【クラフィ編】月の使者さん,こんにちは
1)
ブランと月の使者との攻防は、
クラフィオナの力の基準は,最強のSSSオメガクラスの【
そう言った等級が、大まかに,三十。細かく,十二づつ。実に、三百六十も分かれている。天界人である二人の力は、この中の上から十六番目に当たるJクラス【
「 魔法を使えないというのは,縛りがキツいですね。」
と言いつつ、ブランに蹴りを放ちながら、何でこんな事になったのか悩んでいた。
「人間になるとか言わず,素直に月に戻ってくださいよぉ。」
などと泣き言を言いながら、ブランを追い詰める。
2)
「ここは,どこなのです?」
ウロボロス草を採ろうとして,魔力溜まりに落ちたアニエスは,見知らぬ場所にいた。高い銀色の塔が幾つも天を突き,空気も焦げ臭い。さらに,見慣れぬ鉄の獣が,道を駆け抜けている。不安になったアニエスが,きょろきょろと周囲を見渡していると,茶髪を左分けした利発そうな少女が,声を掛けてきた。
「あら?貴女は…。お久しぶりです。エリーズです。先生。」
と親し気に声を掛けてくるが,アニエスには,少女のことは,とんと記憶にない。
先方のエリーズと名乗った少女も,アニエスが発する違和感に気づいたのか,
「そうか,時間軸が…。」
などと
「ところでアニエスさんは,何で地球に?」
「えっと,ウロボロス草を採ろうとして,魔力だまりに落ちたです。」
アニエスがエリスに,バツが悪そうに語ると
「えっ?なんで,ウロボロス草なんかを…。」
と,エリスに驚かれてしまった。だから,
「実は,姫様が…。」
と,アニエスが仕える姫様のマリーが,猫になったまま戻れなくなった話を,エリスに語って聞かせると,エリスは納得した表情で,
「その話なら,前世の母上から聞いたことがあったわね。」
そう言って,持っている学生カバンから,ウロボロス草を取り出すと,アニエスに渡し,転移室があるというエリスの住んでいる家に,招待された。
3)
このままでは,
神々しいオーラを
「ルナ様?!」
戦いの手を止め,天使は,その場で片膝をつき,頭を垂れた。
ごく自然に,ブランも,天使に
「えっ?いいの。母さま。」
月の女神は,こくりと頷き,その手をブランに
「これで,人間に?」
再び,慈愛に満ちた表情で月の女神は,こくりと
4)
後のシャデシャトー王国の記述には,こう記されている。
盈月の落とし子たる二代目ブランこそが,ルナデウス家の祖であると
【つづく】
クラフィティオナ物語 あるてみす☆しゃえる @arco_iris
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