5人の女が織り成す「絶望」の一幕

 揺り起こされた“わたし”は、4人の女性と共に密室へ閉じ込められていた。そして、どこからか聞こえてきたアナウンスはとんでもないことを告げる。この部屋からの脱出方法はただひとつ。恋人同士になれた者だけがこの密室から生きて解放される……。

 ちなみに5人全員、普通の女性です。つまり、いきなりデスゲー+無理ゲーから物語が始まっているわけで、実にキャッチーですねぇ。

 そしてデスと無理を加速させるゲームルールですよ。これがキャラクターを追い立てて、追い詰めていきます。デスゲーものはこの部分の「いやらしさ」が鍵になるものですが、著者さんのいやらしさのさじ加減は絶妙のひと言! ルールに脅迫されたキャラ同士が自分の手で関係性をかき乱していく有り様、その惨さをじわーっと楽しませてくれるんです。

 過程がしっかり積まれていればこそ輝く“驚愕”のエンディングと最高に最悪な読後感、ずいっとおすすめです!

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)

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