あとがき――終わらないブラックエピソード……そして!

 この度は『ブラック企業に就職した俺がチートスキル(精神疾患)を手に入れて、現実社会で俺YOEEEE!!する実話。』を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!

 緩いテンションで、自己セラピーのつもりで始めたエッセイでしたが、色んな人に読んで頂けてとてもありがたかったです。


 石の上にも三年、どんな仕事でも三年。ボクが新卒の頃は言われていましたが、本当にブラック企業なんかで三年も頑張っちゃいけません。三年で得る物より、失う物の方が圧倒的に多いですから(笑)

 A社を退職して数年後、二年ほどフリーターをしていたのですが、そっちの方が得られたスキルは多かったです。

 そもそもフリーターの方が給料良かったし。保険込みで。

 さて最後に蛇足かもしれませんが、僕がA社というブラック企業で働くことで気が付いた教訓を綴っていこうと思います。




〇不条理に対して、被害者のままでいてはいけません。時に加害者になる勇気を振りかざしても、自分が生きている事の方が素晴らしい。


 理不尽な量の仕事をこなせなかった時、病気になった時、休職した時……僕の中に生まれたのは罪悪感でした。ただ、今になって思うと罪悪感を抱くこと自体間違っていたとわかります。だって、むしろ僕、被害者だもん。

 ブラック企業は個人に責任を押し付けてきます。その結果、責任感を過剰に感じる人は、それが罪悪感へと変わるのかもしれません。

 罪悪感にまみれていた当時の自分にとって、ブラック企業に対してやり返す、何て行為は、もしかしたら《加害行為》と感じたかもしれません。

 けれど悪いのはブラック企業です。気力体力があるうちに、ブラック企業に奪われたモノを取り返すために色々やり返してやればよかった、と今でも思う事があります。

 なので、あえてと言う、ちょっと攻撃的な言葉を選びました。


 つまり……残業代とか請求しときゃよかった!




〇恨んでも、妬んでも、怒っても良いから、とりあえず死なない事! 生きてさえいれば、どうせネガティブな思考なんてのは時間が解決してくれる!


 一時期、ブラック企業A社の人々、そして退職後にも自分と関わった人々に対する恨みで僕は正気を失っていた時期がありました。

 当時の僕は眠っていても自分の泣き声で目を覚ましたり、怒鳴り散らした声で目を覚ましたりすることが頻繁にありました。現在は年に数回くらいまでに減っています。

 まだ完璧じゃないけれど、時間が悪い記憶を薄めている証拠だと思います。




〇唐突に自死に走らないために、死ぬことを先延ばしにする理論を構築し、頭の中に染み付けろ。


 僕は精神疾患が酷い時でも自殺願望はほぼありませんでした。ただし自殺がそれなりにあったようで、別に辛い事に直面していない時でも、ふっと死のうとする衝動に気づくことが多かったです。いやぁ、日本が銃社会じゃなくてよかった(笑)

 そのため、僕は僕の無意識が死のうとしないように、死ぬことの無意味さを理論づける事にしました。


理論1・どうせ、誰もが、いつか死ぬ。

 すごくネガティブな考え方に見えますが、これほど僕をポジティブに導いた発見はありません。総理大臣だって、ホームレスだって、A社社長だって、いつか死ぬんです。つまり、みんな大したことないんです。だから、そんな連中放っといて自分は好きに生きたらいいんです。どうせ僕だっていつかは死ぬんだから、どう生きたって自由なわけです。


理論2・一回しか死ねないんだよ? 今、死ぬの勿体もったいなくない?

 テレビゲームのファイナルファンタジーなどで出てくる万能薬エリクサー。

 ゲーム中の希少価値が高いため、プレイヤーは使うタイミングを見失い、結局、使わないままクリアしてしまう人が沢山いるアイテムです。僕もそんな勿体ない派の一人。

 死ぬって行為はエリクサーみたいなもので、一回しか使えない文字通り最後の手段。これを使えば色んな面倒ごとからトンズラする事が出来るかもしれませんけど、文字通り一回しか使えませんので勿体ない症の僕にはなかなか手が出せない。ぐぬぬ。


理論3・死後の世界なんて存在しない、と信じる。

 《死後》が存在しないと、もし自分が死んだら……何てこと考えるだけ無意味になります。だって死んでしまえば、何も認識できませんから。

 死んでしまえば、ああしておけばよかった、みたいな後悔も出来ません。

 自殺が復讐に繋がるのだとしても、その復讐が達成されたか確認することもできません。復讐について思い起こす事すらできません。

 死んで、すべての認識を失えば、自殺と言う行為に求めていた《意味》すら失います。


理論4・死なないために、あらゆる感情を利用する。

 お恥ずかしながら、僕が死ななかった理由の一つにがあります。順当に生きていけば僕よりも先にA社社長が寿命で死ぬのは自然の理ですので、彼が死んだ後、彼の骨壺にクソをしに行こう、という事を目標に生きていた時期があります。

 当時の僕は一人暮らし。さらにブラック企業で働いていたせいで友人と会う時間を失い、友人たちは結婚などで会う機会も減っていきました。さらに精神疾患が原因としたコミュニケーション能力の低下が孤独に拍車を掛けます。どんどん狭くなっていく視野の中、自分を死なせなかったのは強烈なネガティブな感情・だったのは間違いありません。延命処置としては正解だったと思います。そして時間が自殺衝動も恨みも希釈していってくれましたので結果オーライ。

 あ、ちなみに今では人前でお尻出すのが恥ずかしいので、A社社長骨ウ〇コもりもり計画は現在凍結中です。



 さて、最後にちょっと暗い話をしてしまいましたが、要約すれば


《生きてりゃ、どうにかなる》


 と言う一言に尽きます。実際、あれからダラダラと生きてきたおかげでカクヨムで馬鹿話を公開して、読んでくれた沢山の人達と交流できたのですから。




 それでは締めの言葉になりますが、今作を読んでくれた方、応援やコメントを残してくれた方、☆やレビューを書いてくれた方、皆様本当にありがとうございました。おかげで楽しいカクヨムライフをおくる事ができまし――







【次回予告!】


『くっくっく。A社のエピソードが終わったか……』


『ふん。所詮A社社長など、我らブラック四天王の中でも最弱……』


『真の絶望はこれからよ……』


【次回タイトル・『ブラック企業に就職した俺がチートスキル(精神疾患)を手に入れて、現実社会で俺YOEEEE!!する実話。2 ~ブラックアーティスト群像劇~』(仮)】



 A社にて精神疾患を患ったD・Ghost works。

 統合失調症の幻覚や幻聴が原因なのか、今まで全く関心の無かったアート方面への興味が突然芽生え始める。

 特に深い思案もないままに音楽、絵画、執筆と興味の赴くまま行動していくうちアートをきっかけに、ヤバい《自称・アーティスト》達と出会い、巻き込まれていく!



〇詩も書けず、ギターも弾けない。仕方ないから同じ事務所の同期から曲を盗む。

《自称・シンガーソングライター!!》


〇本番二週間前までセリフを覚えず、自身が主催の演劇の稽古をバックレて東日本大震災の被災地に火事場見物旅行へ行く、控えめに言って、ただのクズ。

《自称・役者!!》


〇生活費と子育ては全部嫁に丸投げ。自分はお小遣い貰いながら別荘で悠々と一人暮らし。

《自称・現代詩人!!》


〇アスベストが出た途端、現場から一人逃げ出し、現実逃避の責任転嫁。

《自称・現代アーティスト!!》


〇マウントが取りたい意識高い系男子は、他人のブログの写真をパクッてでも海外出張を演出したい。

《自称・コンサルタント!!》


〇ブラック企業大賞殿堂入り、総本山〇タミ・グループを脱サラして芸能事務所を立ち上げた、賃金未払いは当たり前で、最後にゃ夜逃げ。

《自称・芸能事務所社長!!》


〇なぜか仲良くなって、駅前の路上で一緒に缶チューハイ飲み交わした。

《ホームレスのおっちゃん!!》


 そして理屈の通じない連中と関わるうちに、ついに僕の精神は崩壊! 発狂! からの失踪!!


 こんな奴らが目白押し!

 ブラック企業退職後、何故かヤバい奴らに遭遇し続けた僕と、ダサくて冴えない連中が織りなす群像劇!


 現在、当時の出来事を改めて取材&制作中!

 テーマはアレですけど、楽しい作品になるよう頑張ります(^^)/

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ブラック企業に就職した俺がチートスキル(精神疾患)を手に入れて、現実社会で俺YOEEEE!!する実話。 D・Ghost works @D-ghost-works

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