カクヨム界最高のお祭りとは!?

篠騎シオン

議題:カクヨム最高のお祭りについて

「カクヨム誕生祭おめでとうー!」


盛大にならされるクラッカー。

カクヨムの4周年をお祝いして、今日はカタリとバーグさんでパーティーを開いていた。(もちろんトリも一緒です)

2月29日に開始したカクヨムというサイトは、本当の意味での誕生日をはじめて迎えたのだ。


「作品もだんだん増えてきて素晴らしいことです。イベントもたくさんありますしね」


にこにこと笑いながら、クラッカーのごみを拾うバーグさん。


「そうだな。でもまだまだ、必要としている人に物語を届けれていない部分も多い。そこはこれからもっと頑張っていかないといけないな」


ソファに座りながらうーんと伸びをするカタリ。


活躍を見ることはなかなかできないが、この二人もカクヨムというサイトのために日夜努力をしているのだ。

自分たちが一生懸命尽くしてきたサイトが誕生祭を迎えることが、嬉しくないはずはない。


「カンパーイ」


ケーキを切り分け、二人でお祝いの乾杯をする。AIなのにバーグさんがケーキを食べれるのかは、皆さんのご想像にお任せだ。

トリには、生クリームはよくないかと、ケーキの上に乗っている苺をおすそ分け。

嬉しそうに羽をぱたぱたさせている。


「それにしても今回の誕生祭、ほんといろいろ盛りだくさんだよな」


「ですね、作者様たち、読者様たちを巻き込んでの盛大なお祭りですからね!」


「カクヨム最高のお祭りも目玉の一つだよな」


「えっ?」


バーグさんが不思議そうな声を上げる。

そんな反応をされたカタリも驚く。


「どうしたんだ?」


「いえ、カクヨムコンはもう終わりましたよ」


「へ?」


今度不思議そうな声を上げたのはカタリの方だった。


「だって、カクヨム最高のお祭りって、カクヨムコンでしょう?」


「いやいやいや」


カタリはソファから立ち上がって、むしろソファの上で立ち上がって熱弁をふるう。


「カクヨム最高のお祭りはもちろんKACだろう。この短期間でどれだけの数の作品が生まれると思ってるんだ」


「何言ってるんですか、カクヨム界最大にして最高のお祭りはカクヨムコンでしょう。規模が違いますよ、まったく。賞金に書籍化。これが最高のお祭りと呼ばれないわけありません」


「賞金に書籍化ももちろん大事かもしれないけれど、短期間の盛り上がりでは断然KACのほうが上だろう?」


「KACなんてつい昨年始まったばかりじゃないですか! カクヨムコンはカクヨムが始まって最初のイベントですよ」


「なんでも初めてが偉いってわけじゃない! KACでは投稿される作品が短編、そして投稿期間がシビアであるおかげで作家たちの活発な交流が行われる」


「カクヨムコンだっていろんな交流が起こりますからね!」


「賞金と書籍化という大きすぎるもののせいで、相互の交流がしにくい部分はある。一時期相互評価とか問題になってたしな」


「それを言うなら、KACだってその問題はあるはずですよ。ていうか、カタリ。活字が苦手だからって、短編に逃げてるんじゃないですか?」


「うっ、そんなことは……。ていうか、バーグこそ、短編だと作者を応援する自分の活躍の場が少ないからって敬遠してるんじゃないのか」


「ふっふーん、そんなことありませんよー。だってカクヨムコンには短編部門がありますからねー」


「実は裏で短編は応援のし甲斐がないから、私の出番がなくてちょっと寂しいって言ってたの知ってるぞ」


ぐぬぬ、と額を突き合わせる二人。

そしてそれを苺をついばみながら見つめるトリ。

我関せずでもぐもぐしていたトリに突然、火の粉が降りかかる。


「どっちがカクヨム最高のお祭りだと思う!?」


じりじりとにじりよってくる二人。

トリは突っついていた苺をごくりと飲み込みながら、降りかかった火の粉を払う。


というかガソリンをかける。


「僕はカクヨム最高のお祭りは、カクヨム甲子園だと思うよ」


「えっ、どうしてカクヨム甲子園なんですか! そこはカクヨムコンでしょう」


「KACだろ」


詰め寄った二人だったが、はっとして顔を見合わせる。


何か重大なことに気付いてしまったようだ。


そして、二人は叫んだ。





「トリ、喋れたの!?」




そこから2人と一匹は、カクヨム最高のお祭りが何かには触れず誕生祭を楽しんだ。

結局、最高がどれかということより、いかに作者、読者にお祭りを最高に楽しんでもらうかが大事だということに気付いたのだ。

彼らの陰ながらの努力は続いていく——


皆さん、カクヨム最高のお祭りは何だと思いますか?

意見が分かれたとしても、それぞれのお祭りを全力で楽しんでいきましょうね!

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