第2話

  第一章  最悪の転移場所


     第一章1 後悔



「え、、、、?」


 アカガネ レオンの人生の幕が閉じようとしている。ふと今まで生きてきた頭の中をめぐる。



 ーー今更だがよくよく考えて見ると自分の人生は結構不運だったのではないだろうか?



 なぜなら今までに事件、事故に遭った数は数えきれないし、道を歩いているだけで目つきが悪いなどの理由でいかついあんちゃんと喧嘩を何度もした事がある。銀行に行くとなぜか銀行強盗に合う、もっと言えばnowで行われている殺人現場に対面し殺人者に追いかけられた事があるほどだ。

 これだけ事件に遭遇しているのだから今では警察官に事情聴取されずに顔パスできるほどだ。


 しかしこれほど事件、事故に巻き込まれても死ななかったのには理由が三つある。 


 一つ目は超感覚的知覚が以上に優れているのだ。つまりは理屈では説明しがたい、鋭く物事の本質をつかむ心の働きのことだ。簡単に説明すると勘や直感、予知能力が非常に高いと言う事だ


 二つ目は自分が危機的状況に置いて動体視力が人間の物では無くなるのだ。説明すると目の前に自分に銃口向けていた人がいたとしよう。その人が自分に向けて銃を撃つ、普通の人間なら銃弾など見えるはずなどないくそのまま撃たれて死ぬがレオンは自分に向けて撃たれた銃弾が見える。しかしこの能力には決定的な弱点がある。一つ目は自分が認識していない攻撃は避けれない事。二つ目は自分では無い他の誰かにした攻撃は見えないと言うこと。


 三つ目はいつからあったのかはわからないが自分以外の人には無いであろう特殊な能力を持っていたのだ。レオンがその能力を自覚したのは物心がついた時だった。ある時全ての人の頭の上に色が付いているのが見えた。初めはその色の意味が理解できなかったし自分以外にも見えていると思っていた。しかし歳をとるつれその色が自分以外には見えていない事が分かり、色の意味が少しずつ分かって行くようになった。どうやらこの能力は善人と悪人の人間を教えてくれているらしいのだ。今ハッキリと分かっている色の意味は2種類しかない。赤が悪い人間 青が善い人間だ。他にも色々な色がある。例えば白、黄、そして虹色なんかもある。

 今まで第六感とこの能力のおかげで何とか生き延びてこれたのだが、、、



   アカガネ レオンは死んだ。、、、、 



      電車のホームで、、、



※※ ※ ※ ※ ※ ※


 蓮音は仰向けの状態で覚醒する



「どこだ、ここは?確か俺は学校に行く途中だったよな?」



  「何だ此処、、、うっ!ーーー」



 仰向けの状態で覚醒した蓮音は目を覚ます。

 目を開けたと思うと蓮音の顔からどんどん色が落ちて行き顔には鳥肌が見える。ついには腹の中の物を地面にぶちまけている。

 こんな空を見れば嫌でもこんな顔色になるし鳥肌だって立つし嘔吐だってする。だってそこには白色の空が広がっていたのだ。白色の空と言うのには間違いがあるかもしれない。

 「何言ってんだこいつそれは雲だろ。」と言う人が居るかも知れないだからあえて言うとすれば空では無い白色の何かが上に一面広がっているのだ。


「何だよ此処は何処なんだ」


「、、、、、、は?」

 

  蓮音は自分の目を疑う。蓮音にはその選択肢しか無かったのだろう。

 そこは全ての人間が生きてきた中でこんな景色は見た事が無いだろうし聞いたことも無いであろう場所だったからだ。

 そこは白だった、いや説明が悪かった。そこは白色で埋めつくされていた。上も右も左も下でさえ。しかもおかしいのだ。

 人間には五感と呼ばれる感覚がある、しかしこの場所は五感の全てが遮断されているようにも感じる。

 音も匂いも味も立っている感触さえも無いのだ。今思うと目だって見えているか確認が出来ない。だって周りが全て白で埋めつくされているのだから。


「誰か!いないのか!くそ、わからねぇ」


「おーい!おーい!」


 これだけ叫んでもわからない、自分では歩いているのに歩いている感覚が全くない。

 そもそも声が出ているのかすらもうわからない、声を出していると自分の声が反響して聞こえるはずなのにそらすらも聞こえない。


「おーい、おーい、誰か、いないのか。」



「うるさいわね、聞こえてるわよ。」



「っーーーー」


 蓮音は安堵する。自分の耳が聞こえることにそして自分以外の誰かがいることに。


「どこにいるんだ!!おーい、俺は此処にいるぞ!!」



「うっさいわね!!わかってるわよ、今行くから待ちなさい。」



「えっ?、、」


突然茶髪のお姉さんは目の前に現れた。人間の姿をしているが体や顔、髪の一本一本、あらゆる部分が人間とは思えないほど美しくその姿に息をすることも忘れてしまう。ドレスからはみ出さんばかりに盛り上がった胸の双丘。初対面でありながらもつい見惚れてしまい。いざ、コミュニケーションを取ろうとするも言葉が全く出てこずおかしな手の動きをしてしまい、お姉さんに笑われ緊張が解ける。そしてお姉さんにこの状況でありきたりな質問をする。


「お姉さんは此処がどこかわかりますか?家族が心配するから早く家に帰らないと。」


 お姉さんが驚いた顔でこちらを見つめる


「あなた気づいて無いの?稀にいるのよね記憶を無くす人」



「それはどう言う事ですか?」



「簡潔に言うとあなたはもう死んでいるのよ、電車に撥ねられてね」


「そして私があなたの魂を転生させるべく参上した神様のキーナよ!」


 レオンは硬直せざるおえなかった。

 まだ頭の中の整理がつかないのだ。仕方が無い事だ。何せ突然現れたお姉さんが神様でその神様がもう死んでいると何の躊躇いも無くレオンに死んだ事を告げているのだから。そして理解ができた時涙を流しながら後悔を告げるのだ。


 「え、、俺死んだの?嘘だろ、、」

「なぁ嘘だと冗談だと言ってくれ!!!」



「それが本当なんだよな〜。今まで人生お疲れ」



「嫌だ!!だってまだ友に別れの挨拶もしていない!アイツらと笑い合って馬鹿やっていたい!ジジイになってもアイツらと一生の友でいるって約束したばっかなんだぜ!母や父に別れの挨拶もいままでありがとうのたった一言感謝の言葉さえ言えていない!まだ親孝行すら出来ていない!そんな事そんな事って」



「あるんだよ。どれだけ駄々をこねても後悔しても君が死んだ事には変わらない。」


キーナは冷酷に告げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


本作「俺のスキル覧には不運の最高ランクがある。」

を読んでいただき誠にありがとうございます。


どうか今後も末永く読んで頂けると嬉しいです。


また誤字、脱字、感想などをお待ちしております。


今後とも本作を書いていくための強力な力の源になります。感想、評価をしてくださった方、本当に感謝しております。ありがとうございます。

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