
そしてバスに乗り込み先週に来た駅前のバス停に到着した。
確か待ち合わせ場所はショッピングモールの入口だったよな……。
そしてその相手の名前は『Yu☆i』って言う人だっけな。
そして待ち合わせ場所でお互いに服装や特徴を事前に言っていたのかそれらしき人物にケンさんは駆け足で向かって行った。
その向かった先にいたのは少し長めの黒のスカートにクマの絵が描いてある服を着た小柄な女性だった。
……見た目あれ中学生だろ。
女性の年齢が分からないから絶対とは言いきれないが、見た目完全中学生にしか見えねぇ。
と、とりあえず二人の話が聞こえる程度まで近くに行ってみよう。
幸い二人はまだ挨拶や軽い会話をしているだけでまだその場を動いていなかった。
俺は一応会話が聞こえる程度の所まで辿り着き帽子を深く被り、マスクをしてスマホをいじりながら待ち合わせをしているような感じを出しながら盗み聞きを始めた。
「いやぁ、本当にアイコン通りの顔で綺麗な髪でほんと! お綺麗です!」
「なっ! そ、そんな綺麗だなんて……恥ずかしいです……。」
なんだよこの二人。 ネットで会話してたとは言え初対面でこんだけイチャつくとかムカつくな。
初めてあったくせにカップルみたいな雰囲気出しやがって。 爆ぜろ! カップル! 生きろ! 童貞!
「本当に今日は誘っていただきありがとうございます!……えっと、ケンさんでいいんですかね?」
「あっ!はい! じゃあ、こっちもユイさんでいいですか?」
「大丈夫です!」
はよ中入れ。
「じゃあここで立ち話もなんだし、早速入ろうか」
「はいっ!」
おっ、やっと入っていたかコイツらめ。
二人の距離はとても近く、まるで周りから見たら歳の差のあるカップルにしか見えないだろう。 ムカつくぜ。
「えっとユイさんは学生なんですよね?」
「はい! 大学生です!」
嘘だろ……大学生かよ、めっちゃ中学生に見えたわ。
「ケンさんは喫茶店で働いてるんですよね? いいですねぇ、喫茶店。 私喫茶店好きなんですよ」
「そうなんですか? じゃあ今度俺が働いてる喫茶店来ますか?」
「いいんですか? じゃあ、是非行きたいです! あ、後ケンさんは歳上なんですから私には敬語を使わなくても大丈夫ですよ?」
「えっ、あっ、そう? じゃあわかったよ」
くっそ! 今すぐケンさん……いやケンの顔をぶん殴ってやりてぇ……でも我慢するんだ! ここで我慢しなかったら先週の日曜の頑張りが無駄になってしまうぅ。
「じゃあ早速映画でも観ようか」
「いいですねぇ。 じゃあ行きますか」
おっ、順番通り映画館に向かったか。
確かあの映画は二時間近くあったよな。
なら時間があるからゲーセンにでも行って『太鼓の廃人』でもするかな。
二人が映画館の中に入ったのを確認し、俺はゲーセンに向かている途中だ。
一応今日は三千円持ってきてよかった。 暇潰しが出来るぜ。
そして俺は『SEGO』と書いてあるゲーセンの中に入り、太鼓の廃人に百円を入れて、この太鼓の廃人のキャラクターの『ゴンちゃん』が『曲を選ぶゴン!』と低音ボイスで言ってくる。 正直これ声高くてもよくね?
まぁとりあえず適当にアニソンでも選んで一番難易度が高いレベルにしてゲームと曲がスタートした。
そして一発目から俺はミスをしてしまった。
それから太鼓の廃人は二度としないと心に決めてメダルゲームで五枚スタートでどこまで稼げるかと、自分の中で始めて六百枚程度まで増やすことが出来た。
そろそろ時間になり隣の子供にあげたらとても大喜びした。 よっぽどメダルゲームが好きなのだろう。
じゃあ映画館前のベンチに座って待機しておくか。
「はぁはぁ……きちぃ」
熱風、そして下がることの無い高温。
額から滴る汗はダラダラと体を撫でるように落ちて行く。
あれから二十分近くだろうか。 流石にそろそろ出ないと倒れるか……?
「おい、親父……もう出てもいいか?」
「んん? なんだ優。 お前この五十の父さんより先に出るつもりか?」
「いや年齢関係ねぇよキツイから出るんだよ。 このサウナその辺のサウナよりあちぢぞ?」
優は父親と一緒に浴場施設に来ていた。
そのサウナで父親と一緒に二十分近く入っていて、優は限界ギリギリを迎えていた。
「無理、キツイわ、親父もぶっ倒れる前に出るんだぞ」
「あぁ、わかったよ」
優はサウナから出た瞬間とてつもなく爽快な涼しさを感じた。
サウナの温度から解き放たれたこの気持ちよさこそ最高の瞬間のひとつだと優は静かに体で感じた。
「ふぅ……シャワー浴びてくるか」
優はそのままシャワーがある所までゆっくりとタオルを首に掛けながら歩いて向かった。
少し予定より早く映画館に到着してしまい、まだあの二人は出てきていなかった。
仕方なく俺は自動販売機で缶コーヒーを買いベンチでゆったりと座りながら缶コーヒーを啜った。
恋愛……か。
今まで一度も経験もした事ない未知の世界。
まず興味がなかったと言うのが正しいのだろう。
今までは殺し屋として依頼をしてひまわりで働くことで満足していた。
恋人と言う特別な存在を欲した事が無かった俺には恋愛と言うものはアニメやドラマの世界でしか無かった。
だがいつかも俺は……恋をするのかな。
「いやぁあの最後は泣かせに来てますよね」
「ほんと、絶対あれは泣かせに来てるよね」
やべっ!
考え事してたら出てきやがった。
「ん……?」
ま、まずい!
バレるなバレるなバレるなバレるなバレるなバレるなバレるなバレるな……。
「ケンさん、どうかしました?」
「あっ、いや。 知り合いが居たように思えたんだけど人違いだったみたい」
……ふぅ。
危なかった。
まぁこの調子だったら特に不安もないかな。
不安だから最後まで尾行しようと思ったけどする必要は無いみたいだし。 帰るか。
そして俺はショッピングモールから出てバス停で時間を確認したらつい一分前にバスが出たことに絶望した。
翌日
「おいシン。 おいシン聞いてんのか?」
「えっ? あぁ、すまん。 聞いてなかったわごめん」
「んだよ!ったく……」
優はお昼の弁当を俺と机をくっつけて食べていた。
俺は適当におにぎりを二個と玉子焼きを三個入れたシンプルな弁当だ。
それに比べて優は唐揚げやら赤ウインナーやら豪華な弁当だぜ。
「だからな、俺は最近あったジンギス社の社長が誰かに殺された話だよ」
「なんでそんなことお前が気にすんだよ。 お前の親父さんが警察なのは知っているけども」
優の父親は警視庁で働く警察官なのだ。
その息子故か事件とかそういう事が起こるとすぐ興味が湧いているらしい。
「いやぁ、やっぱりさ。 こうまだ犯人が見つかっていないのにこう、自分で推理とかするのが好きなんだよなぁ」
「まぁ別にそれは好きにしてろよ」
俺は玉子焼きを一つ口に入れた。
ちなみにその事件は前ケンさんが依頼を受けた仕事だ。
死体処理はしっかりとし、証拠も痕跡も残さず片付けたらしいが行方不明扱いとなり、数日間も行方が分からず、警察が動き、死亡しているのでは無いかと推測があるらしい
「その社長はさ。気に入った女性社員にとんでもねぇくらいセクハラとか色々してたらしいぜ」
「へぇ〜」
「なんだよその言い方。あんま興味なさそうだな。もしかしてなんか知ってたりする?」
こいつ感は鋭いな。
「んなわけねぇだろ。 第一俺がそんなこと知るわけないだろ?」
「だよなぁ〜」
「まずな、あんまそういう世に出てない情報を俺とかにペラペラ喋っていいのかよ」
「あぁ〜気にすんな気にすんな。お前どうせあんまそういうこと誰にも言わねぇタイプって信じてるからよ」
「ふっ……そうかよ」
まぁ、もし優が俺が殺し屋で手を汚していると知ったら、どう反応してどう接してくれるかは分からない。 だが俺は優に打ち明けることは無い。 打ち明けて、優に怖がられて避けられることが……嫌だからだ。
「まだ犯人も捕まってないし防犯カメラにも映っていなかったからなぁ。 本当に捕まるのかね?」
カメラはハッキングや監視室に人を送って証拠が残らないように徹底しているからそりゃ残るわけながないよなぁ。
「さぁな。 捕まるといいな。なぁ……優」
「ん? なんだ?」
「人を殺すのは簡単だけど……殺される人はどんな気持ちなのかな」
「……それは、やっぱり怖いんじゃねぇのか? 死んだ後のことが分からないし、分からないからこそ恐怖が生まれて『死にたくない』って思うんじゃないか?」
『死にたくない』『恐怖』か……。
確かにたまに近接で殺すこともあるけどその時の相手の表情は怯えて震えていた。
殺す側からすると何も感じなかったが、改めて考えると怖いのか。
「そう……か」
「……なぁ、どうしたんだいきなりこんなこと聞いて。 何かあったのか?」
「いや! 別に何もねぇよ」
俺は玉子焼きをもう一つ口に入れておにぎりを一口かじった。
「そうか。 ならいいけど」
そう言って優は赤ウインナーを一つ口に入れた。
数時間後
「ただいまー」
「「「おかえり」」」
マスターやケンさん、そしてヒナタさんが店で「おかえり」と言ってくれた。
やっぱりこの当たり前のことがありがたく思える。
「そうだシン君。 君に依頼が来ているよ」
「依頼? どこの人?」
「あそこの奥に座っている髪の綺麗な女性だよ」
マスターが指を指した方向に座っていた女性は綺麗な長い黒髪にスタイルがとてもいい、理想のお姉さんって感じの人だ。
だがその女性の表情はとても暗く、まるで闇を歩いているような感じだった。
「じゃあちょっと行ってきますね。 あっ、カバンお願いします」
「頑張ってね」
俺は軽く深呼吸をして女性の席に向かった。
「隣、よろしいですか? お姉さん」
「あっ、はい。 どうぞ」
俺は許可が出たことを確認し、向かいの席に座った。
「あなたが私に依頼を頼んだ人でいいですか?」
「はい」
「ではどのような依頼内容で?」
「実は政治家の
勝秀俊と言えばつい最近政界で一際信頼を得ていると言われている人だよな。
「えぇ、ニュースで度々耳にすることがありますので。 その勝秀俊の殺害依頼でいいんですか?」
「はい……あの人は昔私が高校生だった頃に無理やり性行為をされて子供を孕ませたんです」
なんか最近こういう系の依頼が多いな。
まぁ別に依頼を受ける側としては何の問題は無いけど。
「それで子供を産ませて一ヶ月は面倒を見ていたんですが……ある日私の息子をお風呂に沈ませて殺したんです」
「それは……また何故」
「理由は『こいつの面倒はもう嫌だ。 俺はお前の体目当てでヤったんだよ。 ほらもっかいヤろうぜ?』って言って体を触り始めたんです」
あーあの人は表で信頼を重ねて裏は女の体と金目当てのゴミ野郎だったって訳か。
「それで私は逃げ出して助かったんですけど……これ以上また私みたいな人があの男のせいで増えると考えると……他の被害者のことを思うと許せなくて殺してしまった方がいいと思ったんです」
「なるほど……。 その依頼は任せてください。 では、報酬の話なんですが──」
「あのっ! その……お金の事なんですけど……今十万しかなくて……。 高額すぎると払えるかどうか分からなくて」
なるほどな。
その十万は出来るだけ掻き集めた分の十万だろう。
「なるほど。 分かりました。 では今回の依頼は無償でさせていただきます」
「えっ?!」
「あなたのような人が増えると考えると確かに胸が苦しいです。 ですからこれは私なりの気持ちですよ」
「でもっ! それでも……お金は払わないと」
「その十万。 必死に掻き集めた分だと思います。 その頑張ったものは頂けません。 そのお金は自分の生活費にでも使ってください」
「……あ、ありがとうございます!」
その女性は涙を流しながら俺の手を握った。
「私……あなたのような人がいて良かったと、心の底から思いました! 感謝しかありません!」
「ですが、またここの珈琲を飲みに来てくれるのであれば大丈夫ですよ」
「それで良ければいつでも来ます!」
そう言い女性は手を更に強く握り涙を流していたが表情は笑顔だった。
「その笑顔で、私は満足です。 ですがあなたがしようとしていることは直接ではくとも間接的に人を殺すことになります。もしこのことが公になったとしても我々は一切の責任を負いませんがよろしいですか?」
この問いは重要なことだ。
感情に流されて人を殺すことを決めてしまったらそこまでの話だ。
だが覚悟を決めた上での決断とあれば俺達の生業的に言わせてもらえば別にどうでもいいのだが覚悟を決めた上でこの人が決めたのであれば俺らは止めない。
「私は構いません。先程も言ったようにこれ以上被害者を増やしたくないのです。法で裁くことができない悪がいるのであれば、あくを持って悪を成す以外ないと私は思います」
この人の瞳には確かな覚悟がある。その瞳を見て俺はこの依頼を受けることを決めた。
「わかりました。では、明日の二十三時頃にあなたの電話に報告をさせていただきます」
「わかり……ました」
女性は涙を拭いながら返事をした。
「では、ありがとうございます!」
そして女性は入口でもう一度深く一礼をして店を出て行った。
「おいシン。 ありゃ惚れてるぞ」
後ろからケンさんが笑いながら言ってきた。
「ふざけないでください。 ありえませんよそんなこと」
「へっ! まぁ頑張れや」
そう言いケンさんは俺から離れて行った。
さて……情報屋の
情報屋の銀次は基本的にフリーの情報屋だが何故か俺の事を気に入ったのか、今は俺を優先に情報を渡してくる。
SNSアプリのDMにて
『おい銀次』
『なんだいシンくん。 また情報が欲しいのかい?』
『話が早くて助かるぜ。 政治家の勝秀俊の明日の予定を調べて欲しい。 今すぐにだ』
『おいおい、そんな急に言われても困るぜ旦那ァ。だが相変わらず運がいいな。俺っチが政治家関係の人間を調べてないとでも思ったか?』
『なら助かるぜ。 で、明日一番フリーな時はいつだ?』
『明日は十四時二十五分に車で移動をするらしい。 その時を狙って撃てばいい』
『了解。 場所は……』
翌日
十二時前休み時間
そろそろ仕事に行かなきゃ間に合わねぇなぁ。
一応道具は既に準備済みだから問題は無いし先生には昼で帰るとは言ってあるしそろそろ行くか。
とりあえず優には軽く挨拶でもして帰るか
「おい優悪いけど俺今から帰るわ」
「えぇ〜なんだよお前サボりか?ずるいぞ俺も連れてけどこに遊びに行くんだ?」
優はニヤニヤした顔で俺の顔をしたから覗き込んだ
「ちげぇよ、家の用事だよ」
俺は優の顔を押しのけた。
「ちぇ、なんだよサボりかと思ったのに」
「まあそろそろ行かなきゃだから、じゃあな」
俺は優に手を振りカバンを持って歩き出した。
「おうよ!じゃあなー!」
十四時二十分
天気は快晴!
そして見晴らしもいい狙いやすい所だぜ。
「学校早退して人殺しだなんて、そんなやつこの日本で俺しかいねぇだろな」
スコープを覗きながら狙いを固定している途中に呟いた。
「恐怖……か。 恐怖に怯えると言うならせめて、恐怖すら感じないように一撃で仕留めてやるか」
スナイパーライフルの固定が終わり空を見上げたら太陽の光が目を直撃した。
「うぉあああああ! ……あぁ。 くっそ目が痛てぇ」
次から晴れた日はサングラスを持ってこようと心に決めた。
「十四時二十四分……そろそろだな」
千三百メートル離れた先のビルから出てくるとの情報だ。
確か黒色の高級車だったよな。
防弾ガラスにしてあるらしいが、俺の弾は特注の『防弾ガラスなんて粉砕ですっ♪』と言う物だ。 一応これは情報屋の銀次が作って名付けたものだ。
ふざけた名前ではあるが、威力は名前の通りだ。
「おっ! あの黒い車かな? ナンバーも……情報通りだ」
時間通りに黒の高級車がやってきた。
SPが勝を囲っているが正直意味の無い配置に笑えてくるくらいだ。後部座席に勝が座ったことを確認しトリガーに指をかける。
「じゃあ一撃であの世に送ってやるよ。 恐怖を味わう前にな」
そして引き金を引いた。
命中だ、弾丸は脳天を貫いた。即死だろう。
倒れたことを確認し俺は下で待っているマスターの車に乗り込むために道具を片付け、その場を後にした。
二十三時過ぎに電話をかけて撃ち抜いた事を報告したら泣きながら一言こう言われた「本当にありがとうございました」と。
その女性はとても嬉しそうだったが、どこか罪悪感を感じているのか、嬉し涙なのか罪悪感からによるものなのかは俺には分からない。
だが、これで誰かが救われたと言うならそれでもいいだろう。
誰かの笑顔が守られるなら。
暗殺者でも俺は高校生です はっぱ先輩 @K-0728
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