拳聖の一番弟子がぶっ放すロケットパンチ

ももち ちくわ

第1部:夢追い人

序章

プロローグ

 唐突な話で申し訳ないが、21XX年、地球にアンゴルモア大王が降誕する。


 西ヨーロッパ連合国を我が物顔で蹂躙していくアンゴルモア大王に抗うべく、地球に存在する全ての国々が軍隊を派遣する。


 だが、アンゴルモア大王には火器や兵器の一切が通じず、ついに地球側は禁断の『核ミサイル』を彼奴に向けて発射する。


 核の炎にアンゴルモア大王が包まれると同時に、人類もその核の炎で自分自身を焼いてしまう結果となる。さらにアンゴルモア大王は人類が生み出した獄炎に包まれても平然と高笑いをする始末。


 人類が半ば、自分で自分の首を締める結果となったが、アンゴルモア大王はここで慈悲の心を発し、人類の保護をおこなう。


 しかし、アンゴルモア大王の慈悲は到底、慈悲とは思えないものであった。地上に生き残った人類が劣悪な環境を生き延びるためにと、彼らを改造してしまったのである。のちの世に『半獣半人』と呼ばれる人種たちの登場だ。


 そして、アンゴルモア大王は人間たちが核の毒で汚してしまった地球を再生するために、その力を振るう。森を再生し、海を再生し、その再生した世界を人間たちから守るために魔物モンスターと呼ばれる凶悪な生物を配置したのである。


 伝説上でドラゴンと呼ばれるような大トカゲ。獅子と山羊の双頭を持つ合成獣キメラ。そして、豚ニンゲンオークやコボルトなどと言った人間以外に知性を持つ不可思議な生物を創り出し、世の中に解き放つ。


 生き延びた人間たちは、その魔物モンスターたちに抗うすべを持たず、ついにはアンゴルモア大王に完全に屈服する。


 アンゴルモア大王が地球に降誕してから約1200年間……。半獣半人と化したニンゲンたちは楽園とも失楽園とも呼べぬ世界で生き続けることとなる。


 だが、そんなアンゴルモア大王の治世に変化が訪れようとしていた。そのきっかけとなる少年:ロック=イートが住むフランク副王国の一地方:ウッドランドにて、魔物モンスターの群れが突然、姿を現すこととなる……。

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