最終話 退職後でも轟くブラック企業の悪名 ~ブラック企業よ永遠に……滅びよ!~
前回エピソードでA社を退職した僕ですが、退職後、離れたからこそ知ったA社のエピソードがボロボロと出てきました。
・A社の技術力の低さ。
狂気のブラック企業A社退職後、僕は普通のブラック企業B社(!?)に就職したのですが、そこで知り合ったのが地元商工会の会長さん。
その方は立場もあって県内のモノづくり系企業についてかなり詳しい方でした。
B社へ転職後、会長さんに
「前は何処の会社に居た?」
と尋ねられました。
「A社と言うところで働いてました」
「あー、A社かー。あそこ技術力低かったろ?」
「めっちゃ低かったです。取引先に中国製の方がマシって言われるらい」
自称・技術力の高いA社でしたが、まさに井の中の蛙。しかも、その井戸は思っていたより狭い井戸だったようです。同じ市の中で比較しても低い技術力と言われてしまうのですから。こんなところに居ても、スキルアップにはつながりません。
・退職後、同期から聞いた話し。
僕の退職から間もなく、歯止めの効かない経営悪化を進めるA社は経済界では有名な(?)偉い人をコンサルタント(?)として雇ったそうです。
その偉い人は自分の仕事場所を元々、社長が使っていた部屋に決め、その部屋から社長を追い出しました。どうも、立場的には社長も頭が上がらない人だったようです(笑)
その結果、社長のデスクは技術部の片隅に追いやられました。同期からその話を聞いた時、
「社長、窓際族じゃん」
と笑った記憶があります。
その後、夏が来て冷房が効かない技術部がサウナ状態になったある日の事、社長がブチギレたそうです。
「暑くて、ご飯食べられねぇよ!」
技術部のみんなは長い間、当たり前のように苦しんでいたんですが……。その一言で技術部にエアコンの増設が決定。技術部の社員は喜んでいるようでしたが、今さらなんだよなぁ。
・愛人は寿退社
これも、同期から聞いた話し。
A社内で社長と愛人の関係は有名でした。当然、社長には家族がある(まぁ、家庭崩壊していましたが)事はみんな知っています。
それだけでなく、愛人側にも結婚間近の恋人が居ました。中小企業ですので社員の少なからずが、その事も知っています。
ドロドロやん(/・ω・)/
さて、そんな愛人が結婚、からの寿退社をしたそうな。
旦那さん、可愛そう……旦那さん、可愛そう。(思わず二回言っちゃう)
・A社、コンピューター・ウイルスに感染!
これは同期から聞いた話。内容はそのまんまA社のPCがウイルスに感染したらしいのですが、これに対して社長がブチギレ!
「誰が原因だ!」
と怒鳴り散らしたあげく、
「オレのパソコンはウイルス対策してるから、俺のPCは原因じゃない!」
と宣言したそうな。
はい! わかりやすいフラグですね。イヨッ、一級フラグ建築士(/・ω・)/
と言うわけで、ウイルスの流入した原因を追っていったところ、案の定、社長のPCから送られてきたメールが原因でした。
ま、厚顔無恥なA社社長ですので、吐いた唾飲むなんて日常茶飯事ですので驚く事じゃありませんね(/・ω・)/
・その転職サイトの口コミ……信じていいんですか?
さて、今まで僕が新卒で入った当時の出来事を書きつづってきましたが、ここで一旦、時間を最近に戻してみましょう。
このエッセイを書き始めたばかりの頃、完全に忘れてしまった出来事も多かったので取材もかねてA社について調べてみました。
そこで利用したのが転職サイトです。昔と違って便利な世の中になった物です。会社、一つ一つに口コミも投稿出来て、これなら昔ほどブラック企業は悪行をこなせないでしょう。
……と、思っていた時期が僕にもありました。
まず転職サイトに掲載されている口コミは五段階で評価されて言います。☆マークが多ければ良い評判、少なければ悪い評判。
そこでA社の口コミを見てみると、☆三つ……普通じゃん?
おかしいと思い内訳をみてみると、多くの☆一つ、二つに対して☆五つと言う極端な評価が乱立していました。いやいやいや、マジかよ……。
☆五つ付けるなんて社長以外居らんでしょう。もしくは僕がA社で働いていた期間、僕は今の世界線と違うパラレルワールド……つまり異世界に転生していたとでもいうのか!? あがががが……(注・D・Ghost worksの統合失調症は、ほぼ完治しています)
とりあえず、☆五つの評価を下している口コミを読んでみました。
《其の一》
二〇一一年時点の情報。退職。当時、三十代の男性。年収七〇〇~八〇〇万。☆五つの評価
口コミ投稿日 二〇一五年八月一日
はい。嘘です。A社で年収七〇〇万も貰ってる三〇代の社員なんていません。
そもそも取締役以外で一番貰ってる人でも五〇〇万前後なんだから。
しかもこの人、
「是非この会社に入りましょう」
とコメントしている割には退職しているという……。
《其の二》
二〇一二年時点の情報。現職中。当時、二〇代の男性。年収三〇〇万以下。☆四.六の評価
口コミ投稿日 二〇一五年八月一日
ま、これは、そんな人も居るのかもね。と思える内容。人によっては高評価もするのかなぁ……
《其の三》
二〇〇六年時点の情報。現職中。当時、二〇代の女性。年収四〇〇~五〇〇万。☆五つの評価
口コミ投稿日 二〇一五年八月一日
はい。これは嘘です。だって在職期間から計算すると、僕、絶対この人と会っているはずの時期なのに知らないもん。その時期にA社にいた二〇代の女性って入社して一月で辞めた同期しかいませんし。
あと二十代で、そんなに金がもらえるわけないでしょう。
某口コミサイトでの高評価はこの三つ。さて聡明な読者様の中には気づいた方もおられるでしょう。
【口コミ投稿日が、全部二〇一五年八月一日じゃねーか!?】
まったく……こういうところが品質低下、業績悪化につながってるんですよ。
・福島県に研究室を設立?
これはA社のホームページを見て知った事です。
二〇一一年。A社は福島の大学内に研究室を作ったそうです。目的に関しては不明ですが、僕の推測では原発関連の補助金狙いではないか? と考えています。
二〇一一年。この年号を見た瞬間、日本人の頭に過る事は東日本大震災と、それに伴う原子力発電所の事故。
人道もクソもないA社の事ですから、この年に福島に研究室を作るなんて行為の裏側に、原発がらみの補助金の気配を感じざるを終えません。
まぁ、あくまでも僕の推測でしかありません。願わくば間違っていてほしい推測です。
・それでもブラック企業はしぶとく営業中!
さて、取材もかねてA社についてググった僕でしたが、
「願わくば、潰れていてくれ、クソ会社」
と心の中で川柳を一句捻ったものの、残念ながら現在もA社は存在しています。
ホームページに書かれた企業の経歴には、僕が退社してからも様々な補助金を貰った事は書かれていますが、それに反して何らかの結果を出した、と言う報告は少なかったです。何らかの成果が出た場合も、だいたいが他企業との共同開発……みたいなのが大半。
う~ん。僕が就活してた時は自社製品、自社開発を掲げていたはずなんだけどなぁ。
さて、ブラック企業で体験した出来事を綴ってきましたが、A社に関わる出来事はこれで全てになります。改めて思い起こしてみると、自分が体験したことなのに「いやいや、こんな事あるわけないじゃないですか(笑)」と自分で突っ込みたくなるくらいシュールと不条理の連続でした。
耐えがたきを耐えてきた二〇代前半でしたが、そこから得た事は非常に少なかったです。
必要のない苦難を耐え抜いてはいけません。
なので自問するようにしています。
今、僕が頑張っている事、本当に頑張らなきゃいけない事?
僕が責任を負わなければいけない事?
本当は誰かに押し付けられた責任じゃない?
アドラー心理学の知識からかいつまんだテクニックですが、意外と役に立ちます。自分の責任と他人の責任の分離と言うヤツですね。
出来る事なら、大切なものと、そうでないもの、それらの区別が鮮明に感じられるくらい聡明でありたいものです。
次回、あとがき。
……そして。
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