第10話 ミーナの変貌
昼休み、芙蓉とミーナとした約束に従って僕は校舎の屋上にいる
「太一、遅い」
屋上に上がるなり芙蓉から文句が飛んでくる
なんなんだろう
「全然、遅くないだろう、それとも、そんなに芙蓉は僕の精を待ち望んでいるのかい」
「バ、バカじゃないの、別にアンタの精なんて欲しているわけじゃ無いし...」
「あら、私は太一さんから精を貰うのを楽しみに待っていたのよ」
ミーナはそう言うと僕にすり寄ってくる
「スン、スン、スン」
僕の匂いを嗅いだ後でミーナが僕をジト目で見つめる
「ねえ、太一さん、知らないサキュバスの匂いがするんですけど」
ミーナがワンコちゃんみたいなことを言う
サキュバスの嗅覚はワンコ並みなんだろうか
「ええ、うそ、うそ
あれっ、本当だ、太一から大人のサキュバスの匂いがする」
「でしょう、でしょう、これってマーキングよね」
「うん、そうなんだけど...ねえ、太一、この匂いってお母様の匂いなんだけど」
夢夜の匂いねえ、夢の中でなら夢夜の匂いが付くようなことは一杯したけどね
でも、あれは夢の中の話だよね
「夢夜さんの匂い、良く判らないけど同じ家に暮らしてるんだから移り香くらいは付くんじゃないの」
そう答える僕を見つめるミーナの顔が悪い顔に変わる
「ふ~ん、太一さんはとぼけてるのかな、それとも知らないのかな」
「ああ、ミーナ、太一は知らないんだと思うよ」
なんだよ、2人で納得して、僕には何が何だか分からないのに
「そうなんだ、ねえ、太一君、太一君に付いている夢夜さんの匂いはサキュバスならだれでも気づく匂いなの
だって、その匂いはこのオスは私が捕食したから手を出すなっていう他のサキュバスに警告するための匂いなんだから」
「捕食、捕食って?」
僕は夢夜に捕食されたのか
「あら、言葉通りよ、太一君は夢夜さんに食べられちゃったんでしょう」
「うううう、お母様と太一が、不潔、不潔よ、信じられないわ」
なんだろう、なんで不潔とか言われるのかな
サキュバスのメンタルティーが良く判らなくなるよ
「なあ、ミーナ、食べれてたって言うのは...その、夢の中でエッチをしたってことで良いのか」
「そうよ、やっぱり太一君は夢夜さんとそういうことをしたのね」
「不潔、不潔だわ、太一ったら私の大事なお母様に手を出したのね」
「しょうがないだろう、夢夜さんが勝手に僕の夢の中に入ってきて誘惑するんだから」
「なによ、それじゃあ悪いのはお母様みたいじゃない」
芙蓉は本気で不潔とか思っているんだ
「そこ、そこだよ、なんで悪いとか不潔とか言う話になるんだ」
僕がそう芙蓉に質問すると芙蓉は真っ赤になる
「当たり前でしょう、だって太一とお母様は...そういうことをしたんだから」
「いや、いや、いや、おかしいでしょう
だって、夢夜も芙蓉もサキュバスだろう
男の精はサキュバスからすれば食事だろう
食事に悪いも不潔もないだろう」
「うっ、そ、それはそうね
で、でも、不潔だもん、ミーナもそう思うでしょう」
答えに窮した芙蓉はミーナにぶん投げる
「そうねえ、理屈では太一君の言う通りなの
私達は人間の男から精を得ることで生きてゆく種族だから
精を得るのは食事よね」
「だろう、だろう」
ミーナが僕の意見に同調してくれたので僕は思わずどや顔になる
「でもね、それは大人の論理なの、芙蓉みたいなおこちゃまのメンタリティーは人間の女と一緒なのよ」
「ミーナ、なにそれ、自分は大人で私だけ子供みたいに」
あら、芙蓉が拗ねだした
「その通りでしょう、力の無い子供が不用意に人間を襲わないように子供のサキュバスには人間とのセックスを悪いことと意識付けているんですもの
今の芙蓉の反応はお子ちゃまサキュバスのものでしょう」
あ~あ、ミーナが芙蓉を完全にお子ちゃま扱いし始めたよ
「だ、だって、人間と同じ学校にいって同じ教育を受けてるのよ
同じで当然じゃない」
「あら、芙蓉ったら、貴方はまだ小学生なのかしら」
「はああ、なに言ってんのよ高校生に決まってるでしょう
腐れ縁のアンタが知らないわけは無いわよね」
「うふふふ、精神年齢の話よ
ねえ、太一君、今時の高校生はセックス位であんなに騒がないわよね」
あれ、ミーナの雰囲気がいきなり変わったよ
この雰囲気はちょっとやばいかも
「あれ、ミーナさんて男に耐性がないんじゃなかったけ」
「あら、嫌ですわ、女はいくつもの顔を持ってますのよ
芙蓉みたいな単純バカは例外ですけど
だから、太一さん、夢夜さんみたいな年増より私と楽しいことをしませんか」
妖艶な笑みを浮かべるミーナは本当に昨日抱きしめただけで責任を取れと言っていたミーナと同一人物なんだろうか
「うふふふ、太一さん、驚いてますね
昨日の私は初心な美少女仕様でしたものね
でも、今日の私は非処女仕様ですから
ちゃんと楽しめますわよ」
「その仕様っていうのもサキュバスの能力なんですか」
「流石、太一さん、その通りですわ、捕食者として有能であるには相手の望む女になり切る必要がありますもの」
「おい、ミーナ、それってお前は解禁者になっているってことか」
「あら、芙蓉、羨ましいのかしら、そうよ私は解禁者よ
だから、貴方と違って下のお口でも精を吸い取れるわ」
解禁者っていう言葉で芙蓉が焦りだしたね
そして、そんな芙蓉をしり目にミーナが迫ってくる
「ねえ、太一さん、昨日のお話で私と太一さんは付き合うことになりましたよね
だから、今日は非処女仕様で会いに来てるんですわ」
僕に抱き着いて耳元でミーナが僕に囁いてくる
耳に掛かる吐息が艶めかしい
そして、魅惑的なミーナの言葉
僕はミーナの顔を見つめてしまう
「うふふふ、最初は口づけですわね」
近づいてくるミーナの顔、その透き通るような白い肌に浮かぶかわいらしいピンクの唇
僕はミーナの唇に魅了されてその唇に僕の唇を近づける
そして二人の唇が触れ合うとミーナの舌が割り込んできて僕の舌と触れる
その柔らかで淫靡な感触に僕の心が囚われると僕の舌からミーナの舌になにかが流れ出す
「クチュ、クチュ、クチュ」
2人の舌と唾液が織りなす音に僕の心が支配される
「プチュン」
そんな音を立ててミーナの舌が離れてゆく
「うふふふ、やっぱり太一さんの精は美味しいですわ
昨日、指からもらっただけで判りましたもの
今日は舌越しに頂いてよりおいしく感じましたわ」
そうか、ミーナは大人のサキュバスと同じなんだ
なら、夢夜さんと同じように扱っても良いんだな
「なあ、ミーナ、舌で味わう精も美味しいかもしれないけど、ミーナは下の口でも精を吸えるんだよな
さっき、そう言ってたよね」
「ええ、言いましたわ」
僕の雰囲気が少し変わったことに気づいてミーナは少し警戒しながら僕の質問に答える
「じゃあ、下の口でも僕の精を味わおうか」
僕はそう言ってミーナを壁に押し付ける
僕に抑えられて身動きが取れなくなるミーナ
芙蓉は?、チェックすると急展開に付いて行けずに固まっている
これなら、いけるか
僕はミーナのスカートの中に手を忍ばせる
「な、なんですか、太一さん、ダメです、やめてください」
なんだ、ミーナの奴、口ほどにも無い
僕はミーナの抵抗を無視して指をミーナのショーツの中に進ませる
「ニチャ」
なんだ下の口もお腹を空かせて涎を垂らしてるじゃないか
「ミーナ、下のお口は涎を垂らしてるよ
こっちのお口で昨日のように精を食べると良いよ」
「ぐにゅ、くにゅ、ぎゅううう、くちゅ」
ミーナの下のお口に僕の指を咥えさせる
すると、さっきの舌と同じように僕の指から何かが吸い出されていく
「あ、あああ、あん、ああ、いいです、いいですわ、太一さんの精は美味しいです」
トロンとした目で僕を見つめながらミーナが囁く
「キュ、キュ、キュ、ギュウ、ギュウ、ギュウウウウウ」
なんどもミーナの下の口が僕の指を強く咥える
最後の一滴まで吸い出して逃がさない、下の口がそう言っているみたいだ
そして、僕の指が強く咥えられ続け、ミーナの身体が震えだす
「ひゃ、ひゃ、あ、あ、あああ、はあん」
そしてミーナの全身が脱力する
充分に僕の精を味わいつくしたようだ
「はっ、はっ、はっ、はっ、おいしゅうございました」
惚けた表情のミーナが僕に迫る
そして長い口づけをしてミーナの食事は終わる
「今度は、指では無くて太一さんの物で貫いて精を注ぎ込んでくださいな」
口の端から滴る涎を気にもせずミーナが僕におねだりをする
さっきの抵抗は雲散したようだ
あれも僕を焚きつけるための演技だったのかもしれないね
「太一さんの夢の中は夢夜さんが占有してるので私は入れませんわ
だから、こんど私の家に招待いたします」
そう言ってミーナは教室へと戻っていった
芙蓉?、芙蓉は僕とミーナを惚けたように見ていたけど...
「太一、あんた、お母様が居るのに何してんのよ」
あれ、再起動したね
「いや、昼休みに芙蓉とミーナに精をあげるって昨日約束したよね
それを守っただけだよ
それで、芙蓉は僕の精が欲しいの、欲しくないの」
さて、芙蓉はどう答えるんだろう??
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