パンデミックが収束したから、ボクたちは日常を取り戻すために必死なんです。

作者 たかなん(花楽下 嘩喃)

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★★★ Excellent!!!

いつだって世界は終末なのだ。明日がどうなるかなんてわからないから。そしていつだって世界は始まるのだ。どうやら僕らの日常はわりと強固で、受け入れたり、馴染んだりしながら。
戦争、疫病、災害、そして暴走。さまざまな出来事が僕らにちっぽけであることを自覚させ、死を近づける。
これは寓話が寓話として機能しないでたらめな世界を生きる人のための短編である。

★★★ Excellent!!!

自然は人類に微笑むのか。

緑は豊かな自然の象徴でもあるが、それは人類にとって救いか脅威か。そんなものは“彼ら”にとっては関係のないことだろう。

人類がいま立っている先の見えない状況を、この小説でいう謎の緑化に転じてみると、人間の営みなぞ、いかに脆いものであるか気づかされる。
その中で、やはり若さにはそういう諸々に打ち勝つ力があるように思う。

主人公は不安を抱きながら、どうしたらこの状況に対応できるか考えている。
そこに未来を想像し、その未来を迎えるための希望を持っているからだ。

この主人公のように、何ができるかはまだわからなくとも、未来を諦めずに前を向こう。
そんな希望をくれる物語。

★★★ Excellent!!!

2020年に疫病が流行って暮らしが制限されるなんて、だれも予想だにしていませんでした。でもそれも、すこしずつ順応し、日常のひとつにさえなっていく。若い学生の視点から見れば、それはいっそう顕著なんだなと、このお話を読んでいるとそう感じます。
だからこそ、もうひとつの「新たな日常」の展開が、不気味です。緑に包まれた世界を、彼らはどう受け入れていくのでしょうね。