第4話 突然の告白 陸sibe

「私は、素直に言えないの!大好きなのに伝えられなかったの!」

どうして忘れていたんだろう。鈴茄は「ツンデレ」なんだ。伝えられないことは分かっていたはず、けれど俺が余裕がないばかりに鈴茄が泣いてしまった。

「ごめん鈴茄。」

自分の指で、鈴茄の涙をぬぐった。

「別に陸が謝ることはないよ。」

「ありがとう、鈴茄は優しいね。」

「ふ、普通だし。」

こんな話をしていることが信じられない。鈴茄も、俺のことを好きだったんだということが信じられない。これは、夢じゃないのだろうか。

「あ、あと少しで着くよ。」

鈴茄がはぐらかすように言った。けれど、俺にはやりたいことがあったので…

「うん。…鈴茄ちょっと目、つぶってもらえる?」

「?分かった。」

鈴茄は俺の言う通りにした。今からすることが分からないからだろう。そして俺は、鈴茄の唇に俺の唇を重ねた。放したら…

「な、な、なに、なにしてる……!」

鈴茄が真っ赤な顔でそういうから、面白くて、可愛いくて笑った。

「鈴茄のとなりにいさせて。」

「うん!」

                                   END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君のとなりにいさせて @itimisu-macaron

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ