主人公・ゴクトーが持つスキルは、なんと『妄想』。
脳内の妄想キャラクターたちが具現化し、ツッコミを入れたり戦闘をサポートしたりする斬新な設定に、冒頭から引き込まれました。
失踪した師匠を探す旅の中で出会うのは、積極的すぎる侍風のアカリ、素直になれない魔導士ジュリといった魅力的な「桃色姉妹」をはじめとする個性豊かなヒロインたち。彼女たちに振り回されるゴクトーの姿はコミカルで、読んでいて思わずニヤリとしてしまいます。
しかし、本作はただのドタバタ劇ではありません。天界から彼らを見守る神々の視点や、徐々に明らかになる魔族の影、そして伝説の「七星の武器」を巡る謎など、骨太なファンタジー要素もしっかりと描かれています。
「シリアスな展開」と「突き抜けたコメディ」の緩急が絶妙で、ページを捲る手が止まりません。一風変わった異世界ファンタジーを求めている方に、ぜひおすすめしたい一作です!