第4話 動物園にて

今日は僕にとって有意義な一日だった。

世の中にこんなに僕の知らない動物がいることを知ったからだ。

トリという動物は僕らと違い空を飛ぶことが出来るらしい。

僕も同居人の男に抱えられて『ほらヒコウキ』と地面から浮くことは良くあるが、1人では飛べないので驚きだ。

サルという動物は僕らに良く似ているが毛むくじゃらだ。

最近は外に出ただけで暑くて体から水が噴き出すので、僕は彼らが少し心配にもなった。

しかし、一番ビックリしたのはゾウという動物だ。

僕よりは勿論、同居人とも比べても大きさが全然ちがう。どれくらいミルクを飲んだらあれくらい大きくなれるのだろうか。もし緑のドロドロも食べなくてはダメなら頑張ろう。

外の世界は僕の知らない世界がきっとまだまだある。

ふとベビーカーから空を見上げると、一面がニンジンの色になっている。これも僕の知らなかった世界だ。

青い空の時と比べると涼しく、ベビーカーの振動と相まって気持ち良くなってくる。

これからもっとたくさんの冒険ができると思うとワクワクする、と思いながら僕はウトウトして眠りについた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼくのぼうけん @ryokutya07

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ