あとがき


これは決して表にならない裏。


他のAgainst humanのでは〈人〉と人間の戦いを主に書いていましたが、テイルの真の恐ろしさはこの程度に収まりません。


少し裏の設定の話をしましょう。


テイルとは、人々の想像がしっかりとしていれば本当に何でも生み出せる。まさに神の如き所業も可能になります。


天地創造も至るまで至れば可能でしょう。しかし、それほど規格外のことを人類程度の脳が正しく想像できるはずもなく、また全人類の持つテイルを集めても、原料となるためのテイル粒子が絶対に足りない。


(そもそもそんなことが可能だとメタ的に考えても手が付けられなくなるのでNG)


しかし、テイルの可能性は戦いの術だけになってはならない。


きっと平和のために使われている一面もあるはずだし、生活を豊かにする純粋な技術として使われているはず。


さらに一般人として住んでいる人々が生活のために使っているはず。


テイルには有限なれど無量大数ほどの可能性があると思ってます。


そのテイルの可能性の極致の一つとして考えたのは神や英雄の再臨でした。もちろん今を生きている人々からすれば、神は本当に居たのか、英雄は本当に語られている通りの存在なのかは知る由もありません。ただ伝説として語られているだけです。


しかし、そんな存在でも人々の中には圧倒的な存在として刻まれているに違いない。


テイルは想像を現実化するもの。人々が偶像として抱く英雄や神が現実化する。それもまた、この世界の可能性としてあり得るはずだと思います。


もちろんそれは本物ではない。死者が蘇っているのではなく、それは人々がそうあるはずだと願った偶像です。そこは想像を現実化するというテイルの設定があるからこそ、徹底していきたいと思っています。




さて、そういう経緯で生まれた〈現神人あらがみびと〉ですが、この話の時点で海外にはいろいろと誕生している設定です。あくまで、この話のように人の器に宿る形ではありますが。


例えばヨーロッパの辺りはすごいことになっていますね。伝説の剣を使う王者とそれを囲う騎士たち、伝説の再来とも呼ばれる英雄や、神を名乗る存在も何人か?


後はエジプトでは、神の如き力を振るえる王が復活したとかいう話も……?


他にも中国では、人という枠を超えているとしか言えない将軍たちが覇を謳うとか?


こんな感じの噂が世界中であったりなかったり。


ちなみに設定では彼らは復活しても現代に呆れて滅ぼしたりはせず、今の世界に順応し、その上で、現代に適応した治世や謀略を行っているとかなんとか。


もしかすると本来は存在しない神も出てくるかもしれません。


海深く。幻の大陸の中には、魔法を信仰し、魔の王を崇める種族もいたりとか。





みたいなことは考えていますが、彼らが出てくるのは、万が一にも国内のごたごたが集結した後になることでしょう。



今回のこの話は、そんな設定も垣間見てほしいという私の欲望によるものだと思ってくれればいいと思います。


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【短編】Against 〈human〉:現の神 とざきとおる @femania

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