自然は人類に微笑むのか。
緑は豊かな自然の象徴でもあるが、それは人類にとって救いか脅威か。そんなものは“彼ら”にとっては関係のないことだろう。
人類がいま立っている先の見えない状況を、この小説でいう謎の緑化に転じてみると、人間の営みなぞ、いかに脆いものであるか気づかされる。
その中で、やはり若さにはそういう諸々に打ち勝つ力があるように思う。
主人公は不安を抱きながら、どうしたらこの状況に対応できるか考えている。
そこに未来を想像し、その未来を迎えるための希望を持っているからだ。
この主人公のように、何ができるかはまだわからなくとも、未来を諦めずに前を向こう。
そんな希望をくれる物語。