第3話

 第一章2 「選別不合格」


 茶髪の神様キーナの言葉はレオンの心を深く抉る。


「未練があるのは分かるけど、とりあえずそんなに落ち込んでいてもしかないから次の事を考えましょう。」


「あまりに未練がましいのはイライラするし、それに今から転生の話をしようと思ってるのにそんなんじゃ話入ってこないでしょ。」



「うるせぇ!!あんた本当に神様かよ!」


「っーーーー」


 キーナは神様とは思えないほど言葉が鋭くレオンは激怒し中指を上げてしまう。レオンは激怒し中指を上げたことをすぐ後悔する事になった。

 キーナは一瞬にしてレオンの首に鋭く尖った刀を突き付けていたのだ。


「今言った事は聞かなかった事にしてあげる。此処での死は一生の死よ。つまりもう生まれ変わる事は出来ないって事。わかった?もし次私を侮辱するような真似をしたら殺すわよ。」


 レオンは静かに頷くとキーナは首に突き付けた刀を下ろし、転生の説明をする。


「今から転生の説明をからよく聞きなさい。まず転生にあたっての注意事項なんだけど、今からあなたが転生する場所には魔法と言うものがあるの。貴方も一度は聞いたり、読んだりした事があるでしょ。転生場所は魔法が主流で魔法ができなくちゃ生きていけないのよ。まず魔法の発動条件なんだけど自分に適正のある魔法しか使えないのよ。それは分かるよね。次に魔法を発動するにあたってなんだけど、、、これは説明が難しいから省くわね。」



「待ってくれ!転生する場所って魔法が使えないと生死に関わるほど重要って言ってたじゃないか!」



「うるさいわね!説明が難しいのよ!次、文句言ったらさよならと思いなさい!」



「ーーっ」


 レオンは初めこそ、綺麗で素敵なお姉さんと思っていたが口を開けば開くほど印象は最悪になっていく。


「次に能力と恩恵についてなんだけど、初めに言っておくわね。あんまり期待しない事よ。」



「?」



「漫画とかでよくあると思うけど、神様が最強の能力をあげたり、ステータスをMAXにしたり、MAX以上にしたり、はたまた全魔法を使えるようにしてあげたり、そんな事は絶対に出来ないのよ。漫画の世界じゃ無いんだから。此処ではあなたの魂を見て強さを決めるの。つまりは今までどれほど良い行いをして来たか、悪い行いををしてきたか、あとどれほど人間達に感謝されてきたか、とかね。」


「これで全部説明したわよ、、、忘れてた、後もう一つ。貴方が転生する流れで話していたけど転生しない選択肢あるの。簡潔に言うと天国と地獄ね。私から簡単に説明するとね、天国はすっごい暇!地獄は最悪!って事ぐらいね。だから私は転生を押すわよ。どうする?」



「、、、、分かった転生するよ。」


 レオンは決意を固める。


「それじゃあ貴方の魂を見るわね。」


 神様がレオンの胸に手を当てようとした時神様にとって異例の事態が起きた。


バチッ、バチッ


 その音は電気が走るような音だった。

 まるで神様にレオンの魂を見せるまいと拒もうとするように神様の手を弾いた。


「貴方、本当に人間よね?今まで沢山の人を転生させて来たけどこんな事一度も無かった。、、、」


「まさか、そんなわけ無いわよね。でも、、、」


 レオンは神様が何かを決断したように思えた。レオンは今までとは比にならないほど嫌な予感がした。この場所から離れなければならいと体がこの場にいては行けないと。レオンは逃げようとした。一瞬の出来事だった。


「なんで避けれるの?見えていないはずよ。」


 レオンは自分でも知らないうちに体を反らせていた。レオンは理解する。神様が自分の首を刎ねようとしていたこと。危うくこの場所で死ぬ所だったこと。自分でも知らないうちに体が反応してくれていたお陰でなんとか生きていることを。


「ちょっと待て!何で殺そうとしてるんだよ!落ち着け!さっき事なら俺も分からないんだ。多分偶然だよ。だからもう一回やってみろって!諦めるな!!」


「何度やったて同じよ!!だって貴方は*****だから!!」



「今なんて言った!?」


 何故かレオンには一部分だけが何かで邪魔されていて聞こえなかった。


「死ね!!」


 レオンは紙一重で全ての攻撃を避ける。


「何で避けれるの!」



「教えねぇよ!」


 どうやら神様は気づいていないようだ。攻撃全てが遅くて見えている事に。

 だが実際は致命傷にならない程度に何度か斬られている。それはそうだ、どれだけ攻撃が遅く見えて避けようとしても体が付いて来れない。これはそういう次元なのだ。この目が無ければレオンはサイコロぐらいの大きさに斬られているだろう。


「人間の身で私の斬撃を避けるなんて大したものだわ。褒めてあげる。でもそろそろ限界のようね。」


 レオンは血を吐き膝を付いた。レオンの体を見ると肌の色が分からなくなるほど血だらけになっていた。傍から見ればほんの数分で血だらけになったように見えるだろう。でもレオンから見たらもう何時間も剣を避けているように感じている。


「くそ、何でいつもこうなるんだ。」



「いつも?いつもこんな目にあってるの?」



「あぁ、昔から不幸体質でな。」



「それはおかしいわ。いくら不幸体質でも一人の人間が何度もこんな目に合わないように私が調整してるもの。」



「どう言う事だ?」



「1人の人間が何度もこんな目に遭ってたら世界のバランスがおかしくなるのよ。だからもし一人の人間だけに死ぬほどの不幸が何度も降り注いでいたら必ず私達の誰かが気づいいて対処しているはずよ。」


「いくら貴方が*****ていようともいくらなんでもそれは無いはずよ。」


「まぁいいわ。一つ聞きたい事があるの。何で私の剣撃を避けれたのか死ぬ前に教えなさい。これはお願いじゃなくて命令よ。」




「!?」


 レオンは自分の意思とは関係無く全てを話してしまう。自分の特別な力に付いて。


「そうだったのね。それなら納得が行くわね。でも貴方みたいな人は今まで見たことも聞いたことも無いしそんな人間作った覚えもない。」



「作った覚えが無いわけないだろ。人間を作るのはお前たちの仕事なんだから。」



「本当に作った覚えが無いのよ。多分貴方は私じゃなくて※※※*****達に作られて※※※*****達の***となった人なのね。だからこそ貴方を殺さなければならないの。貴方はいくらないんでもイレギュラーすぎるもの。」



「、、、」


レオンはまた不自然にも言葉が聞こえなかったがもうそんなことどうでもいい。


「じゃあね。」


 キーナは一言添えて刀を振り下ろした。


「まだ貴方を死なすわけにはいかない」


 キーナでは無い誰かの言葉が聞こえた。



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本作「俺のスキル覧には不運の最高ランクがある。」

を読んでいただき誠にありがとうございます。


どうか今後も末永く読んで頂けると嬉しいです。


また誤字、脱字、感想などをお待ちしております。


今後とも本作を書いていくための強力な力の源になります。感想、評価をしてくださった方、本当に感謝しております。ありがとうございます。

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