知られざる闇バイト。
今話題になっている闇バイトですが、個人的にはこういういかがわしいバイトって、世の中には結構ある様な気がします。なので、今日取り上げるのは、
最近TVで良く取り上げられる強盗とかではなくて、一応合法だけど、
【どうなのよ?】というバイトについて書いてみたいと思います。
そのバイトの名前は、【医薬治験】と言われるものです。大学のアルバイト募集とかに時々あったり、ネットでも募集されたりしていますが、要は新薬を人体に投与して、どの様な影響が出るかの実験台になるバイトです。1日で終わるものもあれば、日数がかかるものもある為、バイト料はその内容にもよりますが、
かなり割の良い金額が支払われるのが普通です。
無論、この様な新薬は、人体に投与する前に色々な動物実験が行われており
(マウスや類人猿)、それで問題ないと確認出来たものをかなりに希釈した上で、
少量人体に投与して様子を見ます。チンパンジーなんかは人間とDNAの99%が同じだから、チンパンジーで実験して問題なければ…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそんな単純なものではありません。これらの類人猿と
人間の生理機能には大きな違いがあり、類人猿では問題なくても人体には
大変な影響が出る…ことは普通にあり得るからです。人間の免疫機能に関しては、
現代の医学でもわかっていない事が多く、新薬の人体実験というのは、
実はかなりのリスクを伴うのですね。
その中でも一番有名なのは、2006年3月13日にイギリスで行われた、
TGN1412という新薬の医薬治験中に起きた事故です。
TGN1412は、B細胞慢性リンパ性白血病(B-CLL)と関節リウマチの治療を目的とし、人の免疫T細胞のCD28受容体に結合して、免疫細胞を活性化する作用を持つ
薬でした。この時の人体への投与は、カニクイザル20匹の動物実験で安全が
確認された投与量の1/500に相当する0.1 mg/kgであったにもかかわらず、
この薬はわずか数分の間に、投与された被験者6名全員に壊滅的な多臓器不全を
引き起こしたのです。
なにしろ治験開始直後に6人の被験者全員が発症して入院し、そのうちの少なくとも4人はかなり重度の多臓器不全で、死の淵に瀕しました。事故後のイギリスの規制
当局(MHRA)の調査会の報告によると、問題の本質は治験規定の違反よりと
いうよりも、【ヒトにおける予期せぬ生物学的作用】だったそうです。
TGN1412はヒトの免疫T細胞を暴走させ、暴走したT細胞は異常な量のサイトカイン
(免疫を活性化する物質)を放出し、その結果、免疫系全体が暴走、
暴走した免疫細胞は体中のあらゆる正常細胞を勝手に攻撃し、
被験者の中には頭の皮膚が膨れ上がって、エレファントマンの様な外見になったり、指が壊死してやむなく切断した人もいました。集中治療室での必死の治療により、
幸い亡くなった人は出ませんでしたが、少なくとも1名には
生涯苦しむ後遺症が残ったのです。
治験者6名は平均年齢29歳の健康な若者でした。
この後の捜査で明らかになったのは、この治験は、当初の計画では2時間かけて
徐々に薬物を投与するはずが、実際には20分以内で全員に投与されていた事です。
但し、これは治験として致命的なミスとはされず、最終的に罪には問われていません。最初に投与された方には、この薬が投与されて5分もしない内に悪寒や
発熱など強い副作用が現れていますので、計画通りゆっくり投与を進めていれば、
ここまで被害が拡大しなかった可能性はありますが、いずれにせよ、
とんでもない事態になったのです。
このTGN1412の治験事故、実は氷山の一角だと言われています。
新薬というものは、その作用の予測はある程度出来ても、人間の生理活動と合わさった後に最終的にどの様な効き方をするのかは、結局人体実験してみないとわからないのですね。人体の生理現象は個人によっても違いますから、薬の作用の出方も当然個人差があります。なので、ある一定数の治験をした後、徐々に数を増やして結果を検証しながら…という作業が当然必要になります。薬は効かなくても困りますが、効きすぎて副作用が出ても困るのです。2020年にコロナウイルスが拡散した時、物凄い
短期間でワクチンが作られた事は皆さんご存じかと思いますが、本来ウイルスの
ワクチンなどというものは、何十年も歳月を掛けた治験を行う類のものです。
実際、コロナで使われたmRNA型核酸ワクチンは、実験的にコロナ拡大の
かなり前から研究されており、SARSウイルス用のものがある程度の所まで
開発されていました。ただ、従来のワクチンとはかなり異なるものである為、
新型コロナが発生する前、2019年頃の論文を見ると、
【理論的には有効で、動物実験でも成果があるが、人体投与の実績がない為、
20年後くらいに実用化出来れば良いだろう…】などと書かれています。
コロナの頃、年間死亡数が従来の統計に比べて著しく増えた事は客観的データとして
残っていますが、これらの死亡のかなりの割合が、【治験による死】である
可能性があるのですね。実際コロナワクチンを打った直後に死亡した例が
多数報告されています。本来こういう死亡事例が出ると治験は中止される
ものですが、そんなの無視して接種が強行されたのはみなさんご存じの通りです。
ワクチンは投与されてから何十年も経過した後に副作用が出るケースが
あるので、まだ安心して良いという訳ではありません。
現在も治験は絶賛進行中だったりします。
今やAIの力を使ったフェイク動画とかいくらでも出回る時代ですし、
マスコミも自分達にとって都合の良い情報しか拡散しません。
何が事実で何がフェイクなのか、個人で情報を集めて見極める事が
重要な時代になっているのです。なので、私はこれを読んでいるみなさんに
忠告しておきたいと思います。
【多少金額が良くても医薬治験のバイトには応募しない方が身の為ですよ】…と。
白狐姫と白狐隊のひそひそ話 白狐姫と白狐隊 @hayasui
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