第4話
第一章最悪の転移場所
第一章3 救いの手
一瞬の事だった。キーナが刀を振り下ろしきる前にその少女は刀を打ち返していた。
キーナは距離を取り驚いた顔でその少女を見つめている。
レオンの前には自分を救った少女が立っていた。 その少女に目を向けられないほど美しく見えた。キーナとは違った美しさがあった。その髪は赤みがかった白髪で肩より長さが少し長く髪には丸みがあるり、全てを知っている、見ているような赤い瞳。どこか怪しげな雰囲気の漂わせる服に身を包んだ少女は、その瞳でキーナを見つめ、その顔にはどこか余裕を見せており、その口元には微笑を浮かべていた。
「大丈夫?今直してあげるから。」
血まみれだったレオンの体はみるみる癒て行き、その体にはどれだけあったのかわからない傷が全てなくなっていた。
「、、、ありがとう」
「どうしたの?」
「いや、あんたは俺を殺しに来た訳じゃないよな?」
「ふふ、当たり前でしょ。殺すんなら傷を癒したりしないわよ。」
女神か!!とレオンは思った。レオンは安堵し顔を上に上げる。
「この空間にこんな穴ありましたっけ?」
「私が開けたの。」
レオンの顔が真っ青になる。
真っ白だった空間の上には大きな穴が開いていた。それはおぞましいく、見ていると体中から汗が出てくる。
「ところで、キーナ何でまだ刀を出しているの?私と殺ろうっていうの?貴方と私じゃ勝負にならないと思うけど。」
「チッ 分かったわ。貴方が相手じゃ武が悪いわ。」
キーナは少女に圧倒されたのかこの場から颯爽と消えた。
「あぁ〜ばっちい、ばっちい」
少女は汚れたのか服を払う仕草をする。そしてこちらに振り返る。
「さてと、まずは自己紹介からね。私の名前はアシズ、貴方の世界で言う所の邪神よ。よろしくね〜。」
これほどまでに明るい邪神がいるだろうか。だが不思議に思う部分がある。少女は自分の存在を邪神と告げた。レオンの世界、つまり地球では邪神は人々に対し天災や疫病あるいは戦乱などのわざわいをもたらす神で通っている。ましてや人を助ける邪神なんて聞いたことがない。地球では人を助けるのは邪神では無く神の仕事だ。
「えっと、よろしくお願いします。アカガネレオンって言います。」
戸惑いながらも挨拶をする。
「じゃあレオンね。まず唐突で申し訳ないんだけど何でレオンがキーナに狙われていたか分かってる?」
「、、、」
魂の確認が出来ないから、拒まれたからという理由で殺しに来る神がいるだろうか。レオンにはそれしか浮かばなかった。
「まぁそうよね。じゃあこのアシズちゃんが教えてあげる。まずは貴方がいた世界、つまり地球ね。地球の人はさっきまでいたキーナが器を作ってに命入れているの。だから基本はあの子の地球人の親みたいなものね。でもレオンは違うのよ。レオンはね、私の親友の邪神と神様が死ぬ前に器を作って自分達の力と命を入れた子なの。だからこそ他の人達とは違うの。」
話が壮大過ぎて頭が付いていくのやっとだ。
「死ぬ前?その邪神と神様はもう死んだのか?」
「うん、死んじゃった。だからってあの子達を恨まないで欲しい!レオンを見てるとあの子達がそこにいるように感じるの。貴方はあの子達にも産んでくれた親にも愛されていたのが見て分かるわ。」
アシズは悟られぬ様に無理に明るくてしている様に見えた。
「そうか?その神様達の名前を教えてくれないか。俺を作ってくれた事に感謝したいんだ。」
「ごめんね、教えてあげたいけど多分レオンには聞こえないと思う。キーナがあの子達の名前を叫んでいたけど聞こえていないでしょ。あの子達は自分の名前を知られたくないみたいだから。」
レオンはキーナの言葉が何かに邪魔されて聞こえなかった部分思い出していた。
「悲しい話はここまで!さぁここからは転移の話をするわよ。」
「転移?転生じゃなくて?」
「私には転生の力はないの。出来て転移ぐらいね。転移場所はキーナと同じよ。もう聞いてると思うけどこれから行く世界はレベルや能力が大切になっていくけど一番大事なのは魔法よ。魔法を使え無いといろいろ不便になるの。ちなみに一般人の能力値の平均はHP70前後、他はだいたい50ぐらいよ。でもレオンはそれに達していないの。だからレオンにはこのアシズ様から素敵な能力を授けま〜す。まずは張り切ってステータスオプーン!って言って見て。」
「ステータスオプーン!」
職業 不可無し
レベル1
HP25
MP15
攻撃力18
防御力18
回避率12
スキル
神の目(神話) on off可能
野生の本能(神話)
仲間運(神話)
スキル装備
*****
*○*・○*・・*
邪神アシズからの特典
鑑定眼(神話)
戦闘時初期能力値+500
経験値×100倍
レオンの前には透明な板のようなもの突如として現れ、板のようなものには自分のステータスが全て書かれていた。
「この部分読めないけど何て書いてあるんだ?」
「それは私が隠したの。その部分を見たら文句言われそうだから。でも安心して転移場所では読めるようにしてあるから。」
レオンは心の中で「まぁいいか」と思ってしまった事を後で後悔する羽目になる。
「この神話って言うのは?」
「これはねランクみたいな物よ。ランクは全部で6つあるの。初めは初級→中級→上級→英雄→伝説→神話、神話は最高ランク滅多に行けないレベルよ。」
「あと職業不可無しって?」
「あぁそれはね普通の人は一人につき職業が基本一つなんだけどレオンは全ての職業出来るの。これは多分レオンが特別な人間だからどんな職業でも出来るってことだと思うよ。
あとアシズちゃんからの特典としては鑑定眼とあとは見て分かる通りよ。そうそうこれも言わなきゃねスキルは元々キーナがあげる物で私にはスキルをあげる能力は無いから心配していたんだけど、レオンには何故か神話級って書いてあるスキルがあるの。そのスキルは元々あの子達が持っていたスキルだから、死ぬ前にあげたんだと思う。これからもきっとそのスキルがレオンの役に立つはず!だと思うよ。」
「大丈夫、俺はこの能力をよく知っている。だって生きていた頃この能力には色々と助けられていたからな。」
生きていた頃レオンは不思議に思っていた。何故これほど自分が不幸なのか。何故自分にだけこんな能力があるのか。何故不幸なのに友達には恵まれていたのか。
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故
レオンはこれほどまでに自分の運を全てを不思議に思ったこと、恨んだ事は無い。そしていつかその理由を教えてくれる人がいるのだろうか、その理由を聞いたら納得が出来、許すことが出来るのだろうか、と。だがレオン諦めていた、不幸な理由も友達には恵まれていた理由も能力も全て。だが違った死んでから色々とわからなかった部分が不明だった部分が理由が解けていく。そして今生きていた頃恨んだ物全てが許されいた。
「最後にこれは注意よ。その世界には魔物と呼ばれている奴らがいるの。君には鑑定眼をあげたでしょ。まずは鑑定眼で相手の名前の色を見て欲しいの。白色だったら難なく倒せると思うけど黄色と赤色はなるべく避けて欲しいの。黄色は倒せるか分からないことを指しているのでも赤色はどう足掻いても倒せないことを意味しているの。だからなるべく戦わないで。もし赤色に出遭ってしまったなら全力で逃げて。あと鑑定眼でも名前も能力も不明って書いている魔物は絶対に戦っちゃだめよ。間違いなく死ぬから。以上これがアシズちゃんからの説明と注意事項でした〜。」
「何かわからないことがあるなら聞くけどありそう?」
「とりあえず今のところは大丈夫そうだ。ありがとうなアシズ。キーナより分かりやすかったよ。」
「そう、ならよかった。今から転移の準備をするけど準備はいい?」
レオンの足元に赤い光が現れる。
「あぁ」
レオンは大きく深呼吸をして短く返事をした。すると赤い光がレオンを包んで行く。
「行ってらっしゃい。レオンこれから君は数々の困難に当たると思います。けれど君なら出来る!だって君はあの子達と私の、、、
アシズの最後の言葉が聞こえなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本作「俺のスキル覧には最高ランクの不運がある。」
を読んでいただき誠にありがとうございます。
突然で申し訳ないのですがタイトルを変えようと思っています。次回からのタイトルは「異世界でも不運なのか!!!」に変えようと思っています。
今後ともこの作品をよろしくお願いします。
どうか今後も末永く読んで頂けると嬉しいです。
また誤字、脱字、感想などをお待ちしております。
今後とも本作を書いていくための強力な力の源になります。感想、評価をしてくださった方、本当に感謝しております。ありがとうございます。
俺のスキル覧には最高ランクの不運がある 飾紐 @KKOJI
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺のスキル覧には最高ランクの不運があるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます