第11話 昼休みとお昼寝と

ミーナは僕から精を受け取ると屋上を後にして教室へ戻っていった


芙蓉は芙蓉の母の鈴夜さんが僕にマーキングしているので混乱しているようだ


「なあ、芙蓉はもう僕の精は要らないのかい」


僕が芙蓉に尋ねると真っ赤な顔をして俯いている

さっきのミーナへの精の渡し方が刺激的過ぎたようだね


「なあ、芙蓉はまだお子ちゃまなんだから俺の指を口で咥えて精を受け取るんだろう

だったら、そんなに恥ずかしそうにするなよ」


「むうう、お子ちゃま言うな」


「だって、芙蓉は解禁者じゃ無いんだろう」


「そうよ、悪いかしら」


「別に悪く無いよ、どこから精をもらうかの違いだけじゃ無いか

こだわるところじゃないだろう」


俺が芙蓉に言い訳を用意してやると芙蓉の雰囲気が変わる


「そうよね、太一の指から貰うのは同じだものね

ほら、さっさと指を出しなさいよ」


現金なやつ

まあ、良いかな


俺は芙蓉の口元に指を突きつけてやる


すると芙蓉は躊躇する事もなく僕の指を口に咥える

ミーナの時と同じだ、指から何かが吸い出される


「えへへ、ご馳走様」


ミーナの時とは違い、少しもエッチな気分にはならない

まだ、芙蓉にはサキュバスとして男を魅了する力はないのだろう


「太一、ありがとうね」


そう言うと、扶養もミーナと同じようにさっさと屋上を後にしてしまう

ミーナも扶養も現金なやつだ

用事が済めば僕はお払い箱らしい

まあ、精を渡すだけの関係ならそんなものかな


僕は静かになった屋上に寝転ぶとぼんやりと空を眺める

青い空に浮かぶ白い雲か


こんな風に雲を見るのは久しぶりだな

このまま授業なんかサボって寝てしまおうか


そんなことで悩む僕の頭を嘲笑うかのように僕のまぶたは素直に閉じ始める

目を閉じれば感じるのはグランドから聞こえる喧騒と顔を撫でる緩やかな風の感触だけ


僕は簡単に意識を手放して眠りの世界に落ちてゆく


するとそこには鈴夜さんがサキュバスの姿で待っていた


「あれ、なんで鈴夜さんがいるんですか?」


「ここは貴方の夢の中ですもの、サキュバスの私が入り込むのは簡単なことよ」


「でも、なんで僕が眠ったってわかるんですか」


途端に不機嫌な顔になる鈴夜さん

なんか、怒ってるよね


「貴方のせいよ、貴方が私を眷属にしたからよ

眷属はご主人様が夢を見ている事が分かるのよ

だから、ご主人様の夢には直ぐに入り込めるの」


「へええ、鈴夜さん、僕の事をご主人様って認めたんだ」


ありゃ、また機嫌が悪くなったよ


「はああ、アンタ馬鹿でしょう、一般論、私は一般論を話しているだけだから」


芙蓉と言い鈴夜と言い強情だよね


「そうですか、鈴夜さんは僕をご主人様と思っていないんですね

もしかして僕の従属にちゃんとなっていないんですかねえ

しょうがない、確かめますか」


「えっ、ちょっと待って、確かめるとか、何を考えてるの、ちょ、ちょっと怖いんだけど」


「そんなあ、僕が鈴夜さんのご主人様じゃなかったら何も起きないんだから怖がる必要もないですよね

ほら、鈴夜、僕にキスをするんだ」


「やっ、ダメだって、嫌だから」


口ではそう言っているけど、鈴夜は僕の従魔だから逆らうことなんて出来ないね

僕に抱きついて来て濃厚なキスをしてくれる

最初はついばむ様なキス、でも直ぐに鈴夜の舌が僕の口を割って入ってくる


「クチュ、クチュ、クチュ」


夢の中なのに凄くリアルだ


僕の口の中で蠢く鈴夜の舌も

少し汗ばんだせいで強く香る鈴夜の体臭も

僕の頭を抱え込む情熱的な鈴夜の仕草も

みんなハッキリと感じてしまう


「ちゅぽん」


そんな音を立てて鈴夜の舌が僕から離れてゆく


「太一くん、ずるい、酷いわよ」


ふてくされた様な鈴夜の声


「それは鈴夜が僕の従魔だって素直に認めないからだよ

ねえ、まだ認めてくれないなら次は服を脱いでもらうよ」


「やっ、ダメだって、わかりました、言う、言うから、私は太一くんの従魔です

これで良いでしょう」


「う〜ん、嫌々感が醸し出されているのは気に入らないけど

まあ、良いかな

それでさあ、結局鈴夜はなんで僕の夢に入って来たのよ」


あれ、また嫌そうな顔をしてるな

何が気に障ったんだろう


「一般論、あくまで一般論なんだけど

サキュバスは自分が捕食したオスにマーキングするのよ

その目的は2つあって、他のサキュバスに対する警告と、他のサキュバスが自分の捕食したオスの精を吸った場合にアラートをあげることなの」


なんだろう、この恥ずかしそうな顔は

可愛いすぎるだろう


「それって、僕の精をサミーと芙蓉が吸ったから鈴夜にアラートが上がったって事か

ふ〜ん、他のサキュバスに僕が取られるんじゃないかと心配で急いで確認にきたって訳だ」


「ば、馬鹿じゃない

太一くんの事をそんなに私が心配する訳ないでしょう」


本当に素直じゃない

少し教育するか


「鈴夜、正直に答えるんだ

嘘にはペナルティーが与えられる

鈴夜、お前は主人の太一が他のサキュバスに取られるのが心配で急いで主人の元に馳せ参じた

そうだな」


僕の問い掛けに口をパクパクさせる鈴夜さん

そんなに僕を慕ってるって言いたくないんだ


「べ、別に太一くんが他のサキュバスと何をしても私は気になんかしないんだから」


鈴夜さんがそう言い切ると鈴夜さんの足元に魔法陣が現れる


「やっ、なによ、この魔法陣は」


「鈴夜、僕は言ったよね

嘘をつくとペナルティーだと」


そして魔法陣から光が湧き上がり鈴夜が光に包まれる

やがて光が失われて行き、サキュバスの衣装を取り上げられて裸になった鈴夜が現れる


「鈴夜、手は頭の後ろに組むんだ」


「えっ、なに、いや、馬鹿、ダメだったら」


それでも鈴夜は僕の命令には逆らえない

抵抗の甲斐もなく鈴夜は頭の後ろで手を組んでしまう


「ダメ、見ないで、見ないの、や〜、見るな」


「なあ、鈴夜、大きな声を上げるから胸が揺れてるぞ」


「へっ、スケベ、へんたい、バカ」


「ほら、また揺れた」


「う〜うう、ううううう」


「唸り声だと、乳首ぐらいしか揺れないな」


僕の言葉で鈴夜の顔が朱に染まる

さてと、どうイジメよう

僕は裸の鈴夜を前に考えを巡らせる


「ドガッ」


いきなり頭に衝撃が走る

痛みで強制的に夢が終わらされて目が覚める


目の前から鈴夜が消える

代わりに見えるのは青い空と白い雲

それと太ももと白いパンティーだ


ハイ???


そうかこのパンティーちゃんが僕を蹴ったんだ

いったい誰だよ


「アンタって本当に助平ね」


パンティーの上からミーナの呆れた声が聞こえて来る

どうやら僕の頭を蹴って、僕に太ももとパンティーを見せているのはミーナらしいね


こいつ、なんで僕の頭を蹴るんだよ

それに、助平って


「なあ、ミーナ、お前も僕の夢に入ってたのか」


「そうよ、悪いかしら」


「でも、なんで夢に出て来たんだ」


「アンタって馬鹿でしょう

さっき私にエッチなやり方で精をくれたじゃない

だから、マーキングしたのよ

悪い、悪く無いわよね」


ミーナは逆ギレ気味だね

少し話し合う必要があるか


僕はどう話を切り出すかを考えるとミーナに話しかけ始めるのだった












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サキュバスは僕のクラスメート @tam2kun2001

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