それでもweb小説おすすめブログを続けるワケ

 ──他の人の作品にレビューを書いたり、紹介したりするのって、「いいこと」なのかなあと思ったんです。「レビュー&紹介すれば喜んでもらえる」って信じられなくなって。


 なるつぶやきを見かけ、わかりみが深い──と思った次第である。初っ端から畏まって読めばいいのか、耳穴をほじりながら読めばいいのか判断に困る書き出しで申し訳ない。

 私自身小説家になろうが活動拠点だった頃から、この感覚にはしばしば遭遇していて、なんならweb小説おすすめブログを運営している今だって直面するのだけれど。

 

 思うに、この「自分が他薦したところで喜んでもらえないのではないか」という懸念って、少なからず相手に自己を投影している部分があるよなぁというのが私なりの見解だったりする。


 特に中堅作家あるあるだと思うのだけれど、当初手放しで嬉しかった感想やレビューが見慣れてくるにつれて「ありがとうございます! 感動通り越して嗚咽してます!!」から「たすかる」くらいのリアクションに替わるじゃないですか(笑)

 この変遷は当然個人差はあれ、人ってアップサイドに慣れる生き物ですから。千PVを達成したら一万PVほしい、一万PV達成したら十万PVほしい、そんなことより五千兆円ほしいとなる生き物ですから。予測可能回避不可能なのだけれど──。

 一方でそのフラットになってゆく感覚を「何となく寂しいな」「厭だな」と客観視できてしまうところもまた人間のさがでして。


 そこから「もしかしたら周りもそうかも?」と自己を投影した結果、「自分が他薦したところで喜んでもらえないのではないか」という心境に至るのかもなーと。


 もちろん、これはあくまで私の場合こういうプロセスからそこに至ったのかな──というだけのお話なのですが。

 個人的には、感想やレビューの類ってもらった直後よりのちに効いてくるものだと思っていて。

 人の活力に結びつくものとして、ドーパミンと呼ばれる通称やる気ホルモンがあるのだけれど、まあ全力で三〇秒も運動すれば分泌されるものですから、やる気が出ないと感じたら即その場で三〇秒全力で動きましょう! 的なクイックスキルがあるわけですが。

 とはいえ、「じゃあ、やる気を振り絞って何しようとしてるんだっけ?」に対する答えが明確でないと頑張りを継続しようがないじゃないですか。靄のかかった目標を掲げたまま、日々努力を重ねられるほど私たちって都合よく出来てはいないので。


 とどのつまり、モチベーションって記憶から来るのですよ。


 だから──紙に目標を書いて常に目の届く位置に張っておくという昭和チックなアレ、そういう意味では一応効果あるんですよね。目標達成で一番大事なことって忘れないことなので。人が「何だかやる気出ないなー」と感じているとき、その原因を一概にこうとは云えないのだけれど、少なからず忘却は関わっているよなーなどと思ってみたり。

 私、小説家になろうを離れた今もアカウントは削除していないので。今でもたまーに十年以上前に頂戴した感想やらメッセージやらに目を通すのだけれど、改めて読むと面白いですよ(笑)

 そこに記憶がセットになっているので、当時の心境がよみがえるみたいな。


 だから、感想やレビューの類って慣れてくると即効性は薄れる一方、ふと読み返したとき効いてくるというか、省察の機会を与えてくれるというか、これまで何を読み書きして今に至っているのかを教えてくれるものなのではないかなーと。


 物書きって内に目が向いているようで、あんまり向いていないじゃないですか。本当は自分の中にネタが潤沢にあると解っているのに、外に目を向けてひたすらネタ集めに奔走する──とかいうムーヴ、身に憶えありません?(笑)

 刺激があふれるこのご時世、自身の内に目を向ける機会って中々ないので。 

 かつて頂戴した感想やレビューから人生を一変させるほどの何か──を得られる人は稀だとしても、読むと「何かしないとなぁ」くらいの気持ちにはなるので。


 いつぞやの近況ノートでも書きましたが、ここぞというとき良い方向に注意を引いてくれる何かって大事だと思うのですよ。


 つかの間のお守り代わりとなり得るやもしれない。

 そんなわけで、今後も細々とweb小説を他薦していけたらなぁ──と思っている次第。私みたいな物書きの端くれが残したそれでもお守り程度の効果はあるでしょうて。良いこと起きるまで取っておいたらいいんですから。

 今回はそんな感じ。ではまた~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る