はじめはおてんばで危なっかしい女の子、といった印象でしたが…
読み進めていくと印象がガラッと変わります!
公爵令嬢としての明晰な頭脳、度胸、慈悲深さ、したたかさ、愛らしさ…
その全てを持っている魅力的なレディーなのだと分かります。
きな臭さが漂うほの暗いシーンや、貴族特有の堅苦しいシーンもあるのですが、持ち前の無邪気さやマリーちゃんのワードセンスが光り、それを見事に中和してくれます(◍•ᴗ•◍)
個人的にはいきなり情景がブツッと途切れて、一瞬『?』と思うシーンもあるのですが…
そんな事が気にならなくなる程、愛すべき魅力が詰まったお話です。
こんな素敵なレディーはマリーちゃんから、マリー様とお呼びしなくてはなりませんね!
王妃候補のなりそこないといわれたマリーが英雄エドに逆プロポーズするという衝撃的な始まり方をする本作。
15歳のマリーは好奇心旺盛で物動じない性格と聡明な頭脳でピンチを乗り越え、自らピンチを作り出す。そんなドタバタ劇を広げながら奮闘していきます。
年の差が15もあるエドとの初々しく関係を積み上げていく恋模様にドキドキ、そしてキュンとすると思います。
このままでも十分に面白いんですが本作の魅力は戦いは戦場だけではない! ということじゃないでしょうか。
男達が戦場へ向かい、権力維持、力関係の牽制をするとき家を留守にするときその家を守るのは誰でしょうか?
そう女性なのです! この腕力ではなく腹の探り合いに始まり知略、戦略、立場、なんでも使って静かに激しい戦いを繰り広げるのです。
自分が主導権握っていると思えばそれも誰かに誘導された結果であったり、女性の裏側の戦いを見ることが出来るはずです。
マリーを中心に渦巻く陰謀、その中で必死に生きるその15歳の少女の姿を是非見て頂きたいです。
あと個人的にはマリーの物事の捉え方、表現の仕方がとても面白いのでその辺りも触れてもらえるとより楽しめるんじゃないかな? と思います。
勝手にレビューしていた気になっていた(;´・ω・)
この作品はレビューせざるえをえない!!
舞台は同作家さんの別作品の異世界。
ですが、純粋な貴族モノとして単体でも十分読めます!
王妃候補のなり損ないと言われたおてんばなマリーが、愛想がない十も歳の差が離れた、実はとても慈愛心を持たれた優しいエド辺境伯と婚約する事になり、彼の領地で暮らす事になる中で起こる波乱万丈の日常を描いた作品です。
と書くと「おてんばなお嬢様の話か」と思われるかもしれませんが、この作品の良いところは、マリーがただのおてんばなだけじゃないところ。
公爵家の出なのもありますが、中々の知恵者であり切れ者でもあり、そんな部分をエドの為だったり、領地の方々や屋敷の方々の為に披露できる、良い意味でのしたたかさを持っているのが良いのですよね。
おてんばですけど!(これは譲れません!)
この両面性が、エドをはじめとした、彼女と関わる者達の心を惹きつけていく。
そんな部分が読んでいて心地よいんですよ。
異世界ファンタジーであり、貴族ものでありながらも。
安易な冒険や、悪役令嬢系ではない、日常系作品としても、貴族の生活を見る作品としてもしっかりしているのがとても魅力的なんです!
文章もマリーの一人称で語られますが、ライト過ぎず、でも読みにくさもない形で非常に読みやすいんですよね。
戦闘に明け暮れたり、人間関係のグログロした部分を見たりしやすいこのジャンルですが、たまにはこういった楽しい日常系作品、いかがですか?