第22話 左目の秘密
ツムギがシロに話しかける
「シロ、改めて僕という存在を助けていただきありがとう」
「大して感謝されることしてねえよ」
「ふふふ、だろな、なにせ無自覚と言って良いほど理解できてはなさそうだからな」
「どういう意味だ?」
「君は本当にシロという名の人物なのかね?」
「俺の名前はシロだ」
「ふむ、君が最後の仕事をした人物がシロという名の人物だったと言う事か、その人物を理解してしまったようだね」
「・・・・」
「その左目数字は本来システムがバグを自動修正するに要する時間、バグにより人間とキャラクターのリンクが切れた場合、不正アクセスを防ぐために一時的にそのキャラクタに成り代わりAIが操作を行う、修正ができない場合にはこの世界からの干渉を排除される、排除の方法は様々だと思われる」
「おいおい、自爆するならまだしも、この世界の住人に襲われるのも使用だというのか?」
「恐らくは再びログインしないよう警告しているのだろうが、お主はそうはいかなのだろう」
「どういう意味だ?」
「僕の経験から考えて君自身はすでにシステムによってアクセスはすでに遮断されていると思われる」
「なんだそれ?」
「僕で例えるならツムギを操作していた人物はもう僕を操作することはできない、糸は完全に切れている」
「じゃあお前は一体?」
「それはそっくり返そう、君は自分自身が分かるかい?」
「俺はサクラがこっちの世界に来たら不幸な目に会わないように、王国の奴らにも復讐うぃ考えて・・・」
「向こうの世界、つまりリアルの記憶はどうかね?」
「リトリー達のことは覚えてるけどな」
「うむ、あ奴らの事は置いといてだ、家族の事は友人は?」
「家族・・・友人・・・」
「どうじゃ思い当たる節はあるか?」
シロはなにか遠い記憶の中に居る父親らしき人物の影がよぎるがぼんやりしていてはっきり思い出すことができない
「親父は居たのか・・・いや、なんか自信が無い・・・」
「魂の欠片とも言える様々な人の記憶、それらを渡り歩く度に君という人格が形成されていったのだろう、AIが稀に自我を持つ時には1つのプログラムでは無く少なくとも3つ以上のAIが共存した時に自我が形成されると報告を受けている」
「3つ以上・・・・」
「心当たりはあるのな、おそらくシロの場合かなり多くの人の記憶を吸収しているだろう、何人分かの人格形成によって最終的に君という人物が完成されたのだろう」
「そういえば・・・・」
「まぁよいだろう、いずれ本当の自分にアクセスできた時には思い出す時が来るだろう、さぁシステム、いいや人間どもが我々を排除しに来きたよ、僕たちは君の見方だ全力で守るよ」
この世界にない想像上の化け物をシステムが作り出し、シロ達の排除に乗り出した
ゼロを刻む時 呼霊丸 @codeX84569752
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