【注意】この作品はグロ・サイコホラー描写を多分に含みます。気をつけてお召し上がりください。あえて言いましょう。「まさしく狂気である」、と。理不尽に展開される物語、それ故に浮かび上がるのは、不快なはずなのに、一周回って美しくさえ感じる狂気。サイコホラー好きにはきっと刺さるはずです。純然たる狂気……是非、ご堪能あれ。
頭のてっぺんから足の爪先まで、一切合切が狂気的。説明もなされず、ただ理不尽になされるがままな読者は、不快感させ感じる事だろう。ただ、読むのをやめてしまうかのようなお粗末な不気味さではなく、悪魔的・外道的狂気であるがゆえに、読者は己の不快を見て見ぬふりをして、ラストまで読み進める。それはまるで、度重なる恐怖にも、いつか終わりが来ると信じるかのように。