夜の太陽
雲間を裂いて強烈に夜を照らしていた。名もない球体を私は夜の太陽と呼んだ。しかし彼等は夜すらも照らせぬ貧弱で淡い、あんな朧の球体に太陽は似つかわしくないと否定するのだ。
太陽と冠するには確かに余りにも確かに弱弱しく、隅々まで光を届けることが出来ないが、少なくとも夜という枠のなかに彼女より輝く星はいないのも事実。太陽という言葉を唯一の光と例えるのならば昼の太陽、対する夜の太陽となるべきだろう。
そう理屈は述べられたものの結局それは満月に名を変えていつの時代も夜を照らし続けた。
雨蛙 沼郎 @ritti
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。雨蛙の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます