このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(267文字)
短いお話なのに、ずしっと心に残ります。影の八月。おじいさまの残したノートと、幼い頃の記憶。最後の主人公の言葉がまたグッと心に刺さります。戦争のない世界になりますように。心からそう願い、黙祷を捧げました。素晴らしいお話でした。
短いけれど読みごたえのある作品でした。ちょうど今の時期になると様々なメディアで取り上げられるあの夏の日。テレビを見ながら、実際どういう気分だっただろうな、と考えていた時分だったので、ドンピタリのタイミングで読ませていただきました。一見、子供目線の寓話調でありながら、時代を隔てた現在の若者目線の対比を折り混ざっていて、深みのある、説得力のある小説となっています。是非、沢山の人に読んで欲しいと思います。
玉音放送の前と後日本人の価値観がいっしゅんで変えられた。そんな人々の感情を「影」という言葉で表現した作品だと思いました。