僕らは"生"(=不幸)から逃れられない【オマケ:人はなぜ悪夢を見るのか】
Webマーケティング面白そうだなぁ──などと思っている。手法について紹介する動画を観ただけで、具体的なアクションには移っていない。
ここ最近、とりあえず新しいものを見つけては次から次へと着手しているが、大きく分けて理由は二つで。一つは単純に副収入がほしいから。幸せはお金じゃ買えないけれど、ないと自由度下がるからね。将来の選択肢が、多いに越したことはあるまいて。
で、もう一つが結局何か行動しなくちゃとか、新しいこと始めなくちゃみたく不安や焦りに駆られたときの建設的な対処法ってもう「行動する」しかなくね? という結論に至ってしまったからでして。
そもそも、人間は不幸を回避できないようにできている。
悲観の度合いに個人差はあれど、現状は何とはなしに不幸で、マイナスじゃないけど決してプラスでもない──と、そう感じやすいようにメンタルがプログラムされている。
その根拠となるポイントは三つで、一つが「楽観バイアス」でもう一つが「ポリアンナ効果」、最後が「快楽の踏み車」にござい。以下、順を追ってざくっと解説。
1.楽観バイアス
コレ、私ら「未来は明るい」と考えがちという思い込みを指すのだけれど──。こういうこと云うと「いや、私自分の未来明るいなんて思ったことないんですけど⁉(半ギレ)」みたく異を唱える方が何名かいそうなので、ちょっと別のたとえを。
誰だって一度は「今日はもう疲れちゃったなー。明日やろうっと」って先延ばしにした経験ありません? それ、楽観バイアスです。明日の方が今日よりずっと忙しい可能性あるし、何より根拠もナシに明日がやってくると思い込んでいる。寝たらフツーに朝目が覚めると思い込んでいるわけですから。
いつだって明日は今日よりちょっと明るい。だから、"今"ってツラいよねと考えてしまう。
2.ポリアンナ効果
人間はネガティブな記憶よりポジティブなそれを思い出しやすい。「あーあ、あの頃は良かったなぁ」って昔に思い馳せちゃうあの感じですよ。昔は昔で厭なことの一つや二つあったはずなのに、それらはまるで浮上してこない。で、十中八九その後に「それに比べて今は」という溜息混じりの泣きごとが続く。
──話ちょっと変わるのですが、初めての失恋が思いのほかノーダメで「え? 初恋にやぶれた瞬間ってもっと悲劇的なはずでは?」という理想と現実のギャップに苦しむって結構あるあるだと思うのだけれど、読んでる方いかがです?
いつだって昔は今より輝いている。だから、"今"ってパッとしないよねと考えてしまう。
3.快楽の踏み車
人間は幸せに慣れる。「シャトーブリアンうんめぇ~ッ!!」と思っても、二回目三回目となると徐々に感動は薄れてゆくでしょ? 少なくとも初めて口にしたときほどの歓喜ではなくなる。あっ、ちなみにシャトーブリアンは食べたことないです。頭に浮かんだから書いてみただけです。
で、これらが何故に人間の初期装備なのかと云いますと、人間って現状不幸だと思ってた方が生存確率上がるのですよ。
楽観バイアスは、明日は今よりいくらかマシなはずだ、だから生きようとなる。
ポリアンナ効果は、あの頃は良かったなぁ、だったら今をあの頃に近づけなきゃ、現状を改善しなきゃとなる。
快楽の踏み車は、常時感動MAXだったらもう何もしなくていいじゃない。感動が消えるから次の感動探しにいかないと、行動しないとってなる。小説でいえば、読後の感動が永続するのであればもう次の物語を探す必要なんてないじゃない。
とまあこんな具合に、人間は前進するために──生きるために今をなんか不幸だと思うようにできている。
だから、本来なら不安や焦燥感といったネガティブな感情って行動の原動力だったのですよ。でも、今って良くも悪くもネガティブな感情向ける先が多くなり過ぎちゃったんですよね。ちょっとしたモヤモヤはコンテンツの消費によって紛らわすことができるし、SNSの誹謗中傷の背景にあるものってまさにそれだからね。
そんなわけで、私たちは"生"から逃れられない。そう容易くは。不幸を──回避することはできない。
だから諸君よ。観念するところはもう観念して、明日も明後日もなるべく生きていよう。
※
余談。某所にて悪夢の話があったので。
悪夢の恐怖感と現実の恐怖感って同じだと云われているのですよ。活性化している脳の部位が同じだから。で、人間てそういう体験をしている折、不安や恐怖を作っている扁桃体が活性化すると同時に、恐怖をコントロールする前頭前皮質も活性化しているらしいのですよ。
そこから、もしかして人間っていざ現実で恐怖に直面したとき、パニックを起こさないように、少しでも冷静に立ち回れるように、ある種のトレーニングとして悪夢見てるんじゃね? 恐怖コントロールする部位を鍛えているんじゃね? という説があるわけでして。
だとしたらつくづく──人間は"生"から逃れられないようで。
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