第16.5話 第1回感想戦

 TRPGのセッションに欠かせないもの。

 それは「感想戦」。

 まあ、とにかく、今回の冒険について色々話したいよね、やっぱり。

 それが醍醐味っていうか。


 で。実際に話をしているのはグリップダイスの面々ですが、ここで表記を戻しても面倒くさいので、そのままキャラ名で会話するということで。




ティファーラ:そう言えば、最初のオークションで私たちってザバール様に買われたじゃん? あれって他の人に買われていたらどうなっていたのかな?


ドリル:あー。それ、めっちゃ気になるわー。リルドラケンの人とか。


ティファーラ:真っ黒で傷ばっかりのヒト。


マリリン:ドワーフの人とかね。立派な髭の。


GM:あー。そうだね。真っ黒で傷ばっかりのリルドラケンの場合、剣闘士として闘わされたり、ドワーフだと、やっぱり色々なことを命令されて行動したり。


ヒューマ:へー。面白いね。まあ、どれがいいのかわからないけど。


マリリン:ホントだね。


GM:うん。実は、この「ミストキャッスル」は色々な導入があって、誰の奴隷にもならずに「浮民」としてプレイを開始するというのもある。


マリリン:そんな選択があったの?


ヒューマ:その場合は『追剥ぎ小路』とかで、あのメルキオーレとかの依頼を受けたりしそうだね。っていうか、そんな選択できたの?


GM:まあ、場合によっては。『奴隷市場』で奴隷にならずに全員切り倒して……。


ヒューマ:何も武器持ってないけどね。全員グラップラーだったら可能なのかもしれないが(笑)。


マリリン:「こんなこともあろうかと……」ってどんなパーティだよー(笑)。


ヒューマ:まあ、そうするとオーソドックスな導入だったと。


GM:何をもってオーソドックスというのかわかりませんが(笑)。「お前の妹の価値は1800ガメルだー!」とか「その女はもっと安いハズだー!」とかいうのがオーソドックスというならそうかもしれませんが。


ティファーラ:そんなことは言ってない。


マリリン:言ってないよねー。


GM:え? 言ってましたよね。少しでも価値を下げようと。


ティファーラ:(ヒューマを指して)言ったのはアイツだ!


ヒューマ:何言ってんだよ。全部演技だろ? だって、何もしなかったら、メルキオーレを見た瞬間に「お兄ちゃん!」とかなっちゃって、マズいことになってただろ?


GM:そうだねぇ。でもお陰で『追剥ぎ小路』に行った時に「お兄ちゃん! アイツ!」とか言われて余計面倒なことになったりね(笑)。


ヒューマ:えー。普通だったじゃん。


ティファーラ:えー。


GM:でもねぇ。実際思ったのは、なかなか死なないメンバーだよねってコト。


ヒューマ:いやいや、結構危なかったですよね。三途の川を何回か見ましたよ。ティファーラとか。


マリリン:ティファーラと言えば、HPの計算が間違っていたことには驚きだよね。


ヒューマ:え? 何点間違ってたの?


ドリル:ホントは14点だったのに11点だと思っていたんだよね。さっきのレベルアップ作業の時にわかったんだよ。


ヒューマ:そうなの?


GM:そうそう。3点間違っていたんだよね。


ティファーラ:そう。


GM:でもなぜかMPの計算は合っているとか。


マリリン:でもこれでHPが17点になったんだから、私とあんまり変わらないよね。


GM:しかし装甲の違いがあるからね。


ヒューマ:しかし、防護点も大事かもしれないけど、回避の方が大事な気がするな。結構な確率で回避できたから良かったけど、当たっていれば相当なダメージだったよ。多分、死ぬ。


GM:そうだね。でも結局、回避の時にピンゾロ振ったりすると防護点がなくなるからね。


ドリル:そう言えば、ティファーラのピンゾロ率がスゴかったね。セコイ。


GM:羨ましそうな顔をして言うと、まったく説得力がないんだけど(笑)。


ヒューマ:そうだよ。先制判定の時にみんなピンゾロを振りたがるのは本当にやめた方がいいよ。


マリリン:いや、ヒューマが一番出したがっているように見えたけどね。


GM:君はスカウトなんだから、ピンゾロを喜んでいる場合じゃないよね?


ヒューマ:俺はメインがファイターだから。


GM:いや、スカウトだよね。完全に。立ち回りとか。


ヒューマ:本当なら、ドリルがスカウトなのにー。


ドリル:いや、僕はシューターだから。


GM:しょうがないよ。だってお父さんがシューターだったんだからー。


ヒューマ:そこはシューターはなかったものとして全く違う技能を上げてだなー。


ドリル:それはヒドイ!


GM:何、キャラの根本をおかしくしようとしてるんだよ!?


マリリン:でも尻尾の方が強いよね。


ドリル:そんなことないよ。ロングボウの方が強いって。


マリリン:え? そうなの? 尻尾ばっかり当たってるイメージだからそう思ってた。


GM:ダイス目が振るってないだけだよ(笑)。しかし、種族特徴の中でもエルフの[剣の加護/優しき水]とか使うところあるのかって感じ。[剣の加護/運命変転]とか[剣の加護/炎身]とかの便利さに比べると。それに飛べるとか尻尾とかの方がよっぽどいいわ。


ドリル:あ、でも[暗視]があるよ。


マリリン:[暗視]も使わないよね。だって他のメンバーに[暗視]持ってない人がいると関係ないから。自分だけ使えてもねー。


GM:でも【ライト】が使えるソーサラーがいないと、大変なんじゃない?


ヒューマ:そうなんだよね。松明を持つと攻撃力や防御力が下がるしね。しかし、魔法の武器が最低5000ガメルからだということを考えるとコンジャラーって必須なんじゃないの? 魔法の武器がないと困る状況が多そうだし。


GM:しかも経験値的に成長させるのも大変だからね。


ヒューマ:ねえねえーティファーラ~。コンジャラー取ってよー。一生守るから~。


ティファーラ:(ガン無視)。


ヒューマ:あ、そうだ。ナイフじゃなくてダガーに替えたいなー。誰かお金貸してー。


マリリン:ちょっと黙ってて?


ヒューマ:何かアレだね。このゲームはプレイヤー同士のヘイトが上がっちゃうね。


マリリン:誰が一番ヘイトを上げてると思ってんの?(笑)


ヒューマ:しかし、セージかバードが必要なのでは? やっぱり蛮族語は必須だろうし。


GM:でもこの街にいる間は会話も読み書きもできるよ。


マリリン:そうだよ。こんな街、出るんだから覚える必要もないよ。


ヒューマ:いや、俺は覚えたい。


GM:そうだよ、この人はこの街で名誉蛮族になるつもりなんだから。奴隷とか買いたいんでしょ?


ヒューマ:まあ、実際、それもアリじゃないの?


マリリン:どんだけ順応してるんだよー。


ヒューマ:だって、俺は第一の剣の神を信仰しているわけじゃないから、マリリンと違って困ることないし。だいたいこの街を抜け出しても、別に良いことが待ってるという気もしないし。だったらザバール様の部下としてやっていった方が明るい未来が待ってるかもしれないし(笑)。そのためには6000ポイントじゃなくて1万ポイント貯めないといけないからな。しかし、そういうことであればウォーリーダーとかの技能を取らないといけないな。


GM:リーダーじゃないのに。


ヒューマ:いや、ウォーリーダーを取っておけば、名誉蛮族になった時には、周りに蛮族を従えて……ということができるじゃないか。


GM:もうそれって人間じゃないけどね!


ヒューマ:あれ? 蛮族って人間じゃないの?


GM:いや、種族的には人間だよ。でも蛮族は人間社会から、かけ離れた存在だよ。


ヒューマ:そう言えば、ザバールポイントってもともとあるの? その「ミストキャッスル」のシナリオに。


GM:あるよ。カードはないけど。


マリリン:ないんだ(笑)。


ヒューマ:ザバール様じゃないところにも同じようなシステムがあったの?


GM:さあ、どうなんでしょうね。


ヒューマ:そうだな。目標は30歳までに名誉市民になることかな!


GM:30歳かよ。


ヒューマ:だって、アレでしょ? 外の世界でちまちまと《剣のかけら》を集めて名声を得るよりも、ここでザバールポイントを貯めて名誉蛮族になる方が全然早いでしょ?


GM:まあ、そのとおりですけどね。って言うか、その発想がすでに蛮族!


ヒューマ:しかも、名誉蛮族で好き勝手なことをやってから途中で人間側に寝返れば良い待遇を受けられるのでは?


GM:普通に血祭りに上げられると思うけどね。


マリリン:じゃあ、ヒューマはこの街から出ない方がいいんじゃない? この街に染まり過ぎだよ!


ドリル:え? ヒューマはホントに名誉蛮族を目指すの?


ヒューマ:うん。だって帰ったところで明るい未来が待っているとは思えないもん。


ティファーラ:ねえ、私たちポイント貯めたら帰っちゃうよ?


ヒューマ:うん、いいよ。1万ポイント貯めたら帰りなよー。


GM:すげー勝手。


ヒューマ:それにマリリンも宗派替えすれば問題ないよ?


マリリン:ホントかよー。


ドリル:え? 名誉蛮族になると何か良いことあるの?


GM:そうだねぇ。かわいい女の子奴隷を買ったり、買った奴隷を闘技場に出して喜んだり。


ドリル:いいね、それ!


ヒューマ:馬鹿野郎! 俺がしたいのはそんなコトじゃない! 名誉蛮族になって、ここで苦しんでいる浮民たちを守るために闘うんだ!


ティファーラ:スゴく嘘くさい。


GM:しかし、みんな順応が早いよねー。


マリリン:私、本当に“風来神”とかで良かった。もっと正義っぽい神だったら大変だった。今、ただの回復役みたいにして楽しくやってるけど。


GM:いいのか、それで(笑)。そう言えば、新しく手に入れたボードケームがあるんだけど。


ドリル:えー? 何てヤツ?


GM:「K2」というヤツで、登山隊を派遣して、世界で2番目に高い山を制覇するというゲーム。、やってみない?


マリリン:やるー!


ドリル:やるやるやるやる。


ティファーラ:いいね、やろう!


ヒューマ:よし、じゃあやるか(キリッ)。……ところでGM。次回の予定なんですが……。



 というところで今回の感想戦はこれでおしまい。

 セッション完全終了である。

 そして、余った時間でボードゲーム……という流れが非常にお勧め。

 何か、スゴくやり切った感に包まれる。

 一言で言えば「最高」。



 それでは、また会う日まで!

 アディオス!



 あ、そうそう。

 次回冒険の予告はしておきますか!



 ……ズバリ!


 「サカロスの薬酒」を手に入れる! ガチで!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ソード・ワールド2.0リプレイ「ご主人様はウサギですか?」 グリップダイス @GripDice

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ