人類とキメイル
人類が外宇宙に進出してから1世紀以上がたった。第197移民船団は何度か居住可能惑星にテラフォーミングしたが、そのたびに生態系を破壊し死の惑星に変えてきた。その反省から人類を管理すべく統制機構「ホーライ」ができ、新たに発見した惑星「フォルロボス」の入植を主導してきた。
しかし、行き過ぎた資源統制と人口管理で社会は行き詰まり、反発する人々は集まって兄弟惑星「ウィデオ」へ移住した。自由を求めて移住した人たちの中には一般市民だけでなく企業や研究機関などもあり、協力し合って開拓を進め、各地にコロニーを造りウィデオの過酷な環境に移住していった。そして、各コロニーの代表者が集う議会がウィデオを統治し、入植期に企業と研究機関などが合体した軍産複合体「ユース」がウィデオの開拓と市民の安全保障を行った。
ウィデオへの入植から10年余りたってウィデオの開拓は進み、社会は安定期に入った。ウィデオ開拓のためにウィデオの環境に適応した人類として造り出された合成人種「キメイル」は人類にとって不要な存在となっていた。彼らは人類とは馴染めず人間から離れた自分たちのコロニーで暮らしていた。
AA114年。始まりは何であったのか。突如として争いが起こり、人類とキメイルの戦争が始まった。入植期に人類の障害となった原住生物「ノート」を駆逐するために造られたキメイルの戦闘力は人類を凌駕していた。初期の戦闘で多くのコロニーが戦場となり破壊され、ユースは多大な犠牲を払って戦線を押し戻した。それから40余年が過ぎても戦争は終わらなかった。
ツノノユメ 夕浦 ミラ @ramira
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