世界を滅ぼすという魔女と契約し、魔女を眠らせれば世界に魔力が満ちて救われる。その繰り返しで世界が成り立つというニブルヘルムを舞台にカル・クライムの物語が紡がれる。妹を助けられなかったことを悔やんでいたカルは、成り行きでコルディナス帝国の皇女リオナとの旅に出ることになった。そして物語のもう一つの軸となるリオナには、過去に魔女と戦った者達の映像が見え、魔女と契約する運命が待ち受けていた。
このPORTABLE FANTASIAの面白いところは、リオナが時折垣間見る「映像」によって先の魔女との戦いやその時の人物の心情が語られ、世界の謎を点として少しずつ読み解くことができるところにあります。プロローグや映像の不穏な描写によって真実が浮かび上がり、やがてそれらが線となってつながっていくのだと思うと、カルたちの大立ち回りの爽快さに喝采を送りながら、別視点で物語の重厚さを味わえるという二つの楽しみを得られるのです。
神々との契約、魔女との契約をすれば命を落とす運命を甘受するリオナに対して、カルはどのような選択をするのか。世界の理に対して過去の契約の再現をするのか、それとも否定するのか。その時の選択と行動まで目が離せない物語です。
また人の優しさの機微が巧みに表現されており、会話ではなくカメラ越しの描写のように視覚的に読み取れるのも魅力です。
この作者様の作品の魅力として、なんと言ってもキャラが良いんです!!
生き生きと、そして活発に動くキャラクター達は善悪問わず、本当に面白い!
それはもちろんこの作品にもです!
ずっと考えてました。
どーしたらこんなにも生き生きとしたキャラクターが生まれるのだろう?
そして私なりに出た結論なんですが、キャラ同士の掛け合いが、最高なんです。
共感する言葉。時にはぶつかり合い、時には……etc.ただの会話ですらも、ニヤニヤしてしまう!!
ここが面白い。
もう一度言います。ここが面白い。
そんなキャラとキャラの掛け合いがお互いの良さを引き出す。最高です。
話は少し変わりますが、私は王道ファンタジーが苦手です。
何故かと言えば、魅力を全く感じないからです。テンプレと言うつまらないものに、適当に作ったキャラを乗っけるだけの作業……大っ嫌いです。
しかしこの作品はそんな不快感を全く感じる事なく、楽しんで読むことが出来ています。
そしてカッコいいキャラや戦闘シーンでニヤニヤしちゃうっッ!!
是非読んでみて下さい。
ケモミミ……ええで……!!
これは王道ファンタジーですね!
物語の背景や世界観が完成されているので、読んでいて安心できます。
機械人形や、飛空挺、鉄道が開発されている。夜の闇でも光が輝いていて、その資源が魔鉱石。素晴らしい!
自分は作者様の大ファンです。
前作の「白銀のスカーレット」は近未来でしたが、今回発表されたのは作品は異世界が舞台。
勿論、興味が沸きました!
主人公カルは盗賊(シーフ)を生業としています。
カルはレジェンド級の逃げ足が自慢とか。
その俊足を活かして魔獣から逃げることなんて朝飯前です。
彼は相棒フィガロのミスで、
一緒に帝国軍に捕縛されてしまうのですが、魔獣との戦いでうまく戦線離脱します。この辺りは非常に見習うべきところですね(笑)
しかし、今度は銀狼の群れと遭遇。一難去ってまた一難。
最初は銀狼の群れを相手に果敢に戦いますが、その中から人の背丈ほどある大きな銀狼と出会ってしまったことから戦局は一転……
さあ、この続きはご自分でお確かめ下さい。
まさかの展開にΣ(・ω・ノ)ノワオです(笑)
登場人物も魅力的です。
天真爛漫な獣人美少女ギン、彼女がカルに言った大胆なセリフに笑えました(笑)
ヒロインの皇女リオナ。
映像(ビジョン)を見た彼女は、カル達に世界を滅ぼす魔女の話をし、六神の一柱である魔神イフリートがいる別名地獄の門(ヘルズゲート)と言われる火山へ共に来て欲しいと言います。
でも世間知らずなのか?抜けているのか?お金を持たずに宮殿を出るってあたりが、やっぱりお姫様って感じですがそんなところも好感が持てました。よく依頼を引き受けてくれたなと(笑)
気になるのが、黒いローブに仮面を被った、謎の男オルフェウス。
彼の目的はいったい何なのか!?
カルがピンチの時に現れるオーバーシャドウ(覚醒)の力は使いこなせるようになるのか?彼の秘められ過去とは?
気になる魔女との契約。
命と引き換えに魔女を封印……
本当に?その方法でしか世界を救えないのか?
動き始めた運命……
逃れられない宿命と繰り返される理とは?
是非是非、読んで下さい!!