子供のいない夫婦の足跡

陸 なるみ

第1話




思い出のあしあとならば夏の海

自重に軋み光る濡れ砂

波眺め迎えに行くと言った背に

18年が過ぎ去っている

手さぐりで必死に始めた生活は

あの脈動を刻み続けて


幸せのあしあとならばどか雪の

時差出勤の戸口前

ぴったり君のあしあと踏んで

きらめく雪はほんわかなまま

バス電車公共機関が止まったら

戻って二人で遊んでしまお

雪だるまなら特大に雪うさぎなら限りなく


毎年のふたりあしあと重ねつつ

これからもまた続けていこう

君の背中と足音追って

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子供のいない夫婦の足跡 陸 なるみ @narumioka

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