★★★ Excellent!!! おじいちゃんのノートと古い記憶。ずしっと重く、心に残る作品です! 和響 短いお話なのに、ずしっと心に残ります。 影の八月。 おじいさまの残したノートと、幼い頃の記憶。 最後の主人公の言葉がまたグッと心に刺さります。 戦争のない世界になりますように。 心からそう願い、黙祷を捧げました。 素晴らしいお話でした。 レビューいいね! 3 2023年3月17日 12:47
★★★ Excellent!!! 1945年のあの日、少年が見た不思議な物語。 けんこや 短いけれど読みごたえのある作品でした。 ちょうど今の時期になると様々なメディアで取り上げられるあの夏の日。 テレビを見ながら、実際どういう気分だっただろうな、と考えていた時分だったので、ドンピタリのタイミングで読ませていただきました。 一見、子供目線の寓話調でありながら、時代を隔てた現在の若者目線の対比を折り混ざっていて、深みのある、説得力のある小説となっています。 是非、沢山の人に読んで欲しいと思います。 レビューいいね! 1 2020年8月23日 22:45
★★★ Excellent!!! 玉音放送の前と後 野林緑里 玉音放送の前と後 日本人の価値観がいっしゅんで変えられた。 そんな人々の感情を「影」という言葉で表現した作品だと思いました。 レビューいいね! 2 2020年8月15日 12:46
★★★ Excellent!!! 心さえ蝕まれ、それでも生きた影の少年 夏山茂樹 影の少年は死ぬことを望んでいた。周りが死ぬことを褒め、推奨する世界で彼は心の拠り所さえないまま日常を死と隣り合わせの毎日で生きていた。 空虚な日常は彼の心を蝕み、死を選ぼうとした。だが無くなったのは数本の指。残りは綺麗なまま残った。 そしてある日ラジオで流れる降伏宣言……。 これは登場人物の亡くなった祖父が書いた物語だった。 戦争で私の曽祖父は指を失った。死ぬまでそのことをひ孫だった私には言わず、「事故で切った」と誤魔化していた。 母方の祖父は沖縄戦でアメリカ軍の捕虜にされた。軍兵に取り囲まれた時、公園には牛と人間の死体がゴチャゴチャしていたそうだ。 死と隣り合わせの毎日を生きた人々の生き方にはどこか暗い影があり、生き方や生活に闇を置いていくだけだった。 死は楽ではない。かと言って生も楽ではないと言われたら、そうではないと思う。 人生楽あり苦あり。私たちは死ぬまで先人の決めた時間の中で生き、年を重ねていく。 それまでに後悔できる幸せを得られるようになりたい。改めて生きる決意をさせられる物語だった。 レビューいいね! 2 2020年3月10日 04:41