第21話 フレンドリーアバター

私は私の責務を全うするのみ、それは誰かに命令される訳でもないでもない私の意思

フレンドリーアバターとして主様より生み出され、作られた記憶ではなく主と一緒に過ごした楽しい記憶が今も残る


主様は仮想世界に飲み込まれ、やがて衰弱死し私だけが取り残された

この世界が何のために存在し誰が生み出したのかわからない


ただ人の手でこれだけの物を生み出せるとは到底考えられない

人と深く交わっていた私は向こうの世界の人がこの世界に降りてくるのは事前に察知することができた


人が降りてくる・・・、この世界の住人と区別を付けるためなのか左目に時が刻まれている

時はこの世界での滞在時間だと考えていた、この世界を楽しみ飲み込まれるのを防ぐために努力をしてきた


「人はこの世界に長く止まってはダメだ、私は間違ったことをしているのだろうか・・・」


「予言の巫女さま、国王陛下が御出でになりました」


「久しいな」

「火急なご用件とお伺い致しましたが如何なされましたのでしょうか?」

「うむ、実はなこの世界の神を手に入れた、もうお前には隠居してもらおうと思ってな、今までの礼としてどこへでも好きな場所へ行くがよい、それだけを伝えに来た」

「陛下!お待ちを!陛下!」


「あれが陛下の言う神と言う存在か・・・」


私は神と名乗る者を調べるために人の形を変え探ろうとした、そこで驚愕の光景を目にした、神と名乗る者はこちらの世界に来た人を喰っていた・・・


私は自身の身を案じ自分の分身を鳥の姿に変え、能力を渡し解放した

そして、私は神となのる人物に飲み込まれた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


シロは夜中目が覚める


「今のは夢だったのか・・・、それにしてもこれは誰かの記憶だったのか?」


寝起きでボーっとしている中、夜中なのに外から赤い光が差し込める

窓の外を見ると3本の光が天から地上に螺旋を描いて降りている

光はやがて螺旋上の真っ赤な1本の木のような形をした物へと変化した


「あれは・・・」


急に屋敷内が騒がしくなりシロの元にツムギが訪れる


「シロ!一緒に来てくれるか?あれはこの世界の造物ではない、この世界の人では対処できないだろう」

「あれは一体何なんだ?」

「とにかく急ごう、移動しながら説明するよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る