残飯その29 雨傘


 雨の日は好き。

 傘を差すから。

 大きい傘ならもっと素敵。

 あなたの隣を独り占めできるから。


 傘は視界を遮るから

 周りの眼も気にならない。

 雨が世界を曖昧にして

 傘の住人を覆い隠してるみたい。


 わたしだけの場所。

 わたしたちだけの居場所。

 彼が隣で何か言っている。

 雨の音のおかげで聞こえない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おこげのつぶやき処【残飯の寄せ集め】 おこげ @o_koge

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ