未来の国から来た魔女っ子☆

魔女っ子★ゆきちゃん

総ての因縁を断ち切るために!

1 れしい小学生しょうがくせいっぽいなに


 チョコバニラモナカアイスをべつつ、ぼーっとあるいていると。

ひさしぶりじゃん! 元気げんきぃ〜?」

背中せなかおもいっきりたたかれた💥

 その衝撃しょうげきとびっくりしたのがわさってアイスをっことしてしまった。うー。まだ一段目いちだんめしかべてなかったのに〜(涙目なみだめ)

 そのこえぬしるとあみみの黒髪くろかみ小学生しょうがくせい美幼女びようじょであった。ただ過去かこった記憶きおくがない。

人違ひとちがいじゃないですか?」

 内心ないしんはらてつつも13さい歳上としうえだから、おこるのは大人気おとなげないとおもい、でも口調くちょうはキツめにかえしたところ。

「そんなことないもん。マジカル💔くるくる⛄マゾっ💫ゆきちゃんでしょ?」

かえされた。一部不正確いちぶふせいかくではあるものの『マジカル♡ミラクル❄魔女まじょ☆ゆきちゃん』のことは家族かぞくかごく一部いちぶ関係者かんけいしゃしからない。

「あっ! アイスっことしてるよ? 相変あいかわらずドジっだね。はい♪」

丁寧ていねいひろってくれるがほこりやらなにやらついてて10びょうルールの適用てきよう範囲外はんいがい案件あんけんだった。

わたしのことおもした?」

 おそらく魔法まほう少女しょうじょ関連かんれんだとはおもうけれど13さいわたしより歳下としした見掛みかけたことがない。

 ふるふるとくび左右さゆうると。

「むうー、そんなはずない! あっ💡」

 彼女かのじょあたま左右さゆうのお団子だんご一瞬いっしゅんねた。

「ごめーん、おもした。未来みらいのマゾっ💫ちゃんと過去かこったんだった。じゃあはじめましてだね♪」

笑顔えがおせる。金髪きんぱつぐるぐるドリル巻髪まきがみがギュルルと一瞬いっしゅん回転かいてんした。

はじめまして★」

 結局けっきょくあか他人たにんだった。その銀色ぎんいろのツインテールを左右さゆうおもいっきりってやろうかとおもったけれどおねえさんだから我慢がまんしておいた。

「よし、わたし魔法まほう使つかえるようにしてあげる♡」

 いえすで公益こうえき社団しゃだん法人ほうじん日本にほん魔女まじょ連盟れんめいでギリギリAランクに認定にんていされる程度ていどには魔法まほう使つかえるのですが?

「ちちんぷいぷいちんちんぷらぷら魔法まほう使つかえるようにな〜れっ!」

 シャッラーン✩ キラキラキラキラ✨

 あっ、ホントになんかきたっぽい。

かったね。魔法まほう使つかえるようになったよ? アイスはやべなね。未来みらい過去かこわたしによろしく✩」

「あっ、はい。さよなら〜」

 虹色にじいろかみつポニーテール美幼女びようじょは、さっさとってしまった。

 アイスってこんなほこりもつれの……。

「あ!」

 チョコバニラモナカアイスはふうられていない新品しんぴんになっていた。


2 総毛立そうげだつほど


 アイスをべながらいえかえった。ベッドに寝転ねころがって小説しょうせつつづきをかんがえていると。

 きゅうおそろしさがげてきた。それは総毛立そうげだほどに。

 先程さきほど出逢であった存在そんざい桁外けたはずれだった。おかあさんや世界せかい最強さいきょう魔女殺まじょごろしコンビの『カタリorバーグ』、うるうどしんさまやミレニアムしんさまなど、すご存在そんざいはいっぱいてきたつもりだけれど、はっきりかくちがった。しかし。

 どのような姿形すがたかたちだったのかおもすことさえ出来できなくなっており……。

「あれ? わたしなにしてたんだっけ? んー。そだっ! 小説しょうせつつづきをかんがえてたんだった✩」


3 超絶ちょうぜつ弩級どきゅう量子りょうし重力じゅうりょく魔法まほう


 魔女まじょ連盟れんめいからの緊急きんきゅう強制きょうせいしがかった。

 なんでも強力きょうりょく召喚しょうかん呪文じゅもんにより異世界いせかい強大きょうだい魔神まじんされてしまったとか。

 こちらも異世界いせかいから勇者ゆうしゃ召喚しょうかんするらしいが時間稼じかんかせぎのために世界中せかいじゅうのAきゅう以上いじょう魔女まじょ魔神まじんもとかわされた。

 勝算しょうさんは1ピコ(一兆分いっちょうぶんいち)もないらしい★

 けれども――


みなさんがっていてもらえますか? たぶんわたしひとりで大丈夫だいじょうぶです」

 わたし魔法力まほうりょく解放かいほうしつつった。

 めるものはいなかった。当前とうぜんだ。魔神まじんよりわたしほう十数桁じゅうすうけたつよいからだ。ただしこのまま攻撃こうげきすれば太陽系たいようけいおそれがある。

 わたしはなとうとしている重力じゅうりょく崩壊ほうかいけい爆発ばくはつ呪文じゅもんは、どうひく見積みつもってもきょく超新星ちょうしんせい爆発ばくはつ同等どうとう以上いじょう威力いりょくがあった。下手へたにチカラをすとあまがわ銀河ぎんがんでしまいかねない。それに次元じげんえてべつ宇宙うちゅう損害そんがいあたえてもこまるし。

 かといってほか呪文じゅもんでは威力いりょく二十桁にじゅっけたちる。2番目ばんめ強力きょうりょく呪文じゅもんとの威力差いりょくさ一垓いちがいばいちがってはこまりものだ。

 一億いちおく一万倍いちまんばいが『一兆いっちょう

 一億いちおく一億倍いちおくばい一兆いっちょう一万倍いちまんばいが『一京(いっけい)』

 一億いちおく一兆倍いっちょうばい一兆いっちょう一億倍いちおくばい一京いっけい一万倍いちまんばいが『一垓いちがい』である。

 仕方しかたがないので以下いか手法しゅほうることにした。

生物せいぶつのいないあまがわ銀河ぎんがをコピーした宇宙うちゅうつくる。あまがわ銀河ぎんがサイズ。この宇宙うちゅう地球ちきゅう感覚かんかく一週間いっしゅうかんしか存在そんざいしない

②そこに魔神まじん自分じぶんおく

自分じぶん魔法力まほうりょく十桁程じゅっけたほど封印ふういんする

全力ぜんりょく最強さいきょう呪文じゅもんたた

⑤こっちの世界せかいかえってくる

 めたらあとは行動こうどうするだけである。


4 ちょっとおもすぎます


 地球ちきゅう危機ききすくわれた。

 わたし世界せかい最強さいきょう魔女まじょ称号しょうごうもらった。

 わたしにこのチカラをさずけた存在そんざいは――もはや何者なにものかがわたし能力のうりょくさずけたという事実じじつをかろうじて記憶きおく片隅かたすみとどめているというにぎないが――地面じめんちたものひろうような気軽きがるさでわたしにこの能力のうりょくをくれた。

 その存在そんざいわたしとの魔神まじんわたしよりもはるかにおおきい。

 あたえられた魔法まほうのほとんどは強力きょうりょくすぎて使つかものにならないけれど、魔法まほう使つかって自分じぶん魔法まほう調しらべてみるとどうやら万能ばんのうのチカラらしい。

 ただしその制御せいぎょ出来できなくてぎゃくやくたないのである。たとえば。


 わたしには小学生しょうがくせいころから可愛かわいがっていたプロ棋士きしがいる。森咲彩乃もりさき あやのちゃん。女流じょりゅう棋士きしではなく正真正銘しょうしんしょうめいのプロ棋士きし四段よだんである。わたし彼女かのじょ応援おうえんすると――。

 際限さいげんなくってしまうのである。もう必敗ひっぱい局面きょくめんで『彩乃あやのちゃん頑張がんばれ!』とおもうと相手あいて二歩にふして彩乃あやのちゃんの反則勝はんそくがちになる。棋戦きせんのトーナメントの結果けっかて『ここでってたら決勝けっしょうトーナメントりだったのに』とおもうと相手あいてがコンピュータを使つかってのカンニング疑惑ぎわく浮上ふじょうしてしまうという具合ぐあい。これは『彩乃あやのちゃんしかったね』とおもなおしたら疑惑ぎわく雲散うんさん霧消むしょうしたけれど。

 世界せかいわたしおもどおりにうごく。おもどおりにうごきすぎてわたし意図いとはんするカタチでおもどおりにすすもうとしてしまう。

 それっ! おもどおりじゃないから!

 さらに自分じぶん能力のうりょくをニふたけた制限せいげんし、また魔法まほうあたらしくつくってムダに強力きょうりょくすぎる魔法まほうえていっているけれど。

 突如とつじょかみさまになれとわれたみたいでひど困惑こんわくしている。正直しょうじきわたしはもうえてしまいたい。かみさまわりはおもすぎる。

 そこでひとつかんがえたのが――。


5 過去かこわたし救出きゅうしゅつ


過去かこ自分じぶん救出きゅうしゅつに?」

 おかあさんがかえしてきた。わたし自分じぶんおもいをべる。

「もしわたしがあのとき666ビーストわれてなかったらいまわたしはいなかったとおもうの。だからむかしわたしたすけたら、わたしえてしまうんじゃないかとおもうんだけれど。でもそれでいんじゃないかなあ。われたわたしはいなくて当然とうぜんわれなかったというわたし未来みらいひらいてえるのなら本望ほんもうだよ」

「そう。あなたがそこまで覚悟かくごめているのなら辰子たつこおもとおりになさい。それでいつくの?」

明日あした。それまでにお世話せわになったひとたちにおわかれをって小説しょうせつ投稿とうこうサイト『カコヨモ』でもおわかれの挨拶あいさつをして、それでこうとおもう。もうおかあさんとえないとなるとかなしいけれど……」

 なみだがぽろぽろとあふれてきて言葉ことばまる。

いのよ。辰子たつこおもうようになさい。きっとそれが一番いちばんただしいみちだとおもうから」

 わたしはじめてははなみだた。親不孝おやふこうわたしゆるしてしい。

いもうとのぼっこちゃんをわたしぶんまであいしてあげてね?」

 おかあさんがハグしてくれてわたしはそのむねなかつづけた。


6 2020ねんがつ29日にじゅうくにち


 のちに666ビースト名付なづけられたヒグマと遭遇そうぐうした“わたし”がいた。後退あとずさりする“わたし”。666ビースト。そのあいだふさがった。

ひとねら罪深つみぶかきヒグマよ。てんわっておしおきぴょん🐰 マジカル♡またぎ🐻魔女まじょ☆ゆきちゃん推参すいさん☆ らえっ! マ○ャド❄」

 鎧袖一触がいしゅういっしょくだった。みずからの能力のうりょく十二じゅうにけた封印ふういんしたとはいえ、やま更地さらちえるほど呪文じゅもんあやつわたしにヒグマなどてきではないのだ。

 わたし魔法まほういま人類じんるい史上しじょう最強さいきょう水素すいそ爆弾ばくだん『ツァーリボンバ』をしの威力いりょくつ。わたし自身じしん破壊神はかいしんのようなモノである。そんな魔女まじょ存在そんざいしちゃいけないよね?

 でもこれで歴史れきしわる。わたし存在そんざいえる。あっ、意識いしきが……。


7 2020ねんなつ


 えなかった★ こまったことに。けれど色々いろいろためして魔法まほう制御せいぎょ出来できるようになっていた。

 こっちの世界せかいでもわたし戸籍こせきはない。たりまえだ。こっちの戸籍こせきは“わたし”のものなのだから。

「ゆきちゃん、スイカったよ〜🍉 一緒いっしょべよう♪」

「わーい。ありがとう辰子たつこねえさん♡」

 そう。いま辰子たつこねえさんこと過去かこの“わたし”のいえでお世話せわになっている。異世界いせかいからこちらの世界せかいまもるためにやってきた魔女まじょ☆だと説明せつめいしたら納得なっとくしてくれた。名前なまえはつい“森咲もりさきゆき”と名乗なのってしまった。彩乃あやのちゃんごめん。

 その彩乃あやのちゃんとも森咲もりさきつながりで紹介しょうかいされて将棋しょうぎなかになった。

 いまわたしほうしてるけれど、数年すうねん逆転ぎゃくてんするんだろう。なにせプロ棋士きしになるおかたですから。それよりまた歳下としした彩乃あやのちゃんに出逢であえてうれしい♪ こうじゃ年齢ねんれい逆転ぎゃくてんしてたからね。


 辰子たつこねえさんが――と自分じぶん名前なまえをいうのはみょう気分きぶんだけれど、もうれた――お仕事しごとってるあいだ実家じっかするようになった。おかあさんとおとうさんはわたし気付きづいてくれた。おにいちゃんはやっぱりアニメキャラと間違まちがえたのでパロス○シャルをめてやった。コーホー。

 そして――


 チョコバニラモナカアイスをべながら辰子たつこねえさんちにかえっていると。

「マジキレ💔ボコボコ❆真似まね🌠ゆきちゃんだ。やっほー、元気げんきかーい♪」

 前方ぜんぽうからかみ瑠璃色るりいろのおかっぱ美幼女びようじょこえけられた。あいつだ!

「よくもへんなチカラをさずけやがって〜!」

 左手ひだりてにアイスをったまま右手みぎてでそいつのひだりほおをつまんでひねりあげる。

いたいたい、やめてよ〜お💦」

 したので溜飲りゅういんがりはなす。

「おかげ地球ちきゅうたすかったんだからいじゃん! それなりに能力のうりょく使つかいこなせているみたいだし?」

「いいからもともどせっ!」

「ふえっ? そしたらもと世界せかいもどれなくなっちゃうよ?」

「えっ? もと世界せかいえてないの?」

「うん。キミがここにいるくらいだからね☆」


 翌日よくじつから一週間いっしゅうかん里帰さとがえりした。以降いこう両方りょうほう世界せかい同時どうじ生活せいかつしている。


 おしまい

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