最初は単純なテンプレから逃れたい物語なのかと思ったけど、そんなものではなかった
途中まではそれなりに物語をしているが、中盤からは雲行きが怪しくなる
人間や、国の考え、感情までもに理屈をつけて、それらを理解しているような主人公が、アームチェア‐ディテクティブをしている様な雰囲気を感じる
勝手に感じているだけだが現代風刺に感じられる描写が多く、途中からは物語が表現したいものというより、論語のような内容になる。
要するに、1話ごとに1つのテーマについて、主人公を通じて筆者の考察が垂れ流されるようなもの
テーマの提示は一応物語の内容に準拠しているがまあどちらを主張したいのかは読んでいればなんとなくわかる
①色々な人の感情や、行動原理に理由をつけて行く事
②それなりに納得出来る理屈が並んでいる事
③ただし、それが本当に正しいのかは無理数が本当に無理数であるかを証明するかのような難しさであるため、最後は信じるしかないところ
この辺りが宗教のように感じる。考え方は非常に面白い。基本皮肉が効いていて捻くれている点も好き