超能力×野球という組み合わせに惹かれて読み始めました。
超能力者同士のバトルかな? と思っていたら、主人公は超能力がない模様。さらに、1試合3回の超能力使用ルールで、普通の人も活躍できるという世界観。
特殊能力者モノは、主人公も超能力を持ってたり、最初は持っていてなくても努力して手に入れたりするものが多いだけに、こういうのは新鮮でした。俺TUEEEE要素もなくて、不快感なく読めます。
チーターに変身する女の子、烏天狗、バントマンなど個性豊かなチームメイトとの練習や試合シーンが丁寧に書かれていて、とてもステキだと思います。
今後、浜甲学園がどんな試合するか、楽しみです!
とにかく勢いで書きつづったタイプの物語です。超能力野球とは書いてあるんですけど、霊能者と宇宙人が加わったあたりで、個性の爆弾がはじけたみたいな物語になっていきます。
考えるな、感じろ、の精神です。
とはいえ実際の試合では、特殊能力の回数制限が施されているため、とにかく能力さえあれば試合に勝てるというわけではないみたいですね。野球の用語や理論も結構出てくるので、普段の練習も大事になってくるでしょう。
登場人物たちの人格や設定にも勢いがあります。作者の人の熱さが伝わってくるようです。
個人的にはバンドマンがバントマンになるくだりは、熱くもあったんですが、ちょっとしたダジャレにくすりと笑ってしまいました。
ただの野球小説ではありません。この作品に登場するのはチーターの獣人、鬼、宇宙人――といったコミカルで特徴的なキャラクター達。
彼らはそれぞれの特徴を活かして野球というフィールドで白熱した試合を展開します。
しかし、ストーリーとしては王道。主人公はとある理由で野球を一度辞めた男子高校生。この学校に入学した理由は「野球部が無かったから」。
しかし、ヒロインである女の子に「野球部創設のために入部してほしい!」と誘われるところから物語が始まります。野球はもちろん九人でやるものなので、ヒロインの女の子は持ち前の野球へのエネルギーを以て目星をつけた部員を次々とスカウトしていきます。
果たして彼らは甲子園にいけるのか? 今後の連載が楽しみです。
コミカルに、テンポ良く読み進め、運動部の青春を感じられるのが素敵な本作を是非多くの人に楽しんで頂けたら嬉しく思います。