あの夏が終わるまでに

作者 綾波 宗水

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★★★ Excellent!!!

keyという一つのジャンル、ともいっていいほど大きなものへ、目標を持ち、そこに追いつきたいという大きな大きなお話。

目標があるが故の悩み。
そして苦しみ。
決してきれいな部分だけではない。
そんな、狭き辛い門への道を生々しくリアリティに描いている。

自分もクリエイターの端くれとして、この作品を読んで自分はどこへ向かおうとしているのかを考えさせられた。

クリエイターを志すものだけでなく、小説、あるいはその類に触れる読者にもぜひとも読んでほしい作品であります!

★★★ Excellent!!!

学生の時にしか書けない文章があるように
自分自身が一定の状態でないと書けない文章がある。
この作品を一言で言うなら、そういうことになるだろう。

ある作品に感銘を受け自分も
と創作を始める男を主人公とした私小説。

私小説はある結論が出た状態から
過去を俯瞰しその解釈を小説に組み込むのが普通だと思う。

過去は変わらないが解釈は変わる。
同じ過去でも売れてる状態から見た過去と
売れていない状態で見た過去は違う。解釈が違う。

作者は売れた後、この作品を消すかもしれない。
その頃には過去の解釈が変わってしまっているに違いないから。

そういう意味では貴重な作品。

この作品に特に惹かれ共感するのは
作者と同じような状態にある人間だろう。

そして、この作品に惹かれた人間の一人である私自身も
恐らく同じような状態にあるのだろう。