何と主役の前世が露出狂。
その名もロッシュは脱ぎたがりの変態。
たしなめる幼馴染のアイナ。
頭を痛める祖父のカディル。
ジーク王子。
マリナベル女王。
魅力たっぷりな登場人物は血が通っていて最後までブレません。
ロッシュの影響を受けるけど、基本ブレていません。
それに雰囲気もいいです。
バカバカしいネーミング。
騒ぎを起こすロッシュと捕まえようとするアイナのやり取り。
どんなに苦難にあってもロッシュはロッシュで脱いで解決します。
主役はこうでなくっちゃ。
この作品は全裸露出讃歌なのかもしれません。
変態が主人公でも、雰囲気はあくまでも明るく笑えます。
作者様の巧みな筆力に恐れ入りました。
トラックに轢かれて死んでしまった露出狂の男。彼が転生した先は、異世界の大魔法使いの孫。そこで彼は、美しい肉体と名門の嫡男という身分、さらには天才的な魔法の才能をを与えられるのだった、露出狂という性癖はそのままに。
本作は、王道的な異世界転生物であり、若きイケメン天才魔法使いが大活躍して世界を救う冒険譚である。ただし、その彼、露出狂なのだが……。
物語自体は、王道的なのですが、いかんせん主人公のキャラが変態なもんだから、意表をついた作品に仕上がっています。そこが、とにかく読んでいて楽しい。ことあるごとに全裸になりたがる主人公と、それを阻止しようと躍起になる幼馴染の眼鏡女子。
そんな中、魔王復活の兆候が現れ、王国は不穏な雰囲気に。
姿を現した強敵に対してピンチに陥るロッシュ。
普通はレベルアップしたり特訓したり新たな魔法に覚醒したりするのでしょうが、ピンチの陥ったロッシュが選択する行動は一択。
脱ぐ!
なんか読んでいるうちに、だんだん自分の感覚とか常識とかが壊れて行き、スポポポポーーーンと服を脱ぎ去るロッシュが格好良さに目覚めていきます
でも、こういうことってありませんか?
強固な鎧や、小難しい理論で武装し、頑丈なバリケードや強い味方の背後に隠れ、小賢しい戦いや卑怯なバトルを展開する主人公って、格好悪いなと。
そこへ行くとこのロッシュ。すべての防具をパージし、わが身を防御する術をすべて脱ぎ去って、完全なるキャスト・オフ状態で戦う。これぞ、本当の男の戦い方だと思うのです。
本作を読んだぼくの知り合いの中学教師が。全裸になったロッシュを指さし、生徒にこう言いました。
「いいか、人生にはこうしなければならないこと、本当にあるからな」
嘘です。
みなさん、街中で全裸はいけません。でも、時としてすべての防御を捨て去って、戦わなければいけないこと、人にはあると思います。
そんなあなたの、全裸になりたいけれど、なれなーい!という欲求を満たしてくれる本作。全裸になりたいあたなには、絶対お勧めです。
トラックに轢かれて命を落とし、異世界に転生する物語は数あれど、主人公が露出狂という作品は他にないのではないでしょうか。
この作者さま、変態イケメンを書かせたら右に出る者はいません。
今回も豊かな語彙を駆使した素晴らしい文章で、露出狂の胸熱王道ストーリーが展開されていきます。
ひとたび読み始めたら、縦横無尽にブルンブルンと飛び回る全裸イケメンのイメージが鮮明に浮かび上がること間違いなしでしょう。
何が何でも下半身を露出しようとする主人公ロッシュですが、仲間に危機が迫った際の正義感は本物です。
バトルシーンも迫力たっぷりで、ぜひ映像化してほしいのですが、例外なく局部が映り込んでしまうので倫理的に難しそうなのが悔やまれるところ。
個人的に、何となく下ネタっぽい雰囲気が漂う固有名詞(世界、学園、国、組織など)が地味にツボです。どんなセンスなの。
世界に不穏な魔の手が迫る予感に、物語も盛り上がりを見せておりますが、はたしてロッシュは世を平和に導き、露出王国《ヌーディストキングダム》を築くことができるでしょうか?
ラストまで、顔を覆った両手の指の隙間からガン見するが如く、目が離せない物語です!
露出に命を懸けていた変態は、生まれ変わっても露出狂のままだった……。
花も恥じらう乙女に、例のブツを見せることに得も言われぬ快感を味わっていた男が、ひょんなことから事故死し、転生します。
転生先は、先の魔族との大戦・剣姫戦争の英雄の一人である大魔法使いの孫・ロッシュとして。
祖父の才能を受け継ぎ、幼い頃から天才の名をほしいままにするロッシュですが、天才は、同時に変態でもあったのです……。
もう、設定からして作者様のセンスがあふれております!
もちろん、設定だけでなく物語や文章の端々にも素敵なセンスがちりばめられ……。読みながら、思わずクスッとしてしまうこと間違いなしです!
個人的には、なんとか孫を矯正しようと頑張るおじいちゃまが好きです!(≧▽≦)
頑張って、おじいちゃま! 矯正はきっと不可能だろうけど、夜を儚んだりしないで強く生きて!
我が道を行く露出紳士の物語、気になる方は覗いてみてください。
チラリズムの美学はどこじゃ――っ! と叫びたくなるくらい、見事に出してますから!(*ノωノ)