(中)およそ1000年の時を遡り復活! マジカル♡またぎ🐻魔女っ子☆ゆきちゃん爆誕💣(中編)

魔女っ子★ゆきちゃん

引き裂かれる兄妹愛

1 ブーム到来とうらい


ついたな。最終決戦さいしゅうけっせんへ」

「まだ一回いっかいたたかってないけれどね」

「きっと地元じもと人々ひとびとはヒグマにおそおののきながら生活せいかつしているにちがいない」

「そうね……ってて!」

「ん? どうした。うわっ!」

 お土産屋みやげやさんのまえで、ゆるキャラぐるみと記念撮影きねんさつえいをする人々ひとびとがいたのだが。

「ひぐまモン……ってまさか、ゆるキャラになっていたとは」

死神しにがみかまって黒装束くろしょうぞくぐるみはシュールだね★」

被害者感情ひがいしゃかんじょうかんがえたら、そういうかたはやめたほういとおもうんだが?」

て! 『らえ! 死神13デスサーティーン饅頭まんじゅう』だって! 『ひとらう羆型饅頭ひぐまがたまんじゅうぎゃくらいくせ』?」

「こっちはブロマイドだ。『なめねこ』ならぬ『なめひぐま』だってさ。『なめひぐま免許証めんきょしょう』までありやがる! 『なめねこブーム』ならぬ『なめひぐまブーム』がようとは」

666ビースト死神13デスサーティーン被害ひがいマップだって。死神13デスサーティーンスタンプラリー協賛店きょうさんてんマップき……」

「『羆台風くまたいふう――人類史上じんるいしじょう最悪さいあく獣害事件じゅうがいじけん記録きろく――』かあ。こんなほんまでてるのか」

 その『羆台風くまたいふう』のほんだけってみせた。


2 13頭の人食いヒグマ デ ス サ ー テ ィ ー ン 最弱さいじゃく未熟熊みじゅくぐま『クマっ


 旅館りょかんいた。部屋へや対策たいさくる。

明日あしたいきなり実戦じっせん不安ふあんだな〜★」

「まあ、そんなに心配しんぱいするな。このあたりに出没しゅつぼつするのは、ほかの12とうくらべてあきらかに成長せいちょうおそい『クマっ』だ。体重たいじゅう推定すいてい100kgそこそこしかないらしい。わば13頭の人食いヒグマ デ ス サ ー テ ィ ー ン いち未熟児みじゅくじってわけさ。」

体重たいじゅう100kgって未熟児感みじゅくじかんゼロだけれどね」


3 変身へんしん呪文じゅもんわすれちゃった。てへ☆


 翌日よくじつ旅館りょかんて2ふん48秒後びょうご、クマっ遭遇そうぐう

「ちょっとはやっ! まだこころ準備じゅんび出来できてない!」

覚悟かくごめるんだ!」

「カップラーメンが出来できるよりはや人食ひとくいヒグマに遭遇そうぐうするなんてありないでしょ? テク○クマヤコン・テクマ○マヤコン・魔法少女まほうしょうじよにな〜れ☆ あれ、変身へんしんしないよ?」

「いや登録とうろくした呪文じゅもんはそれじゃないっ!」

 そうさけびつつ、おにいちゃんがわたしとヒグマのあいだつ。そのにはオーディンのヤリグングニール(通販番組つうはんばんぐみったレプリカ)とサラディッシュのたて(さら+ディッシュ)。

 突進とっしんしてくるヒグマ。右前足みぎまえあしろす。

 バキャン!

 たてふせぐもふっばされる。

「おにいちゃん!」

大丈夫だいじょうぶだ。それよりはやくっ!」

 うううっ。変身へんしん呪文じゅもんどれだったかな〜?

「マ○リクマハリタ・ヤンバラヤン○ンヤン」

 ちがう。

「ピピルマピ○ルマプリリンパ・パパレホパ○レホドリミンパ・アダルトタッチで魔法少女まほうしょうじよになれ〜!」

 これもちがう! はやくしないとおにいちゃんが★

「ぴぴる○るぴるぴぴるぴー♪」

 やっぱりダメだ! おにいちゃんちこたえて!

「おい辰子たつこ

「ちょっとあとにしてよ! いま呪文じゅもんおもすので精一杯せいいっぱいなんだから」

「もういい。仕留しとめた」

「ほえっ?」

 ると死神13デスサーティーン、1の刺客しかく『クマっ』は退治たいじされていた。

「あれ? ひょっとしてよわい?」

莫迦ばかうな。クマっ攻撃こうげき単調たんちょうでかつ威力いりょくよわかったからギリギリかわせたんだ。つぎ刺客しかく『クマる』はヒグマとはおもえないほどのテクニシャンだとく。おそらくおれ技量ぎりょうではかわしきれない」


4 変身呪文へんしんじゅもん変更へんこうみとめられません


 変身へんしん呪文じゅもんはおにいちゃんがメモしていた。けれど……★


変身呪文へんしんじゅもん変更へんこうみとめられません。最低さいていヶ月かげつ使つかっていただかないと」

 そんな〜💦


「どうしてくれるのよ、おにいちゃん!」

「そんなことって。『ねむくなったから適当てきとうめといて』ってったのはおまえだぞ」

「でもだからって〜★」

「3ヶ月かげつ我慢がまんしろ」


5 魔法まほう呪文じゅもんはドラ○ンクエストふう


 翌日よくじつ四時間よじかんあるまわってようやくだい2の刺客しかく『クマる』と出会であえた。

 クマるは噂通うわさどおりのテクニシャンだった。

 右前足みぎまえあしげたクマるに反応はんのうしてたて頭上ずじょうかかげたおにいちゃんだったけれど、クマるの攻撃こうげきはサイドスローふうよこからせまってきて、おにいちゃんの生身なまみ身体からだにヒット。

 あらかじめバイ○ルトとス○ルトの呪文じゅもんけておいたけれど、おにいちゃんはぴくりともうごかない。

 あっ、これ。普通ふつうぬヤツだ★ しょうがない。

「テクニク・テ○ニカ・シャランラ〜☆ ロリータタッチでマジカル♡またぎ🐻魔女まじょ☆ゆきちゃんにメタモルフォーゼ(滝汗たきあせ)」

 呪文じゅもんながいは文言もんごんずいはで最悪さいあくだ!

 ぴよっ🐤 わたし全身ぜんしんつつむようにまぶしいひかりがっ! って、あーっ! ふく消滅しょうめつしてまれたままの姿すがたに💦 ギャー!

 とおもったのもつかしろ桜色さくらいろ基調きちょうとした魔女まじょ衣装いしょう装着そうちゃくされ、わたし身体からだ勝手かってにマジカルステッキをりかざしながら、なにやらそれっぽいまいっていた🌸

 アニメかよ! 視聴者しちょうしゃいねーんだから、過剰かじょう演出えんしゅつ不要ふようだよ。なんかナルシストみたいでいやじゃん!

てつくブリザードよ! 罪深き人食いヒグマ マ ン イ ー タ ー しかるべきむくいを! 『ヒャダ○ン』」

 おそるべき冷気れいきあらしがクマるをこおりつかせ粉砕ふんさいする。ヒグマに冷気れいきつうじないかとおもったけれどマイナス100℃以下いか攻撃こうげき有効ゆうこうだった。それよりおにいちゃん。

なないでっ。ベ○イミ」

 玉響たまゆらベ○マとまよったけれどMP節約せつやくしました。

「ううっ」

 かったきてた☆


6 わたしだったら絶対ぜったいうったえる!


だい9の刺客しかく『クマーゴ』はス○ンド使つかいだ」

「はい?」

能力のうりょく不明ふめい下手へたすると一気いっき敗勢はいせいっていかれる。をつけろ以上いじょう

「いやスタ○ド使つかいはまずいんじゃないかな? わたし荒木○呂彦あらき○ろひこ先生せんせいなら絶対ぜったいうったえるよ!」

野生動物やせいどうぶつのすることだからな。文句もんくっても仕方しかたないだろ? それに死神13デスサーティーンというとおからも、その可能性かのうせい示唆しさされていたはずだ」

 ラリホー↴ ヒグマってだけでヤバいのにスタン○能力のうりょくまでっているとは。っていうか、死神13デスサーティーン伏線ふくせんだったんだ💧

「それ最強さいきょうじゃないの?」

「いや10番目ばんめ推定体重すいていたいじゅう1.5トンの『ストロベリー🍓』。11番目ばんめは10ねん修行しゅぎょう死神の鎌デスサイズきわめた『グリムリパー』。12番目ばんめ古代魔法こだいまほう使つかいこなす『ホワイトウィザード』。アルビノで身体からだもシロクマなみしろいらしい。13番目ばんめはヒグマかい勇者ゆうしゃ『ロト』だ」

 みどころが満載まんさいぎてぎゃくめなかった。厳選げんせんし1つだけむことにする。

「10ねん修行しゅぎょうってどゆこと? かり4年前よねんまえまれていたとしても、当時とうじすでに6さい以上いじょうだったなんてことないよね?」

 親離おやばなれするでしょ。

らん。このほんいてあるから。ただ、ここまでのたたかいからかんがみるに、このほん内容ないよう信頼しんらい出来できるとえよう。ちがうか?」

 たしかに。もしこのほんがなければわたしたちはころされてわれてしまっていただろう 。

 ちないがしんじるしかない。


7 絶対絶命ぜったいぜつめい! おにいちゃんいままでありがとう


 だい9の刺客しかくクマーゴの能力のうりょくはあっさり判明はんめいした。えるのだ。その姿すがたが。

 クマーゴのスタンドはメカヒグマといった外観がいかん。そしてその能力のうりょくはっ!

 クマーゴとメカヒグマは自由じゆうわるのだ。すなわち。

ねクマーゴ!」

 おにいちゃんのグングニールがクマーゴをらえたっ! かにえたが。

 ガキーン! はげしい金属音きんぞくおん火花ひばな。そうクマーゴとメカヒグマがわったのだ。そして。メカヒグマはグングニールをうばり、両前足りょうまえあしって右後みぎうしあしひざたたきつけ、へしってしまった。度重たびかさなる激戦げきせんでグングニールの耐久力たいきゅうりょく限界げんかいたっしていたのだ。そしてそれはサラディッシュのたてにもえた。

 たてでメカヒグマの頭部とうぶたたいて攻撃こうげきするおにいちゃん。わたし魔法力まほうりょく使つかたして回復かいふくち。バイキ○ト、スカ○、ピオ○ムなどの呪文じゅもん攻撃力こうげきりょく守備力しゅびりょく、すばやさががっているとはいえ生身なまみのおにいちゃんにはわるい。

「サラディッシュのたてにヒビがっ! おそらくつぎおおきな衝撃しょうげきければこわれてしまうだろう」

「おにいちゃんげよう。武器ぶきもないし、このままじゃふたりともころされてべられちゃう!」

辰子たつこ。いや、マジカル♡またぎ🐻魔女まじょ☆ゆきちゃん。おまえげろ。おれはここでこいつをめる」

「おにいちゃんのほうこそげて! わたし一度いちどんでるしたましいだけの存在そんざいだから、肉体にくたいさえあればよみがえることが出来できる。おにいちゃんはんだらおしまいだから、おにいちゃんがげるべきだよ」

 そうっておにいちゃんのまえふさがった。

「もう魔法力まほうりょくもないし一発いっぱつ仕留しとめる。大気中たいきちゅうのエネルギーを凝縮ぎょうしゅくさせ大爆発だいばくはつこす。これでもらえ! イオ○ズン💥」

 メカヒグマがバラバラにんだ。やった――。

 クマーゴの右前足みぎまえあし一閃いっせん咄嗟とっさ左手ひだりてかばおうとしたが。

辰子たつこ――――っ!」

 後方こうほうばされる。しかもばされたのは身体からだだけではなかった。左腕ひだりうでひじからさきがなかった。

 と一瞬いっしゅん左腕ひだりうでられていたすきにクマーゴがわたし目前もくぜんせまっていた。

 魔法力まほうりょく体力たいりょく急速きゅうそくうしなっていく。休息きゅうそくりない。もはやすすべなしだ。

「おにいちゃんいままでありがとう。あいしてるよ♡」

 クマーゴのくちおおきくひらかれ目前もくぜんせまった――――――

 ――――

 ――


8 絶望ぜつぼう


「おにいちゃんいままでありがとう。あいしてるよ♡」

 おれうごくことも出来できず、ただその様子ようすていた。

 巨大きょだい人食ひとくいヒグマ、クマーゴのくちいもうと頭部とうぶ千切ちぎるさまを。くびのない身体からだがスローモーションのようにゆっくりとたおれていく。

 おれ大切たいせつ最愛さいあいいもうと二度にどうしなったのだった。

「うわああぁぁ――っ!」

 くと、サラディッシュのたてなぐかっていた。おれきているうちはいもうと身体からだには指一本ゆびいっぽんれさせはしない。

 たて一撃いちげきがクマーゴの頭部とうぶ命中めいちゅう一定いっていのダメージをあたえたようだ。しかしたてくだり、クマーゴの左前足ひだりまえあしおれ脇腹わきばらえぐった。すうんでうごけなくなった。クマーゴはおれにトドメをすことなくいもうと身体からだむさぼった。

「やめてくれ! おれころせ〜っ!」

 おれ悲痛ひつうさけびにもクマーゴは関心かんしんしめさずおれ自決じけつするチカラさえなく、いもうと身体からだすこしずつちいさくなっていった。


 つづく


 (りなのに)次回予告じかいよこく


 ここにきてひどいシーンをいてしまってごめんなさい。

 でもおもいだして! 彼女かのじょは『獣食けものくわれ』けいのヒロイン。およそ1000ねんわたって、250回程かいほどけものわれつづけてきた、けものわれることのプロ。

 次回じかいはレイティングなしでけるといいな♡

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