個性豊かなあやかしたちと、美味しそうなごはん。このキーワードだけでも、惹かれる人は多いはず。
それらの素敵な要素がハートフルな優しいストーリーで彩られた、現代のあやかし絵草紙です。
主人公である雪春くん兄妹をはじめ、本作に登場する人々の多くは、家族に関わる哀しい事情を持っています。
甚五郎おじいちゃんの美味しいおにぎりや定食が、彼らの傷付いた心を包み込んで癒してくれます。
お店に集まるあやかしたちは、気さくで頼りになる子たちばかり。
一緒にいろんな問題を解決するうち、まるで『家族』のような関係になっていきます。
大切なのは血のつながりばかりではなく、心のつながりだと、自然に沁みいってきます。
きっとあなたも、『おにぎり定食屋甚五郎』に行きたくなること間違いなし。
癒し系のお話をお探しの方におすすめしたい作品です!
第2章 第6話(レビュー時点での最新話)まで読んでのレビューです。
父子家庭の3人きょうだいの長男、雪春が主人公。
ある日、主人公たちの父親が行方不明になり、おじいちゃんと暮らすことになります。
おじいちゃんはおにぎり定食屋を営んでいるのですが、そのお店には個性的なお客さんたちがやって来て……
おじいちゃんのお店に姿を見せるのは人間ばかりではありません。
妖怪もいます。
第1章では、そんな風変わりな面々との交流の中で、主人公は父親の消息について知ることとなります。
第1章の最後で一度、物語に区切りがつくのでしっかりと終わる作品が読みたいという方でも満足できると思います。
第2章からは第1章に出てきた面々が繰り広げる新たな物語が始まります。
私のお気に入りのキャラクタは猫又の虎吉です。
コミカルで可愛い☆
物語は主人公雪春が幼い妹2人とともに故郷を離れ、祖父の元へやってきたところから始まります。
着いてびっくり、祖父の営業する『おにぎり定食屋甚五郎』は妖怪たちが出入りする不思議な店なのでした。
とても優しい感触の物語で読み進めながら小春日和のような暖かさを感じていました。心がふわりと包まれるような感覚、暖かな雰囲気は作者様の持ち味なのかもしれません。
助け合い生きる中で生まれた兄妹の絆、愛らしい妖怪たち、心と腹を満たすお爺ちゃんのおにぎり定食。
部活動での悩みなども、読みながらうん、そうだよ、そうだよ〜(。-_-。)
なんて、思いながら拝読しました。
親がいない子供の苦労、でも沢山大切な友人たちが出来ました。
兄妹は手を取り合って仲良く進んでいくことでしょう。
ーー美味しいご飯食べて行きませんか?
ずっと前にお母さんを亡くし、さらにある時お父さんまで失踪してしまった、雪春、美空、彩花の兄妹たち。
三人はおにぎり定食屋を営むおじいちゃんに引き取られますが、そこにくるお客さんは人間だけではありませんでした。
本作を簡単に説明するなら、少年と、おにぎり定食屋にやってくる妖怪達の交流を描いた話になります。
妖怪と言うと恐ろしいものを連想するかもしれませんが、本作に登場する妖怪達は、そのほとんどが可愛くユーモラス。
始まりこそ、お父さんの失踪という重く苦しい事態から始まりますが、作品全体がとても優しい雰囲気で、見ていて思わず笑顔がこぼれます。
まさにおにぎりのように、温かくて幸せの味が広がっていくようなお話。あなたも読んでみて、その優しい世界に触れてみてはどうですか?
名作だと思います。
作品世界がとても優しく、心が温かくなります。
読ませていただいて、きっと作者様も心が優しい方なのだろうと思いました。
また、個人的には、ノスタルジックな日本の家族の姿を見ているような気持ちにもなりました。
人と人とが心を通わせ合い、家族を思い合う。そんな現代の家族が失いかけている尊い愛情を感じます。
こちらの作品には人だけでなく、かわいらしい妖怪たちも多数登場します。
妖怪と言っても怖くはなく、むしろ愛らしいキャラクターたちです。
食事の場面が多く登場するのも特徴で、とてもお腹が空きます。
心温まる不思議な定食屋、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。