「ふと読み返したくなる」という生きたいがあってもいい

「安堵したのを覚えている」

 https://kakuyomu.jp/works/16816700428127131964/reviews/16816700428159249484


"「ふと読み返したくなる」という生きたいがあってもいい"と目に留めて、良い言葉だなぁと思った数瞬のちいや云ったの私やんけという自分ツッコミに襲われ、やっぱ良い言葉だなぁと辿り着くに至る。

 

 思うに、小説に為せる業があるとすれば、きっとそれくらいのもので。


「それでもweb小説おすすめブログを続けるワケ」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896176243/episodes/16816452220247115525


 私は上記リンク先で、小説にもらう感想を「つかの間のお守り代わりとなり得るやもしれない」と評した。ここで云う"お守り"とは、平易に云えばふと目にした折、ちょっとした元気をもらえるもの──くらいに捉えていただけると幸い。ただあったところで苦痛からの脱却につながりはしないが、と意識した途端、気持ちマシになるみたいな。

 とはいえ、それは何も感想に限った話ではなく、多分小説だって似たようなもので。


 根本的な救いになりはしないが、ふと読み返した折、胸のすく"誰か"がいたらその作品に生まれてきた価値はあったでしょとか思っている。


 こういうことを記して「やっぱり小説は読者あってこそ」と曲解されるのも大変癪に障るので追記しておくと、その"誰か"には当然自分も含まれているので。自作を読み返して別段悪い心地しなかったら、それはもうあなたにとってお守りだし、わざわざ形にした意味があるよと断言しておく。


 云わずもがな人間は皆死ぬし、全人類共通の人生の目標があるとすればそれはもう「いかに綺麗な走馬燈で最期を飾るか」くらいなもので。


「日頃からポジティブな言葉だけを使うよう心がけましょう!」みたいな自己啓発本にありがちな主張も、個人的にはアレ死の準備じみているよなーと(否定はしていない。むしろ肯定的ですらある)。日頃からポジティブなものに目を向ける、ポジティブな側面を逸早く発見できるよう訓練積んでおけば、臨終の景色キレイな確率って多分高いので。

 人生って実質"走馬燈を彩るお守り探し"だよなーとか思いながら今日も生きてる。


 そう考えると、この誰かの注意を奪い合うだけの社会も「誰かの走馬燈を彩るお守りになりたい一心で、今日も何かを創作している人たちの集まり」と脳内変換すれば幾分綺麗に見えてきた次第。


 ちなみに、私自身はそこまで今わの際に華美は求めていないので。

 ネガティブな言葉だってフツーに使うし、ネガティブなものにだって引かれれば目を向けるし、なんだったら観察もする(ただ、焚きつけたら人として詰みだと思ってはいるし、そこまで入れ込む焦燥感もないので、観るに徹している)。


 まあ見れるレベルの走馬燈だったら生涯許容できるかなーとか安易に考えている。


 そういえば、だいぶ前にTwitterで「走馬燈、死の間際に何とか生き延びる術はないかと脳が高速検索した結果、見える説」をつぶやいたなぁといま思いだした。怖い夢を見る理由にしても「脳が現実で起こり得る怖い事態に備えて訓練している説」とかあるし、事実だとしたら人の心身は丈夫というか、思っている以上に生きやすいようにできている。


「僕らは"生"(=不幸)から逃れられない【オマケ:人はなぜ悪夢を見るのか】」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896176243/episodes/1177354054918735309


 今回はそんな感じ。これを読んでいるあなたの"走馬燈を彩るお守り探し"は捗っているだろうか? ではまた~。

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