「3行ポジティブ日記」むしろネガティブな人の方が書くの得意説

「三行ポジティブ日記」なるストレス対策がございまして。一日の終わりに今日楽しかったことを三つ書くだけで、物事の良い側面に目が向きやすくなる、自分の人生案外悪くないと思えるようになる、心理学を使って人生をより良くしようみたいな情報を日々送受信している人たちの間では、有名なテクニックのひとつなのですが──。

 この日記を習慣化している病みやすい人、いや、病みにくい人がやっているケースだってフツーにあるとは思うのだけれど(一方でこれを習慣化しようと思い立った時点で、他人より病む素質備えている感はある)。


 そもそも病みやすい人って日記書くまでもなく、日常の小さな幸せ見つける能力高いよなと。


 そう、ポジティブなことをわざわざ三つ書かせるのって今日一日の中でどうにか自分にとって嬉しかった出来事を捻り出そうとする、ポジティブ思考のトレーニングを兼ねているので。この三行ポジティブ日記って「あなた、日常の小さな幸せを見つけるの苦手でしょ? じゃけん日記を書いて幸せを見つける能力高めましょうね~」みたいな発想が根底にある気がするのですよ。

 かく云う私自身、心が病みやすい人は仕事や人間関係のストレスで日々の幸せをサーチする能力が鈍っている、だからネガティブなことばかり目についてしまうのだと思っている節がありました。

 ただ、先日私第一回遼遠小説大賞という企画きっかけでとある作品を読ませていただきまして。その方の名誉のためにタイトルは伏せるのだけれど──まあ、真に名誉のためを思うのであればそもそも企画きっかけとかいう対象を絞り込むヒント出すなって話なんでしょうけど。

 その作者さんとはリアルにお会いしたことがないのですが、これまでのそう多くないやりとりから察するに恐らくつよつよではないのですよ、メンタルが。断言すると、角が立ちそうだから控えるけれど、比較的病みやすい素質を備えた書き手であるように思ふ。で、その人の書いた作品を読んだときに「あれ?」となって。


 心が病みやすい人って日常の小さな幸せ、幽かに光っているものを捉える感性メチャクチャ鋭いなと。


 他人より落ち込みやすいのだから、きっと日々の悪いところにしか目が向いてないんだ~ではなくて、そんじょそこらのポジティブ・シンカーよりよっぽど光るもの見えてるんですよね。だから、そういう人たちへの言葉掛けとして、今日あなたの身に起きたハッピーに目を向けようってアドバイス、非常にもっともらしいのだけれど、いやその人ら多分誰より今日あったハッピーに気づいてるぜ? 道の端っこで散々踏まれた挙句アスファルトにこびりついている花びらに美しさ見出せるくらいには目敏いぜ? などと思ってしまったり。

 幸せを見つける能力はそもそも高いのだから、大事なのは私はこれを幸せだと思っていいよね? 私はこの幸せを享受していいよね? 的な許しのマインドなのではないかと。

 私もかつてお世話になった人たちに感謝のお手紙を書き殴ってから某睡眠改善薬を二週間分イッキする中々にハジけた精神状態だった時期ありますけど、思い返すと確かにああいうときって幽かに眩しいものを見つける能力クッソ高いんですよね。そう、幽かに。途方もなく眩しい、インスタでウェーイみたいなピーポーとか億り人レベルは眼中に入らんのですよ。自身の現状とかけ離れ過ぎていて。仲良さそうな子連れの親子とかね、そういう届きそうでなーんか届かんかったなぁみたいな遠さに目がいくんですよね(笑)


 ──これ逆に云えば、日常の些細な幸せが最近やたらと目について仕方ない人、メンタル病む前兆かもだから気をつけろ説あるな(※個人の感想です)。


 三行ポジティブ日記そのものは労力的にも低コスト且つ「ポジティブ日記」なる日記帳アプリもあるそうなので、興味のある方はやってみたら良いのではないかなぁと思います。続けてみて効果を実感できなかったら、他のストレス対策と併用するなり、大人しく他のストレス対策に乗りかえるなりすれば良いわけですし(ダメだったらすぐ他を当たるより、複数を同時に実践してみるタイプのマインド結構大事)。

 ちなみに私は一週間この三行日記を試したことがあるのですが、終える頃にはわりと気分良くなっていて、「ああ、私ってこういうことで気分良くなるタイプの人なんだ」と案外びっくりしたことを覚えています。で、そういう自分もいるのだと認識したところで止めました(笑)


 山田玲司氏が失恋の痛みにパーティーバーレルって云ってたけど、失恋に限らず心の傷をパーティーバーレルで癒すのムリあるやろって思う反面、パーティーバーレルで立ち直れちゃう人たちって一定数いると思うのですよね、きっと。


 だから、私以前は根拠のあることしかやりたくないというか、「お前の云うそれサンプル数一じゃん」みたいなこと基本やりたくない人だったのだけれど、この日記の体験を経て「もしかして私パーティーバーレルで元気出るタイプの人かも?」とか思うようになりました。

 いや、パーティーバーレルと精神科医が推奨しているストレス対策比べんなよって話かもしれないけど、三行ポジティブ日記でまあまあ気分晴れるマインド備えているんならワンチャンパーティーバーレルイケる気ぃしません?

 何事もやってみないとわからない。今のところ、お試しの予定はありませんが。

 今回はそんな感じ。ではまた~。

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