第11話

 ふぅ。

 ふぅぅぅぅぅぅ……。

 長い、長い溜息は、先に流れ消えゆくことは無いが、もとは空気でありそこに存在した物である。

 幾度となく吐き出される息のその先見えるモノは無くとも、存在していることは事実である。

 一足す一は二であるように、無理に一つにならずとも、「二つ」で「一つ」でいいではないか。


 払っても、払っても落ちない煤。

 引っ付いているわけではないから払ったところで落ちるわけも無い。

 存在している「ソノモノ」を理解し、認識し、許した時、初めて煤は鮮やかにあけていく。

 底の見えない白さの中に、解けるように、溶けるように。

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アケノスス。 御手洗孝 @kohmitarashi

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