2品目 今日もやっぱりオン・ザ・ソーラーパネル
今日は晴天だ。絶好の食事会オン・ザ・ソーラーパネル日和。なら雨天の時にソーラーパネルの上で食事をしなかったのか?否、それは否だ。
:::回想:::
「はる先輩、今日は雨だからソーラーパネルの上には流石に行きませんよね?」
「え?何言ってんの?乗るよ。」
「は?」
:::回想終了:::
こんなことがあったが、今思えば僕の勘違いだったらしい。流石に雨降ってる時に外では食べないと言っていたので冗談だろうと思った。しかしこれは思い違いであった。なんとはる先輩がつかさ先輩、もも先生とともに倉庫からソーラーパネル(保証期間が過ぎたもの)を持ってきていた。この時はさすがに引いた。今まで以上に引いた。つかさ先輩ともも先生は巻き込まれただけだろうけど、はる先輩は自分の意思でやっているはずだから。と思ったけど、つかさ先輩ともも先生も最近は自分からやっているらしい。慣れって怖いな。
「というわけで、今日は旬の食材を使って料理をしようと思うの。」
「どういうわけっすか。」
突然始まった。今日、明日はもも先生は出張で休み。なので今日、明日だけ『数学番長』こと
「今は初夏!ということは旬は?楓よろしく!」
「はる先…。うるさい…、テンション高い…、ウザい…。」
「うわぁ、すんごい毒吐くじゃん。」
「それはいい…言う…。アジ、アナゴ、アユ、イワシ、カジキマ…」
「多い、多い、多すぎる。有名で手に入りやすいものでいいから…。」
「わかった…。アジ、アユ、イワシ、スズキ、メバル、アオリイカ、スルメイカ、コウイカ、ウニ、モズク、マダコ、毛ガニ、クルマエビ…。」
「若干多い気がするけどいいか。んじゃあ、次。つかさよろしく。」
「わかった。私からは野菜だよ。ピーマン、レタス、トマト、ジャガイモ、シソ、きゅうり、キャベツ、枝豆…くらいでいいかな?」
「うん、ありがと。最後は、文人よろしく。」
「はい、果物行きますね。あんず、キウイ、マンゴー、さくらんぼ、パイナップル、びわ、メロン、夏みかんくらいですね。」
「ありがと。今日から1週間は旬ものウィークだよ!何作る?」
この部では月に1回旬ものウィークがある。旬の食材を使おうという試みである。ラボの畑にはそこそこの種類の果物や野菜を育てているのでさっきあげたものはだいたい採れる。
「○K G○○gle.レシピ大百科。」
「え?旬の食材をどう使うか考えるんじゃないんですか?先月はG○○gle先生なくてもできたじゃないですか…」
「先月は割と簡単だったの!今月の微妙なのが多いから何を作ればいいかわからないの!」
「えぇぇ…」
「はる先、今月の旬の食材に失礼…」
「春音、私もそれはどうかと思うよ…」
「だいちぃ、ゆかぁ、みんながいじめてくるぅ〜!」
「先輩、それはさすがにないっす。」
「うちも同じく〜。」
「うわぁぁ〜!みんな、きらいぃぃ〜!」
「「「「「あ、」」」」」
「よし、文人行ってこい。」
「えぇぇ…」
はる先輩、窓から見えるとこにいるよ。泣き出し、逃げたはる先輩を慰めるのは僕の仕事らしい。みんなは一生懸命G○○gle先生で探してる。おい、さっき先輩に言ったのはなんだったんだ。
ラボの畑の柵の裏に隠れているつもりの先輩はスマホを見ながら何か言っていた。
「とまとと、あすぱらの、れいせい、ぱすた。ふらいど、ぽてと?ぽてとぉ!」
先輩は泣くと精神年齢が幼稚園児(漢字は問題なく読める)になるらしい。ポテトで喜んだし。結構近くから見ていても気づかない。視野も狭くなるんだな。ちょっと面白そうだからもうちょっと見ておこう。
「でざーとはなににしようかな〜」
ご機嫌である。さっきのこと忘れているような感じだなぁ。もうちょい見よう。
「文人くん、どうしたの…って、あー、やっぱりかぁ。」
「あ、つかさ先輩。やっぱりって、これに似たこと今までにあったんですか。」
「うん、小学校から去年にかけて99回。」
「…それで今回が100回目だと。」
「うん。春音が逃げ出した後に気づいたんだけどね。これ、こうなるやつだ。なんとしても100回目は阻止しないとって。」
「それで手遅れだったと。」
「まあね。ところで文人くんは?春音のあの状態見て近くに寄るの躊躇っちゃった?」
「いいえ、この後どうなるか見てました。面白そうだったので。」
「うわぁ…。案外ゲスいね…。」
「それほどでも〜。」
「褒めてないよ?」
この後結局連れ戻しました。帰ってきたら数学番長もとい大宮先生が来ていた。そんな情報は置いておいて、はる先輩は逃げ出した後に何を作るか決めていたみたいだ。というか帰ってきたときにはもうもとに戻っていた。みんなもしっかり謝った。
「それじゃあ、仕切り直しで作っていこー!」
「まずはトマトとアスパラの冷製パスタからっすか?」
「そう!この暑い夏にはもってこい!そんな美味しい料理です!」
「…はる先、材料とってくる。…おい、大智、夕香、畑へゴー…。私は乾燥パスタとってくる…。」
「楓ちゃん外出たく無いだけやろ?」
「なんで俺らが外に取りに行かないといけないんだよ。」
「………(無言の圧力)」
「「了解しました、楓さま!」」
こき使われている大智と夕香。あの間に何があったのか気になる。
「文人くん、追求しないであげてね?」
「無理だろうけどどうにか頑張ります。」
よし、後で聞こう。
「宇島、いつもこうなのか?水沢と篠ノ井と磐城の謎の主従関係が気になるんだが…」
「雰囲気はこうですよ。ぐだぐだで賑やかです。あの3人については…後で聞いておきます。面白そうなので。」
「そこはそっとしておきますじゃないのか…。宇島、お前案外黒いだろ。」
「ありがとうございます。」
「いやは褒めてねえよ。」
3人が食材を持ってきたところで調理開始。
☆
トマトをヘタと種を除いて1cm角に切り、アスパラは根元の皮をむいて斜め薄切りにする。耐熱容器に水、コンソメを入れラップをかけて電子レンジ600Wで1分加熱し粗熱を取る。それに切ったトマトと塩を少々入れて混ぜ冷ましておく。これはトマトソースになるのだ。
鍋でスパゲッティを茹でる。茹で上がる1分前くらいに切ったアスパラを加えて茹でる。その後ざるに上げてすぐに冷水で冷やす。
水気を切ってボウルに入れトマトソースを加えあえる。
器に持ってパセリをちぎって添えたら完成。
☆
「よっしゃ、できた。うまそうだな。」
「おお、ほんとだな。これで終わりか?」
「いいえ、あと2品作ります。まずはフライドポテトですね。」
「…文人、材料と道具とってくる。…大智、倉庫へゴー。…私は夕香とじゃがいもとってくる。」
「今度は俺だけ?!」
「うちもう畑行きたくない〜。」
「………(無言の圧力)」
「「…はい。」」
主従関係はまだまだ続くらしい。
「マク○ナル○みたいなポテトにするのか?」
「そうですね。それが一番無難かと。」
「ふっふっふ〜。甘い!甘いぞ!文人!そして傑くん!」
「おい、佐原。友達じゃねえぞ。」
「いいのいいの!」
「いやよくねぇよ。」
「諦めてください、傑先生。春音はこうです。もも先生も春音はももちゃん+タメ口ですから。」
「え…。マジか。了解…。」
「聞いて聞いて!ただのポテトじゃないの!」
「と言いますと?」
「つかさ、持ってきて〜。」
「はい。塩屋で調達してきたけど。いろんな塩。」
「これをどうするんだ?」
「シャカシャカ。」
「「「シャカシャカ。」」」
シャカシャカ言っていたら道具と材料が来たので調理開始。
☆
じゃがいもは細切り。水にさらしてから水気をしっかり拭く。
フライヤー/鍋に油を入れ細切りのじゃがいもを160℃で揚げ、色づいたら180℃でカリッと揚げる。
その後熱いうちに塩をふる。これで完成。
☆
「…いい色。」
「美味しそうやなぁ。」
「いい匂い!それじゃあデザート、作りましょう!文人、よろしく!」
「はい、さくらんぼそのまま食べまーす。」
「雑!なんか手加えねぇの?!」
「んじゃ、牛乳かん作るかー。」
「再び雑!いや、うまいけども。」
「…夕香、牛乳とってきて。…私、さくらんぼとってくる。…大智は、道具。」
「「…はい。」」
もう文句すら言わなくなった。ただデザートだったからか行動が早い。というわけで調理開始。
☆
まずキウイ、桃の皮をむき、イチゴ、キウイ、桃を1.5cm角に切る。
鍋に水、粉寒天を入れて溶かし火にかけ、沸騰したら1分加熱。
火を止めて牛乳とパルスイート®︎を加えて混ぜる。
角切りフルーツを入れて型に流し込み、冷蔵庫で冷やし固め完成。
さくらんぼは冷やしておく。
☆
「うん、牛乳かん固まったね。さくらんぼも水で洗ったね。それじゃあ行くよー。」
「…?どこに行くんだ?」
「傑くん、クックラボ来るんだったらそこら辺もももちゃんにでも聞いておかないと〜!ソーラーパネルに登るよ!」
混乱している傑先生を連れてソーラーパネルの上へ。やはり謎。謎だ。謎なんだが…なんか気持ちいい。風が吹くと案外気持ちいい。そして案外景色がいい。
「うん、おいしいね。」
「ポテトあったかい。」
「…ピース。保温してた…。私いい仕事した…。」
「牛乳かんプルン!うまい!文人!うまい!」
「大智、うるさい。さくらんぼ甘い!佐藤錦いいねー。」
「冷製パスタ美味しいわぁ〜。」
「あれ?傑くん、食べないの?」
「傑先生。食ってもいいんだぜ。」
「ああ、すまん。いただきます。……!うまっ!」
「うわお、がっつくなー。」
先生もがっつくほどの料理だったらしい。今日も美味しくソーラーパネルの上でいただきました。僕はソーラーパネルの上で食べるの慣れちゃうのかな?
ソーラーパネルの上で今日もぼくは湯葉を食う 左沢チトセ @Left3wachi10
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