死亡フラグなんかじゃない、決意表明だ!

グリップダイス

馬鹿騒ぎは終わった

この静かすぎる馬鹿騒ぎが終わったら、俺はジムに行くんだ。


ジムでは100キロ以上ある鉄の塊が俺を待っている。

こいつを両手で握り締めて、突き放して、また引き寄せてやるんだ。


すっかり鈍っちまった俺はヒィヒィ悲鳴を上げ、顔を真っ赤にして、肩で息をして、BCAAをボトルからガブガブと飲む。

なのにすっかり熱くなった俺を無視して、バーベルシャフトはひいやりと冷たいままなんだ。


インターバルは短めに、各種目メインセットは3回で。

少し物足りないかもしれないけれど、今ここはサバンナの水場なんだ。

周りでは渇きを癒しにきた動物たちが順番を待っているだろう。

俊敏なチーター、優美なシマウマ、頑健なサイ、そしてサバンナの王者ライオン。

俺はいったい何科の動物なんだ。


シャワールームで人間に戻り、車のエンジンに火を入れる。

どこか遠くに行きたい夜だけど、家に帰ろう。


家でグラス一杯に挽いた氷を詰め込んでグレープフルーツを絞ったら、ロンリコ151の封を切るんだ。

酒屋が酒を消毒薬として売っているなんて、本当に馬鹿騒ぎの時代だったよな。

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