第2話 お姉ちゃんの隠しごと
お姉ちゃんはバツイチで離婚して実家に戻って来ました。
旦那さんとすごく仲が良かったのになぜ離婚したのか? 私には分からなかった。
お姉ちゃんは大好きな仕事がしたくて。でも旦那さんはお姉ちゃんを働かせたくなかったから離婚したらしいけれど。
お姉ちゃんのイラストレーターっていう仕事は家で出来るのだが顧客と会うのを気に入らなかったのだろうか?
奥さんが働くのを良しとしないなんて共働きが多い昨今、私は珍しく感じてた。
私は未だに実家暮らしで両親に妊娠のことを責められて窮屈な思いをするのが嫌だった。
ところがお姉ちゃんが上手いことお父さんにもお母さんにも話してくれたらしい。
出産予定日は来年の真夏の予定だ。
私はお姉ちゃんの説得で赤ちゃんを産むことにした。産む前からシングルマザーが確定している。
転職はしない。あれこれ言われるだろうか。
このご時世、仕事を辞めてすぐに条件の良い職場が見つかるとは思えない。
ただ同じ職場には『彼』がいる。
赤ちゃんの父親で私の部下だ。
彼とは非常に気まずいが産むと決めた以上覚悟を決めよう。
✻
なぜお姉ちゃんは私に子供を産むように強く言ったのだろうか?
実はお姉ちゃんには隠しごとがあったんだ。お母さんだけはお姉ちゃんのそのことを知っていた。
私が知るのはまだ先のこと――
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